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気づきだらけの本-心理的安全性のつくりかた-

2020年4月にベンチャーに転職してから、会社の組織の在り方について真剣に考えるようになりました。

それまでも「組織論」や「マネジメント」的な本は折を見て読んでいましたが、今は本気で実践しないと会社が潰れてしまう。そんな危機感があります。

個人的にはこの「ヒリヒリ感」がベンチャーならではの楽しみだと思っています。

そこで今回手に取った本は

心理的安全性のつくりかた 石井遼介著 

日本能率協会マネジメントセンター


心理的安全性とは


本の中の言葉を自分なりに腹落ちさせていきます。グレーの網掛けが本の中の文章。

チームの心理的安全性とは、チームの中で対人関係におけるリスクを取っても大丈夫だ、というチームメンバーに共有されている信念のこと


在宅勤務を余儀なくされて、「会社というチームがいかに安全な場所か」というのは改めて考えるようになった。

"自分の居場所が会社や仕事にあるか"#自身のパフォーマンスを発揮できているか"を「心理的安全性」という言葉で捉えてみると発見があるはず。


マネジメントの手間を引き受け、多様性を活かした個々の才能を掛け算しながら、組織のビジョンや、チームが大切にしたい方向へ向けて推進していくのが、「新奇歓迎」因子なのです。


多様性を理解して行動するとマネジメントに繋がるってことを理解しておきたい。頭で「多様性」の大事さは分かっているけど案外、多様性の行き着く未来まで考えが及んでなかったりする。


「給料は苦痛に耐えたボーナス」「自分を守る、怒られないための仕事」「トラブルの犯人さがし」をしていた、そんな「非」安全な職場に心理的安全性がもたらされることで、人々は意義あるゴールに向けて健全に意見を衝突させ、助け合い、物事を前に進める仕事をするようになります。

給料は苦痛に耐えたボーナス、これだけは仕事において避けたい考え方。

自身の成果が会社の成長に繋がる好循環を常に考えて仕事したいし、それができない環境ならば変えるという選択肢もあり。


自分自身が問題の一部


同じ職場やチームで「相手に問題がある。それに私が困っている」と思うとき、実はあなたが問題の一部になっているのです。

この本で出会ってよかったと思う一文。

自身が問題と思っている問題に自分がなってしまっていないか。問題解決において常に自答すべき言葉。


心理的柔軟なリーダーシップ 柔軟性①変えられないものを受け入れる②大切なものへ向かっていく③それらをマインドフルに見分ける(=気づいている)

変えられないものを受け入れる、コントロールできないことをコントロールしようとしていないか。

明らかに無駄なことに注力して時間の無駄遣いをしているかもしれない。


「経営者がビジョンを決める」だけでは、それは組織に所属する人たちの「現実・リアル」にはならないわけです。だからこそ、そのビジョンについて「対話」を行うことで、それをリアルなものへ変えていきます。いわゆる「対話型組織開発」がこの社会構成主義的な組織開発です。


コントロールではなく受け入れる


イヤな気持ちを、コントロールするのではなく受け入れる。

コントロールしようとするからいけない、受け入れてそれで終わり。

コントロールするとにロクなことはない。


あなたが「本当に正しい」時ですら、あなたの正しさを示し、相手の誤りをあげつらうことは、チームに心理的安全性を構築し、メンバが―一人一人輝く上では、役に立たないことが多いのです。

正解が刻一刻と変わりうる時代には、「考えていることが正しいかどうか」よりも「考えていることの正しさへの執着」の方が、チームの心理的安全性の構築においてより問題を大きくするのです。

相手を論破(コントロール)したところでチームのためには、ほぼ何の役にも立たない。


長期的にイヤな気持ち(思考・感情・感覚・記憶)を回避・コントロールし続けることは原理的にできない、ということが知られています。

本書でも太字のこの一言、「原理的にできない」と分かっていればその思考や行動や変えられる。


「やる気」という言葉で指し示しているのは、彼が遅刻したとか、不十分な資料を提出したとか、具体的な複数の行動に対する「ラベルを貼っている」だけのことなのです。…結局個人の内面(やる気、自信、性格、能力など)責めたところで、解決・行動変容には繋がらないということです。

