キャリア相談に来るのは、若者だけでは無かった。
世代関係なく、働き方の選択肢を広げたい
僕らの会社では新規事業としてキャリア相談をスタートしています。キャリア相談というくらいだから20代から30代前半の若手が自己分析の手伝いとか、面接のコツとか、転職への具体的なアドバイスなどが求められているのかと思いきや、結果は全く違いました。
いざ蓋を開けてみると、キャリア相談に参加するのはそれこそ20代から60代までの全世代。全体の25%程度が40歳以上なのが意外でした。しかも世代を問わず求めていたものは、具体的な転職課題の解決ではなく「働き方の選択肢を広げる」ことだったのです。
おとなの新路相談室 ユーザーの年齢分布
他人を通じて、自分を知る
実際のユーザーと話してみると、彼らのほとんどが明確な転職意思は持ち合わせていませんでした。むしろ何をしたいのかがよくわからないというケースがほとんどです。転職も視野に入れているけれど・・・といった具合。
何がしたいのかが分からないながらも、もっと自分の人生に可能性がある、もっと自分にあった働き方があるのではと考えているのが特徴でした。
そんな彼らが求めているのは、今の仕事・働き方ではない別の世界を垣間見ること。それにより自分の現在地を確かめつつも、自らの進むべき道を見つけようとしていたのです。
その証拠に多くの利用者が複数の異なるバックグラウンドを持つ人にキャリア相談を持ちかけています。自分よりちょっと先ゆく先輩、複数人と話すことによって自分の進みうる未来を知るのと同時に、相対的な自分の現在地を確認していました。
まるで「旅」のように
参加者たちのキャリア相談への動機ですが、旅行に例えると理解しやすいように思います。
海外旅行に出かけたことがある方ならば共感していただけると思うのですが、訪問先で日本の魅力を再発見したことがあるのではないでしょうか。
例えば白いご飯って美味しいんだなぁとか、日本の街並みって綺麗なんだなぁとか、治安が良いって素晴らしいことなのだなぁとか・・・。
その逆も然り。日本人は人の目を気にしすぎるなとか、真面目過ぎるなとか・・・などと悪い点が見えてくるということももちろんあるでしょう。
日本の良さに気がついた人は、帰国後リフレッシュした気持ちで日常に戻ることができるし、反対に悪さに気がついた人はあるいはそのまま海外に移住することに繋がっていたなんてこともあるかもしれません。
いずれの結果であろうとも、旅が自分の現在地を客観視し、新たな視点を提供してくれることは間違いありません。
多くのユーザーたちは、旅と似たような効果をキャリア相談に求めていたのでした。
人生100年時代の新たなニーズ
キャリア相談というと転職を前提にサポートを行うモノである印象を持ちます。
しかし僕らが実際にキャリア相談サービスを開始してみたところ、利用者が求めていたのは転職サポートではなく、自らの現在地を知ること、新しい一歩を踏み出すためのきっかけを得ることでした。
他者と仕事について語り合うことで、自らの働き方・生き方の現在地を知る。そして他者の働き方を知ることで、自分が取りうる働き方の選択肢、可能性を広げ未来に一歩を踏み出せる。
人生100年時代だとか、答えの無い時代、変化の激しい時代など多様な言われ方がされていますが、この時代だからこそ生まれた新たなニーズなのでしょう。
【おとなの新路相談室】あなたのキャリアに第三者の視点を