見出し画像

やっぱり間違い無かった、大竹しのぶさん! ~ 舞台 フェードル ~

ぴあやイープラスからメールで舞台やライブ、ネット公演の案内が入って来ては、気になるものは詳細をクリックして見ています。

そんな案内の中に、大竹しのぶさんのフェードルがありました。

「これは気になる」というよりも大竹しのぶさんは間違い無いし、キムラ緑子さんも出演しています。詳細を見ていると、座席指定を見直しての再販とのこと。

「ダメかもね」と思いつつチケット申し込みをしてみると、数日後の公演が取れました。

「数日前でも取れるなんて!!」

いそいそとコンビニへ向かい、支払いとチケット受取りをして当日を楽しみにちんまりと過ごしていました。


いざ当日。

シアターコクーンでしたが、渋谷に着いてから場所をど忘れしていることに気付いて、慌てて検索。

足は東急本店へ向いていたので、ひと安心。

焦ったせいか喉が渇いたので、近くのファミリーマートで「ホットはちみつレモン、レモン2倍!」を買って、喉を潤しつつ舞台鑑賞に向けてビタミンを摂取して、目に栄養が行くように念じます。


建物の入り口でアルコール消毒をプシュっ。

入場前に連絡票の記載を促され、カリカリっと記入して会場へ。

検温をして、またも消毒をプシュっとして連絡票を提出し、自分でチケットをもぎって座席へ向かいます。

かなりギリギリにチケットを取ったせいか、自分は中2階のサイドの席。舞台の自分サイドはやや見切れる席でした。

前には人がいないので他に遮るものは無いから良しとします。

舞台開演まではちみつレモンをチビチビ飲みながら読書をしていました。


ふと気付くと効果音のような音が聞こえてきて、会場の照明がやや暗くなりました。「おろ? 始まるかな?」と思う間も無く、効果音のところから舞台は始まっていたようです。開演ブザーなどもなく、自然過ぎる始まりに慌てて本を仕舞って鑑賞態勢に入ります。

林遣都さんと酒向芳さんの物凄い長セリフの会話からスタート。

全く淀みも無くカタカナの名称など立て板に水でスラスラスラ~っと、ひたすら会話が進みます。自分は1回のセリフを覚えるのに半日かかりそうな猛烈なセリフ量・・・。

フランスの古典文学作品のため、全く下調べというかあらすじも把握して来なかった自分に「おバカさんっっ!!」と思いながら必死にセリフを聞きながら、まずは俳優さんと配役の名称を頭に入れていきます(情けない・・)。

幸い、ロシアやドイツの方のような難しく耳馴染みの無い名前では無く、何より凄いスピード感と出演者さんの圧倒的な存在感に引き込まれ「フェードル」や「イッポリッド」は大竹さんでも林さんでも無くなっています。

再演でしたが今回はコロナのせいかどうか、出演者が8人のみ。

舞台転換も無く、舞台の小道具は椅子だけ。場面転換もほぼ照明で表現されていました。

1シーンだけひょっとして大竹さんのアドリブなのか、笑いの起こる場面がありましたが、他は常にシリアス。ジリジリとラストに向かってフェードルを中心として「何でそんなことに・・・!!」と、マスクをしていなくてハンカチを持っていたらギリギリと噛んでしまいそうな展開となっていきました。

「あああ、何てことっ!!」と思わずにいられない、「こんな時こそ神の御慈悲を!!」と思わされるようなラストシーン。


パッと暗くなり舞台に演者の皆さんが登場して、会場全体で割れんばかりの拍手の嵐。もちろん自分も「凄いの観た・・」とポケーっとしつつも拍手を送ります。

2回目のカーテンコールの終わり辺りで、1階席の方たちがスタンディングオベーションで拍手を送り始めました。3回目で自分も膝に置いていたカバンを足元に置いて立ち上がり、頭の上辺りで大きく拍手をしました。隣の席の方もその隣の方も波のように立ち上がって大拍手!

5回続いたカーテンコールで大竹さんも大きく手を振って応えて下さり、終演となりました。

2時間を感じさせない、休憩も無くセリフが開くことも無い、怒涛の舞台でした。

予備知識が無かったのでストーリーを理解出来るかな・・、と思っていたのがウソみたいに、飲み込まれました。

去年の11月に大竹さんの「女の一生」も観に行きましたが、全くの別人。

やっぱり生の舞台は凄いです。


帰りにチラシを頂こうと思って探しましたが、販売されているプログラムのみとなっていました。

まっすぐ帰宅して、公式サイトをチェック。

一粒で2度も3度も4度も美味しく反芻させて頂きました。

「この人たちの人生を見せられた」

そんな気持ちになる舞台でした。

ああ、また舞台観たい!!


この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?