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発達障害、いじめ、不登校からのリスタート

2022年になりました。本年もよろしくお願いします。

今年は長男が高校入試に挑む年、子どもの成長は早いもの、、、と言いたいところですが、我が家にとっては長い道のりでした。


息苦しかった義務教育


発達障害の2次障害で入院をした長男にとって、義務教育は苦しいだけ期間だったように思います。

退院後も一時期学校に通うことはできたのですが、いじめによって不登校になりました(これは最近、長男自ら告白してくれたことです)。

学校や病院、または周りのお友だちもたくさん支えてくれましたが、今の日本の教育システムに馴染まなかっただけの問題かなと思っています。(なので誰かが悪いとか、理不尽なことがあったとかそういう話でもないかなと)


発達障害を強みに変えてくれたゲーム


学校に行かない間、長男は決して「引きこもり」ではありませんでした。しっかり充電をして、自分に向き合う必要な時間だったと思います。

不登校のタイミングで奇しくもステイホームが当たり前となり、学校に行かなくてよい状況になったのは我が家にとって好都合でした。

そんな中、発達障害という特性を自身の強みに変えてくれたのが「ゲーム」でした。

ゲームといっても私たち親の世代の考えるゲームとはまったく世界が違います。ゲームをしながらチャットをするのが当たり前、長男の場合はヘッドセットをしながらゲームに勤しみます、その光景はさながらコールセンター笑。

リアルで誰かに会うことが苦手になってしまった長男にとって、声だけのコミュニケーションは唯一の居場所、生き甲斐でもあります。

やがて「ゲームの世界で働きたい」と将来の目標になりました。

「ゲームは子どもにとって害」といった風潮は未だに残っていますが、ゲームは今やeスポーツと言われるほどのビジネス。マーケットとしての可能性を秘めています。

2020年国内eスポーツ市場規模は前年比109%の66.8億円に。2024年には180億円超に拡大と予測。引用元:ファミ通

プロ野球選手を目指す子を親が応援するように、プロゲーマーになりたい子を応援する。ただそれだけの話です。

目標を見つけた長男はゲームに特化した高等学校に通うことを決めました。誰かに決められた人生ではなく、自分で決めた道ならまた再挑戦できる。何かに熱中すると、集中力を発揮する長男を活かせるのがeスポーツの世界なのです。


親が応援したら世界レベルの腕前に


ゲームで生き甲斐を見つけた長男を、親が全面的に応援することでたくさんの発見がありました。

ゲーム機器を遊び道具ではなく、我が子への投資と考えるようになりました。投資をすればリターンが必要です。

リターンを我が子に課したわけではありませんが、ゲームに集中できる環境を整える(ゲーミングパソコン、ゲーミングチェアなどを買う)と長男の腕前はどんどん上がっていきました。

フォートナイトの世界大会ではプロゲーマーとも互角に戦う長男、いつしか世界に挑む長男のファンになっていた私。いつまでも親バカw



不登校からリスタートは決して平坦ではない


「不登校から高校入試へ」といっても簡単なことではありません。

漢字が読めない、計算ができないといった学習レベルの話であれば勉強し直せばいい。そう考えがちですが、そもそも勉強する行為自体にハードルがあり、それが躓きになっているのです。

鉛筆を握る手が震えてしまう、文字を平行に書けない。PCでのチャットではスムーズに意思疎通ができるのに、書くことが苦手だと前にすら進めません。(書くこと自体が苦手なら学校には行けないことも理解できます)


しかし高校進学という目標を見つけ、自身で進学したい!という決意した長男は並々ならぬチカラを発揮します。

毎日ゲームが終わった後、入試の科目である小論文(作文)に取り組み、ママと一対一で原稿用紙に向き合いました。(改めて原稿用紙という升目に文字を埋めること自体、社会人になって必要なのだろうかと思ってしまう)


入試に必要な面接練習でのひとコマ。

面接官役のママが「自己PRをしてください」と言ったら、長男はピースサインをして笑顔を振りまいてきたそうです笑。

愛嬌がある(と言われ続けた)長男にとって笑顔=自己PRと考えたのでしょう、決して間違っていない。。。社会にとって必要なルールやマナーも今一度見直してもいいかもなと思ったりします。

今の教育や社会の在り方に疑問を持ってみる、我が子の特性はそんな当たり前を疑ってみる視点を教えてくれます。


親はいつだって我が子の味方


「親はいつだって子どもの味方」は我が子にきちんと伝えなくてはいけないことだと思います。

逆をいえば「味方であること」を日々伝えきれてなかったのではないか、という反省もあります。親にとって当たり前過ぎる感情が子どもには伝わっていなかったりするのです。

長男が入院の際、「親に捨てられた」と思ったそうです。

実際は妻の体調不良、兄弟への暴力、昼夜逆転、摂食障害などさまざまな二次障害が絡み我が家自体が崩壊していたのが入院の理由です。しかし見捨てられた事実は変わりありません。

そんな辛い想いをさせてしまった経験を語り継いでいきたい。同じ苦しみを持つ親御さんに寄り添いたい。

そんな想いから妻や地元の子育てネットワークを通じて、2021年発達障害の子を持つ親の会を開くようになりました。



私は決して専門家ではありませんが、同じ境遇で苦しむ親御さんの話を聞くことでココロが軽くなれるはず。私自身もブログで書く=客観視することで課題の整理ができました。

実際、話をされる親御さんは苦しみを絞り出すように言葉にしています、時には涙を流しながら語り、聞いてもらうことで救われる部分もあるはずです。


不登校、ゲーム依存、いじめ、親子関係、夫婦関係

苦しみに寄り添う場づくりは私にもできること。寄り添い続けることは何かを打開するきっかけになると信じています。なぜならそれを今私たちが実践しているのだから。

自分にできるのは寄り添うこと


入試は長男にとってゴールではありません。スタートですらないかもしれません。なので学校に行けなかった我が子が4月からすんなり学校に行けるようになるとも思っていません。

これからもさまざまな予想外な困難が待っているでしょう。その度に我が子だからこそ教えてくれることだと受け止めたい。

我が子を通じて親として成長させてもらっている、そんな謙虚な姿勢は忘れないようにしたい。

親は子どもから学びを得る。そんな親の学ぶ姿勢を子どもは見ています。学ぶ姿勢を通じて、常に子どもの味方であることを伝え続けたいです。


親も子を通じて学ぶ、学ぶ姿勢は忘れない


またどこかのタイミングで続きは書いていきます。それまでまた見守ってもらえると幸いです。

【追記】

無事に高校合格できました。これからが本当の始まり、長男の逆襲が始まります。彼の冒険は続く。




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