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市民目線不在の最終盤~京都市長選を振り返る~

僕は今、京都でLaughterというコーヒーショップを運営しています。

京都市では2/4に市長選挙の投開票が行われ、自民・立憲など4党の推薦を受けた松井考治さんが、共産などの支援を受けていた福山和人さんとの接戦を制し、初当選を果たしました。

長年共産vs非共産の戦いが続いてきた中で、維新などが推薦を予定していた村山祥栄さん(政治資金問題でその後推薦は取り消しも立候補は取り消さず)自民党を離党、府議を辞職したうえでの挑戦となった二之湯真士さんが立候補したことで、かなり複雑な構図となった選挙戦。

自民党の裏金問題発覚後の政令指定都市での選挙、更には16年ぶりの現職不在の選挙としても、全国的な注目も浴びました。

選挙で選ばれるのは一人ですが、選挙戦や各候補者の掲げるマニフェストを通じて、財政健全化やオーバーツーリズムなど京都が抱える根源的な問題を市民一体となって考える良い機会でもあり、個人的にも各候補者の演説動画などで動向をチェックしていました。

SNSなどの普及もあり、各候補者が連日積極的な情報発信を行っている姿は思想や政策の違いはあれど評価していました。

しかし、選挙戦残り1週間を切り、各報道機関から最新の情勢が伝えられたあたりから状況が変わってきました。
候補者自身や支援する議員などから、相手陣営を攻撃するような内容の発信が目立つようになりました。

「京都をより良いまちにしたい!」そんな思いが込められているのであれば、時に激しい政策論争があっても良いと思います。

ただ、残念ながらそうは見えませんでした。
目的は相手陣営に少しでもマイナスイメージを与えること。最終的に一票でも勝っていれば市長になれる。そんな風にしか見えませんでした。

考えているのは、相手陣営のイメージダウンと選挙での勝利だけ。
まさに市民不在のむなしい空中戦でした。

思い出すのは4年前の市長選。
選挙期間中の最中、当時現職だった門川市長を応援する陣営が地元新聞に「大切な京都に共産党の市長はNO」という広告を打ち、大きな波紋を呼びました。
4年の時を経て、また同じような対決構造になってしまった感じがありました。

ちなみに、最終的な得票数はこちら。

前回の選挙では、門川さん約21万票、福山さん約16万1千票、村山さん約9万4千票だったので、結果的に福山さんはほぼ変わらず。
松井さんは門川さんより約4万票、村山さんも約2万票減らし、その受け皿になったのか二之湯さんがその合計値に近い得票を得ていました。

候補者の顔ぶれが変われば、票の流れも大きく動くということを体感した選挙戦でもありました。

そして、激戦でしたが市民の民意で選ばれたのは松井孝治さん。
目下の問題が山積の京都市ですが、選挙戦でも訴えていた府市協調や官僚時代の行財政改革の経験を大いに発揮していただき、より良い京都のまちを作っていただければと思います。

そして、一市民としても選挙の時だけではなく、松井市長の4年間を自分なりに追いかけていきたいと思います。

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