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自分らしい働き方を検証せよ -リデザイン・ワーク 新しい働き方-

今の自分が読むべき本という直感があったので即買いしました。


在宅ワークが当たり前になったいま、「新しい働き方」というよりも「自分らしい働き方」を考える時間ができました。自分らしい働き方とはつまりは最大限のパフォーマンスを発揮できる働き方でもある。

本書はさまざまな企業の「実験結果」でもある。働き方の正解ではないが、間違いなくヒントがある。そのヒントを活かすも殺すも読者次第。

新しい働き方のヒント


私の読書は気になった言葉に付箋を貼って、それを振り返るブログを書くスタイル。今回も付箋を貼った理由と一緒に紹介します。


いま多くのひとは、仕事の「オフ」スイッチを押して業務対応を打ち切ることがなかなかできずにいる。高い生産性を維持するためには、集中して仕事に取り組む時間を計画的に確保することがきわめて大きな意味をもつ。

はじめに

自身が「オン」になるルーティンが分かっていれば生産性は上がる。そのスイッチが分からない限りパフォーマンスは一定しない。

私は朝ほぼ同じものを食べる習慣がついた。「朝何を食べようか」を考えたくないのだ。1日のはじまりは極力頭を使わず、始業したら頭を使うスイッチが入る。

リモートワークの経験が長い会社では、仕事のデザインにおいて、できるだけ多くの知識を明示的なものにすることに力を入れている。

2.理解する

仕組み化することが当たり前になっていれば、最低限の即戦力になりうる。個人の能力に頼るのではなく、明示的なものがあるか、なければ作る。明示化されたアウトプットがあるならさらに更新して改良する。

自分の仕事が大きく変わると考える人たちは、リスキリング、つまり新しいスキルを学び直し、まったく別の職に移行する支援をしてくれる会社で働きたいと考えるだろう。

2.理解する

仕事だけではなく「学べる場」であることが会社には求められる。「もはや学ぶことはないかもしれない」と思った時からココロは離れていってしまう。

この人たちが以前の職場で成功を収めていたのは、本人の能力による部分もあったが、その職場で形づくった人的ネットワークによる部分が極めて大きかったことが明らかになった。

2.理解する

職場に相談できるひとがいる、そのネットワークがあることが働くモチベーションに繋がる。ブレスト相手がいなければアイデアは独りよがりなものになり戻し(修正)も増えてしまう。人的ネットワークが保証されている会社の雰囲気作りも大事。

もし社内に相談できるひとがいなければ、自身のネットワークを今いる組織に組み込めばいい。そうすればより良好な関係が築ける。

「どうしよう」から始めるのではなく「まずはこれをやってみよう」


社員の体験を理解するうえでは、3つのツールが有効だったという。その3つのツールとはカスタマージャーニー、それを応用した「社員ジャーニー」のモデル、そして顧客満足調査に用いる指標の「ネット・プロモーター・スコア」である。

2.理解する

有効的なツールがあるならまずはそれを使ってみる。ツールの力を借りることで仮説も立てやすく、またはもともと立てた仮説が合っているかもわかる。最初の1歩が踏み出しやすいかはけっこう重要

在宅勤務を成功させるための実践ガイドとは、自分に適した仕事場をつくる。日々の習慣を確立する。休憩することに罪悪感をいただかない。

3.新たに構想する

休憩に罪悪感を抱いているとすればその組織では何かしらのストレスがかかっていると考えていいかも。そしてそのストレスは自分自身が生み出しているのかもしれない。

1994年にイタリアの物理学者チェーザレ・マルケッティが提唱した法則によれば、歴史を通じて、人類が交通機関の利用に費やしてもいいと感じる時間は1日およそ60分までだったという。

3.新たに構想する

オフィス勤務と在宅勤務の選択を完全に各自に委ねると、週2日在宅勤務、週3日出勤を選ぶ人が多い。そして、たいていは週半ばの3日間に出社し、月曜と金曜に自宅で働くことを好む。

3.新たに構想する

実験結果として出ている事実を踏まえて考える。検証されたことがあるならさらに検証できることはないか仮説を考えればいい。少なくとも通勤時間がストレスになるのは分かっていることで、在宅勤務の傾向も「言われてみれば確かに」となる。

リーダー・オブ・ワークの役割


重要なのは、リーダー・オブ・ピープルとリーダー・オブ・ワークの役職を切り分けたことです。リーダー・オブ・ワークの役割は、業務が円滑に進んでいるかどうかに目を配ること。

3.新たに構想する

リーダー・オブ・ワークがプロジェクトマネジメントと理解する。プロジェクトにおいて自身がリーダー・オブ・ピープルなのかリーダー・オブ・ワークなのかを明確にしておくと良い。案外役割を明確にしていないことがプロジェクトの障壁になっている。

役割さえ明確になっていれば自身がやるべきこと、やらなくていいことがわかるはず。「やらなくていいこと」が明示されていることの方が大事かも


#心理的安全性


2022年最も私が気にした言葉は心理的安全性でした。主体的、柔軟性、意義ある意見の対立など、組織に心理的安全性があるか否か常に自身に説いていきたい


人生の道筋を自分で選択することが当たり前になる人たちは、職業人生のほかの側面でも主体的に選択することが上手になる。

4.モデルをつくり検証する


2人が異なるスキルと人的ネットワークをもっていること、そして仕事以外のことを考えるゆとりを得られることは、間違いなく生産性の向上の後押しになっています。でもそれだけではありません。ペアの間で互いに学び合うことの利点があります。

