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アンケートのお作法

編集者の仕事はいろいろあると、再三訴えてきているが(一体、誰に?)、私は先日また、奇怪な作業に忙殺されていた。

それは、アンケート集計仕事……。
ある著者さんと、事前にファンの方から質問を受け付けよう! という話になった。
アンケートフォームを作成し(この作業も、「これ、私の仕事!?」というようなコーディングもどきの事もやった←多分、できる人には簡単作業)、著者さんに渡して、ポチっと送信をしてもらう。

すると、「いいね!」「リポスト(リツイートって言いたい!)」がどんどんついて、インプレッションもどんどん伸びていく。

改めて、著者さんスゴイ! と私は大興奮。
そして、数時間後、アンケート集計ページにアクセスしてみると1200件を超えるお答えが!!
最終的には、なんと2500件の声が寄せられた。

忙しい中、時間を作ってアンケートに答えてくれるなんて、感謝しかない。
そして皆さん、とんでもなく好意的で、文章がやさしく温かく、読んでいると目頭が熱くなる。

で、なんでアンケートの収集仕事に忙殺されていたかというと……(ここからやや毒を吐き始めます)。

まず1個め。
著者さんの名前が違う……。

斉藤、斎藤、齋藤、齊藤……そうだよね、わからなくなっちゃうよね。本人だって間違えられることに慣れちゃってるよね。
というレベルなら、私も目をつぶりたい。
――が、非常に惜しいラインで、間違えられてる方がチラホラ。
例えるなら、「河田さん」「川田さん」「田河さん」「田川さん」みたいな間違え。
具体的に書けなくて申し訳ないのだが、正解が「河田さん」なのであれば、河田さんはきっとがっかりされてしまうだろう。

間違えた本人だって、わざと間違えたわけではない。単なる変換間違いの可能性だってある。
著者さん、アンケートに答えてくれた方、どちらも傷つけるわけにはいかない。

――というわけで、2500通×全部で5つの質問に目を通し、間違っていれば直していくという作業をした。終盤、ゲシュタルト崩壊が起こった。

2個め。
職業が違う……。

例えるなら、本業「エッセイスト」なのだが、なぜ「俳優をめざしたのですか?」「歌手になりたいと思ったきっかけは?」みたいな質問がチラホラ。
マルチに活躍されている方だから、誤解は生じると思うのだが、ここは私が改ざんするわけにはいかないので、「俳優さんだと思っている方がいらっしゃいますが、多方面でご活躍だからですね」と、フォローを入れてそのまま渡すことにした。

3個め。
「とくにありません」という答え。

「○○さんに聞きたいことはありますか?」「とくにありません」は、なんか傷つく。著者さんじゃなくて、私が勝手に傷つく……。
なので、特にないということで私が了承して、その文言だけ消してブランクにした。

4個め。
誤字脱字。

これは職業柄気になる!!!
誤字を見つけるとついつい直したくなってしまうのだが、日常生活でそれを発動してしまうと、ウザイ以外の何物でもないので、友達とのLINEなどの誤植は我慢してスルーする。
そして私自身、LINEの誤植常習犯。焦っていると、ありえない誤植で送ってしまい、それに気が付いたときはものすごいスピードで訂正する。
同業の友達も、ものすごいスピードで訂正してくるので、その場合は「マジメ……」と返事をしてあげている。

話がそれたが、2500通×5問すべてを校正していたら、とんでもないことになりそうだったので、固有名詞など気が付く範囲でこっそり修正した。

まぁ、そんなこんなで、アンケートとにらめっこをする日々が続いていたのだが、皆さん本当に熱いアンケートを書いてくださって、改めてその期待に沿えるような本を作らねば! と思った。
このアンケート、答えても抽選で〇名様に商品券プレゼントなど、ないのである。それなのに、時間を割いて答えてくれた方々がいるのだ。
これはもう、感謝の心を忘れずに作らなくては。

5個め。
これは、毒ではなく御礼。

「質問はありますか?」という問いの項目なのに、最後に「がんばってください」「お体ご自愛ください」「本、楽しみにしています」と書いてくださる人の多いこと。
それをニヤニヤしながら読んでいたら、想定以上に時間がかかりましたとさ。

ちょっと、毒吐いてすみません。

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