いかに自分が解決・行動変容に繋がないことにこだわっているかが分かる言葉です。猛省したいし、二度とこの過ちは繰り返したくない。


正解のない時代にあって、「意義ある意見の対立」はむしろ推奨すべきものなのです。

いかに意義ある環境にするか。意義ある対立ができる環境づくりができているか、それを保証されているか。

会議といったディスカッションにおいてこれができているか、できていなければ自身が場をコントロールしようとしているから。


「なぜ?」という文脈はネガティブに受け取られる


「なぜ?」「どうして?」という言葉は細心の注意を払って使うべき言葉です。多くの人にとって「なぜ?」が聞かれる文脈がネガティブなものが多いからです。

「なぜ」と聞くことで気が付けば上に立っている、ないしは相手が下になっている場合が多々ある。「なぜ」と聞かないで済む想像力を持ち合わせたい。

「厳しい」マネージャーは、部下にプレッシャーをかければパフォーマンスが高まると考えていることが多い。それは間違っており、高まるのはパフォーマンスではなくストレスである。

仕事に限らず、学校や家庭でもこの考えは割とまかり通ってしまっている真実。早くこの現実を世界で浸透させないと。

会社のみならず、親としてプレッシャーで成果を出そうしていないか注意したい。

才能の出し惜しみをするな


「才能の出し惜しみをするな」というフレーズをくれました。厳しい叱責ながらも「相手に才能があることが信じている」信頼が伝わってくるのではないでしょうか。

こんな言葉をかけられるマネージャーになりたい。

1日1分もかからない、小さな示唆を従業員に見せたところ、この示唆をよく見ていたチームとそうでないチームでは、次クォーターの受注達成率に27%もの差がついたといいます。

コロナで在宅勤務が定着しているからこそ、小さな示唆を伝える時間の確保が求められている。

現実や顧客の反応は「このままではダメだ」ということを示しているにも関わらず、「私が人生で編み出した成功法則に従えば、きっと成功するはずだ」と心理的柔軟性に欠けた、硬直した役に立たない行動パターンを取り続けてしまう可能性があります。

成功法則に縛られて没落していく典型的なパターン。これが起こることで組織は簡単に壊れる。

ルールをつくる時でも、メンバーに「接触・実感」できる「確かにそうやな行動」を増やし、「言われた通り行動」を減らすことが大切です。

確かにそうやな行動、なぜ関西弁なのかは不明だが(笑)、そうやな理解を怠っていることが多い。そうやな理解というきっかけまで作ってあげないと。

山本五十六元帥の有名な言葉に「やってみせ、言って聞かせて、させてみて、褒めてやらねば人は動かじ」

これが最後までできているか、中途半端なところ「言って聞かせて」までやらせて相手ができないと文句を言っていないか確認したい。


あなた自身の「大切なこと」を言語化する3ステップステップ1:あなたの「コア業務」つまり、仕事でいつもやっている重要なことはなんですか?ステップ2その業務には、どんな「大切にしたいこと」や意義・意味を込めていることができそうですか?ステップ3あなたのその業務の影響を受ける人々や社会について、より広く、深くイメージしてみてください。その人々に、どのような良い影響をもたらすことができるでしょうか


率先して行動を変える、そして習慣化


いま現在、チームに心理的安全性が足りないとしたら、まずはあなたが率先して行動を変えてほしいのです。

自主的、率先的は7つの習慣にもある言葉。

行動を起こす、それを習慣にする、習慣の精度を上げる。


心理的安全性の高いチームは「5分から10分程度の短い会話の頻度が多い「週次の1時間の会議は、(毎日)5分の会話の代わりにはならない」ということが知られています。

メンバーに対して、1on1で聞くのはこの3点です。1よいニュースは何ですか?2悪いニュースはないですか3いま、不安や不満なことありますか?


自分にとって気づきばかりの言葉が多い、というのはイコール「できていないこと」でもある。

この付箋の数だけ自分の改善点があるということ、改善点が分かったらな行動あるのみ。また手に取りたい良書です。

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