4.モデルをつくり検証する


MITの社会学者シェリー・タークルによれば、新型コロナのパンデミックによりテクノロジーの活用が目覚ましく増加する前の時点ですでに、テクノロジーとの関わり方が人々の基礎的な人間的スキルの成長に悪影響を及ぼしていた。

4.モデルをつくり検証する

悪影響という言葉を鵜呑みにするのはよくないが、テクノロジーに依存することで少なくとも集中力は落ちると思う。


高いレベルの信頼がある企業は、機敏性と柔軟性が高く、社員のストレスが際立って少なく、活力に満ちていて、高い生産性を発揮できる。(略)この種の職場は「心理的安全性」の恩恵に俗しやすい。

4.モデルをつくり検証する


「公平じゃない!」と思う要因は結果・手続き・意思疎通


長年の研究により、人がいだく公平感に影響を及ぼす要因が明らかになっている。(略)その要因とは、「結果」「手続き」「意思疎通」である。

4.モデルをつくり検証する

要因が分かっているなら話が早い。。とはいかないが、この3つの中でどれがボトルネックになっているかを選択肢にできるのは大きい。


エイミーは、育児のために仕事を休む同僚の肩代わりをするよう電子メールで指示をされたり、疲れ切った上司から結論だけ言い渡されたりすると、自分が不公平な扱いを受けたと感じる可能性が高い。上司が話し合いの場を設け、エイミーの立場に理解を示し、言い分に耳を傾け、どうしてエイミーに仕事を肩代わりしてもらうことにしたかを説明したほうがうまくいく。

4.モデルをつくり検証する

「結果」「手続き」「意思疎通」がなぜ要因になり得るかが分かりやすい例ですね。

マネージャーと部下とのやりとり、そしてチームの成績について、日々のデータを分析した。(略)1日に1回、もしくは週に1回、メンバーに電子メールを送っているか、オンライン上のプロジェクト管理ツールと対面の会議のどちらを好むか。メンバーと1対1で話すか、それともチーム全体で会議で話すか。(略)「マネージャーがメンバーと1対1の話し合いを頻繁におこなうチームほど、成績がよい」ことがわかったという。

4.モデルをつくり検証する

チーム間のコミュニケーションにおいて、ツールか全体か個別かにおいて明確な結果が出ている。仕事でも定着しつつある1on1の意味と価値を今一度理解しないといけない。社員間の意思疎通を疎かにすればエンゲージメントは下がる。


すべての根底にあるのは、変化することを求められたときに誰もがいだく疑問だ。それは、自分にとってメリットはなにかという問いである。

5.行動して創造する

自分にとってのメリットが正しく理解できるよう説明がなされているか。理解できないなら、自身が分かるまで対話をしないといけない。メリットを放棄してはいけない。


この活動(コ・クリエーション)で重要な意味をもった要素のひとつは、ファシリテーターが多くの人たちの発言を促したことだった。

5.行動して創造する

ファシリテート能力は鍛えないといけないビジネスの筋肉。

偉大なリーダーは「リアル」でなくてはならないというのである。これは、その人物がなにを大切にしているかがほかの人たちに理解されていることを意味する。

5.行動して創造する

今は「解凍」の時期


私はどちらかというと「分析」よりも「仮説」を立てるのが好き。ときにそれが「思いつき」と言われるが思いつきで何が悪い?と思ってしまう。

思いつきも実は過去の実績による直感で、割と思いつきから始めてみることの方が生産性が良いのではと思っている。

それが決定事項だという印象をもたせないためには、いまが「解凍」の時期であり、さまざまな実験や試行を通じて新しいモデルをつくり、その有効性を検証するのに適しているという認識を示せばいいだろう。

5.行動して創造する

誰もが答えが分からない。「解凍」を示すことで回答が見つかるかもしれない(だじゃれ)。

コロナ前に時点で在宅勤務をしていた10%の社員とオフィスに出勤して働いていた社員のデータを比較したところ、(略)在宅勤務の社員のほうがeNPS(従業員プロモーター・スコア)が高い場合があることがわかりました。私たちの経験から言っても、柔軟な働き方を実践すると、社員は生産性が高まったと感じるようになります。

5.行動して創造する

業務内容にもよるが、在宅勤務を選択できる権利があることが社員のモチベーション、エンゲージメントを高める。選択できるって大事。でも放置でもダメだから難しい。

第1に(ルールではなく)基本原則を示すアプローチを採用することにより、働き方に関して過度に人々の手足を縛り、融通の利かないしくみを設けることを避けつつ、人々に目的意識共有することができました。

5.行動して創造する

働き方はひとそれぞれ、誰もが同じではないからこそ価値が見える。違いを否定するのではなくまずは受け入れてみること。


本書の資料は以下にもあるとのこと。英語版だけどダウンロードしてみよう。

https://hsm-advisory.com/approach/upskilling-managers-by-hsm-advisory



まとめ:年末年始に最適な働き方を考える


いかがでしたでしょうか。年末年始に読んでみると良い本だと思います。自分にとっての最適な働き方を考え直す、見つめ直す機会にしてもらえれば幸いです。

自身の働き方よりも私以外の誰かの働き方を想像しながら読んでみるのもいいかも。


読書録は定期的に書いているので良かったら。記事への「いいね!」やフォローはすごくうれしいです。



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