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視野拡大:見逃される成長の鍵

専門性への傾倒:視野拡大への疑問

「視野を広げる?そんなの今の仕事に役立つの?」

こんな声をよく耳にします。多くのビジネスパーソンが、自分の専門分野以外のことを学ぶ価値を見出せないでいます。人事担当者と話すと、よくこんな反応が返ってきます。

「専門スキルを磨く方が大切では?」
「今の仕事に直接関係ないことなんて...」
「視野を広げるって、要するに脱線でしょ?」
「自分の分野を極めることが先決かな」

専門性の罠:見落とされる視野拡大の重要性

一見、もっともらしく聞こえるこれらの意見。でも、ちょっと待ってください。こういった考え方こそが、私たちの成長を妨げる落とし穴になっているかもしれないのです。

確かに、専門性を高めることは大切です。でも、専門性だけに固執することは、実は危険です。なぜでしょうか?それは、専門分野以外の知識や経験こそが、新しいアイデアや解決策をもたらす可能性を秘めているからです。

学術界とビジネス界が認める視野拡大の価値

実は、この「視野を広げる」ことの大切さは、ビジネス界だけでなく、学術界でも注目されています。神戸大学大学院の國部克彦教授は、「価値創造は短期の成果ではなく、中長期で大きな価値を創り出すもの」と述べています。つまり、今すぐには役立たないと思えることでも、長期的には大きな価値を生み出す可能性があるのです。

また、早稲田大学大学院の入山章栄教授も、グローバル化時代における日本企業の競争力向上には、社員の視野を広げ、多様な価値観や知識を取り入れることが重要だと主張しています。

ビジネスの最前線でも同様の認識が広がっています。ある大手企業の経営者はこう語っています。「専門知識は大切だが、それだけでは新しい価値は生まれない。異なる分野の知識を組み合わせることで、はじめてイノベーションが起こるのだ」

また、ある成功した起業家は「私の事業のアイデアは、全く関係ない分野の本を読んでいるときに思いついた」と言います。

実例:視野拡大がもたらす新たな可能性

つい先日、ある大手商社の社員と話をする機会がありました。彼は誰もが知る会社に勤めているにもかかわらず、「このままではいけない」と感じていました。そこで、会社を辞めて知り合いの会社を手伝い、将来的には地元の活性化ビジネスに取り組みたいと考えていたのです。

正直、最初は驚きました。「なぜ会社を辞める必要があるんだろう?」「そんな良い会社、良い給料を投げ出すの?」と思ったのです。

そこで私は「まずは辞めないでできることからやってみては?副業禁止なら、ボランティアという形で実績を作るのはどうか」と提案しました。

僕らのようなスモールビジネス界隈やスタートアップにとって当たり前のリスクを抑えて小さく始める事は彼の発想には無かったようでした。不安ながらも飛び込む事が重要と思い込んでいたのです。

彼はその提案に目を輝かせ、「それだ!」と盛り上がりました。この対話を通じて、私たち自営業者と会社員では、発想や「常識」が大きく異なることに気づきました。そして、そのような異なる視点こそが、新しいアイデアや解決策を生み出す源になるのだと実感しました。

視野拡大:戦略的成長への鍵

この経験から、改めて「視野を広げる」ことの重要性を感じました。自分の業界や立場での「当たり前」が、他の世界では全く通用しないこともあるのです。逆に言えば、異なる世界の視点を取り入れることで、自分の可能性を大きく広げられる可能性があります。

「視野を広げる」ということは、単なる趣味や息抜きではありません。それは、仕事の革新と自分自身の成長を同時に実現する、極めて戦略的な取り組みなのです。

明日からできる視野拡大の一歩

皆さんも、明日から小さな「視野拡大」を始めてみませんか?それは専門外の本を読むことかもしれません。違う部署の人と意見交換することかもしれません。あるいは、全く知らない業界のセミナーに参加してみることかもしれません。

こうした一歩一歩が、あなたの専門性をより活かせる土台を作り、仕事と人生に新しい可能性を開くはずです。そして、それが積み重なることで、思いもよらなかった新しいアイデアや問題解決のきっかけになるかもしれません。

視野を広げること。それは、専門性と相まって、私たちの仕事と人生を豊かにする、見逃されがちだけれど、かけがえのない成長の鍵なのです。​​​​​​​​​​​​​​​​

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