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え? そうなの?! キーーッ、なによぅ!!

昨日は久しぶりに短編小説を書きました。

以前に「見た(夢?)」ようなことを文章にしてみたのですが、だいぶお疲れ?的な内容となりましたが、満足です。



そして、自分の身に起きた走馬灯を書いておきましょう。

自分が20年以上前に勤めていた会社は秋葉原にありました。

今の秋葉原は既に電気街ではなく、アニメやコスプレ、ゲーム、飲食店が街を席巻していますね。

昔のようにCPUやHDD、メモリなどのPC部品を1円でも安く手に入れようとPCショップを回遊したり、怪しげな中古品・ジャンク品ショップを冷やかすような方はあまり見かけなくなっているようです。お店自体が減って、WEBショップへ業務転換していることが要因と思います。そもそも、ネット空間が強いジャンルですので。

自分が就業していた頃はまだまだPCショップが元気溌剌で、至る所のショップでは店員さんのハッスルした口上が聞こえていました。


そんな当時のゲーム専門店などでは、普通の量販店では見かけないゲームが所狭しと並んでいました。

そうです、「エロゲー」です。

「ときメモ」的展開なのですが、山城新伍さん風に言うと「ちょめちょめ」なシーンが随時多発するゲームです。

ソフトな内容ももちろんありまして、発売日なんかは自分が出勤する午前9時頃にはすでにゲームショップの前で、申し合わせたようにネルシャツをズボンにINし、リュックを背負い、額にバンダナを巻いていたりな男性(女性はほぼ皆無)が列を成しておりました。

そして、昼頃にはお目当てのソフトを買えた面々が、販促品や特典品を路上のそこかしこで開封してはしげしげと眺め、中には「お仲間」同士でダブったり他に欲しかったりしたアイテムと即席交換会が展開され、家路を急ぐ面々のリュックからは、ゲットしたポスターが「サーベル」状に突き出され、みんな紙袋を手に持っていました。

今はネットゲームの全盛なので、こういった方々は少なめじゃないかと。


そんな時代。

当時の自分も道端で熱心な面々を見かける度に「そんなにエロゲーって面白いのかしら?」と興味を持ちました。

学生の頃に「ときメモ」を友人から借りてプレイしたことがありますが、ゲーム内の女の子の親の間隙を縫って家に電話を掛けたり、こっそり待ち合わせをして、プレゼントやら何やらとあんなにご機嫌伺いをしまくった挙句にフラれたり、はたまた妙に高飛車な態度でOKが出たりと、ゲームのくせに理不尽だ・・・と思っておりました。

そんな理不尽をきっと超越するくらいホクホクな内容、違う「ときめき」に満ちているんだろうと推測しました。


女性の同僚と冷やかしでゲームショップのコアなコーナーへ行きましたが、どぎついイラストのポスターが張り巡らされており、怒涛の陳列を見せているソフトもエグさそのもの。R指定をしたとて・・な犯罪的内容。

恐らく、今は真っ当な店舗では店頭に並べることが厳しそうなパッケージがズラリ!

当時も外国人観光客の方が街を歩いていて、街角で記念写真を撮っていたりしました。ご本人もちゃんと確認せずに、パっと見はかわいい女の子のイラストですが、実はどぎついポスター前でにっこり記念写真を撮っている際には「違う、日本のオススメ文化じゃないの、それは!!」と心苦しさを覚えておりました。


そんなある日。

会社に『持っていそう』な雰囲気のある男の同僚がおりまして、鎌をかけて見ましたらポソポソと「持ってるよ・・」っと教えてくれました。

努めて明るく「ゲームなのでやってみたいのですが、オススメを貸してほしい」と頼んでみた数日後。

同僚がこっそりと「これ・・・」と、シュっとカバンから袋を取り出してグイっと自分に差し出して素早く自席に戻って行きました。

普段はとても真面目な人だけに、返って「期待」は高まります。

スゴイのを貸してくれたんだろうと、ドキドキしながら帰宅しました。


帰宅してPCを起動している間に袋から取り出すと、期待通りの「えげつないパッケージ」。

「あの人、やっぱり!!ヒャー!!」っと思いつつ、パッケージのえげつなさの高い方をドライブ(選んでいるじゃないの、とか聞こえない)に入れて少しすると、スタート画面が妙におどろおどろしい音楽と共に起動しました。

ファンタジーと劇画が混ざったような絵柄ですが、どうも「ヴァンパイア物」なようで、人間の男女のどうのこうのでは無い雰囲気。

女ヴァンパイアが「シャーーー!!」っと口を開いているような画面だったような(相当うろ覚え)。

女ヴァンパイアとどうにかなる異形の者とのアレコレなのね・・と思いながら、ゲームスタート。

バイオハザードやサイレンのようにゲームの冒頭に「どうしてこの街はこうなってしまったのかしら?」的ストーリー説明が少し流れてから、コマンドで「話し掛ける」「扉を開ける」などを選択して行きます。

始まって早々に「最初だから、サービスよ♥」的、ソフトな映像がパっと画面いっぱいに展開し「ヒャッ♥」となります。

それからもしばしコマンド選択をしていき、街の奥に進んでいくような展開に。

コマンドを何回か選び、進める度に「ヒャッ♥」が展開する辺りは、日活ロマンポルノの「10分ごとにサービスシーンを入れておけば好き勝手な作品を作れる」を彷彿とさせます。

こうしてソフトな「ヒャッ♥」が続いて行くと、問題の女ヴァンパイアが登場しました。

これは、山場な「ヒャッ♥♥♥」が繰り広げられるのかもしれない・・・。

ゲームをスタートして30分位経った辺りだったかと、頃合いでしょうか(何の?)。

ここまでのコマンド選択は何となくどちらを選んでも大差無しといった感じでしたが、このコマンド選択は「大事」と思われます。

ドラクエ的に「自分の攻撃」→「女ヴァンパイアの防御」→「自分の攻撃」→「女ヴァンパイアの防御」・・・

こんな感じで進み、女ヴァンパイアのHPを良い感じに削って行っている手応えがあります。

「よしよし、いいぞ、いいぞ!!」っと、ゲーム好きとして自分の気持ちは高揚します。

自分の猛攻を浴びた女ヴァンパイアが、「く・・、やるな・・・」っと、フラフラな感じになり、「何か、凄そうなシーンが始まるのかしら・・??」そんな期待が高まった瞬間・・


「食らえ・・・!!」


女のヴァンパイアの唐突な会心の一撃が炸裂し、画面中央にまさかの・・


「YOU DIED・・・」の文字が!!!


「え????」っと、ポッカーンとする自分に向かって、ゲームはスタート画面をサササっと表示。


「エロゲーのくせに、死ぬってどういうこと?!!」


結局、もうひとつのゲームもやる気が失せて、同僚にそのまま返しました。

同僚が神妙な顔で「・・どうだった?」と聞いてきたので「ゲームスタートして30分位で死じゃったから、そこで止めました。」っと、プリプリしながら答えると、「え? 死んじゃったの? 30分で? プーッ!!」っと、それはそれは楽しそうに吹き出しながら笑われました。


あれ以来、エロゲーと正面から向き合ったことはありません。

エロゲーなら、エロゲーらしく、しっかりプレイヤーの気持ちになって欲しかったです。



(しっかりだって、ぷーーーっ!! by 心の奥さん)


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