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本の虫、「うみ」を見つける

———図書室の入り口から左に曲がってまっすぐ、5段目に、「うみ」はあった。


初めまして!丹後の高校生、あやと申します。これから、私が探究の授業で関わらせて頂いている丹後水中考古学プロジェクト(略してTSP!)について紹介をします。

このnoteには私がどうして丹後の遺物を見つけたいと思ったのかを書いていきたいと思います。

初めて書くnoteで拙い所もあるとは思いますが、最後までお読みいただけると、幸いです。

1.丹後ってどこ?

ここまで読んで下さった方はきっと、
丹後ってどこなの?どういう所なの?
と思うでしょう。
丹後は京都府の最北部に位置し、東は舞鶴市、西は兵庫県豊岡市、南は福知山市に接する地域の総称です。

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自然豊かで間人ガニや久美浜の牡蠣、丹後とり貝などの美味しい物も沢山ある”海の京都”です。
日本三景である天橋立や伝統的な伊根の舟屋も丹後の有名な風景です。

美しい丹後、ここで私は生まれ育ちました。

2.「うみ」との出会い

このプロジェクトには3つの奇跡が重なり合って生まれたものだと私は思います。
一つ目の奇跡はその本を見つけた事でした。


ある昼休み、いつものように本棚の間をゆっくりと歩きながら本の背表紙を見ていた時。右から左、左から右へと目線を彷徨わせると、「うみ」が広がっていたのです。

ちょうど、図書室の入り口から左に曲がってまっすぐ、5段目に。

歴史と海が好きだった私は水中考古学というタイトルにどうしようもなく惹きつけられました。

そうして読み始めた本が小江慶雄著の水中考古学入門でした。

これが初めて水中考古学を知った瞬間でした。

3.水中考古学って何?

水中考古学って一体何なのか?本を手に取り、まず前置きに目を通すと、どうやら水中に沈んでしまった遺跡や沈没船など対象とした学問であるそう。

でも、水中に遺跡なんてあんまり聞かないし、沈没船も木で出来ていたら腐ってしまいそうじゃない?
読みながらそう考えていましたが、実は水中から発掘された遺跡などは陸で発掘されたものより保存状態が良いのです。長い間海底の砂に埋まっていた遺物は空気に触れないため、痛むことが少ないのです。

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数千年も前に沈んだ船が昨日沈んだかのような状態で発見される……
まるで人類のタイムカプセルのような沈没船はユネスコによると世界の海に300万隻以上も眠っているそうです。

しかし、「これだけの船が眠っているなんて聞いたこともないし、水中考古学なんて名前も初めて見た!」という人も多いと思います。
それもそのはず、海外では水中探査が進んでいても日本では水中の遺跡を調査する学者は少なく、一般に知られていないことが多いのです。

そして、この知られていないことは水中遺跡にとって最も危険なことであるのです。


4.日本での現状

海底にある遺跡は殆どの場合、海岸付近の開発を行う際の環境アセスメントの一環の文化財調査や地元の方の手で見つかります。

しかし、日本ではまず水中に遺跡があるということがあまり認識されていません。
つまり、このことによって水中の遺跡は埋め立てや自然災害によって誰にも知られず消えていっているのです。

古代から大陸など他国と海で繋がってきた日本にはきっと多くの船が使われたでしょう。それなのに当時の文化を知る鍵を失ってしまうのはあまりにももったいないと思いませんか?


5.rootsに行こう!

現在の水中考古学の現状を知った私はこのことを探究のテーマにしました。

丹後は弥生時代後半〜古墳時代に大陸との交易が盛んに行われており、その時に使われた船が沈み、海底に残っているのでは無いかと仮説を立て、早速資料や水中遺跡に詳しい人を探し始めました。

しかし、中々自分の力だけでは見つからず、行き詰まった時にrootsのことを知りました。これが2つ目の奇跡でした。

roots 京丹後市未来チャレンジ交流センターは有限責任事業組合まちの人事企画室が企画・運営をしている、人と人がつながるプラットフォームです。たまたま友人に連れられて来た私はここで相談員の稲本朱珠さんに出会いました。


朱珠さんは否定の言葉無しに自分のしたい事を聞いてくださり、本当にありのままの自分でやりたいことをやって良いんだと教えて頂きました。そして朱珠さんの協力のもと、3つ目の奇跡がおこりました。


6.一歩進んで十進む

丹後には専門の方がいないと分かり、水中考古学に詳しい人を探すため、SNSを通じて朱珠さんに呼びかけて頂いたところ、大きな反響となりました。そしてSNSを通じて佐々木さんに協力して頂けることになったのです。

佐々木蘭貞(ランディ)さんは現在福岡市埋蔵文化財センターに勤めておられ、日本では宇宙飛行士より少ない水中考古学博士号を持っている(!)いわば水中考古学のスペシャリストです。

そんなすごい方から情報をいただきながらこのプロジェクトはスタートラインに立ちました。


7.これから

ここまで予想もできないほど多くのことが起き、沢山のアドバイスをもらいながら進み、丹後水中考古学プロジェクトは誕生しました。現在は久美浜湾もしくは宮津湾での調査を検討しています。また、地元の漁師さんなどから聞き込みをしたことを今後このアカウントから発信していこうと思っています。Instagramでも発信しているので是非見てみて下さい!


そして、丹後での水中探査を可能にするため、クラウドファンディングを行うことになりました!
目標金額は2〜300万、期間は12月〜2月まで※(時期がずれ、3月4日〜4月30日)を予定しています。もし、この記事を読んで水中考古学や丹後に興味を持った方は是非見てみて欲しいです!

最後にスキ、シェアなどして頂けると、とても嬉しいです!プロジェクトに協力してくださっている方達や私のおすすめ本を紹介しています。

それでは、最後まで読んでいただきありがとうございました。
このプロジェクトが少しでも水中考古学の、そして丹後の力になれますように。


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