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【読書】 ただただ、ノスタルジー ~ だるまちゃんの思い出 遊びの四季 ふるさとの伝承遊戯考 かこさとし ~

欲しい本があって向かった本屋さんで、出版社別コーナーをチェックし、作者の名前順で目を皿のようにして探しても見つからない時があります。

何が何でも欲しい時は店員さんに聞くこともありますが、大概は聞いたら負けと思い無いものとして次回に回すことにします。急がなければ。

勝ち負けが自分の中で渦巻く謎の瞬間です。


欲しい本が無くなったそんな時に、プラプラと宛も無く彷徨い始めます。

ラッキーな場合は、欲しかったくせにすっかり忘れていた本に巡り合えたりすることがあり、ホクホクと手に取ります。

そんなナイスな出会いは殆ど無いので、時間がある時は店員さんに目を付けられそうな程にフラフラしています。

先日、フラフラ彷徨っていた時に、ズバンッと視界に入って来た本はイラストがどストライク。


「だるまちゃんの思い出 遊びの四季 ~ ふるさとの伝承遊戯考 ~」


作者はかこさとし先生なので、表紙のだるまちゃんとてんぐちゃん達が楽しそうに行進しているイラストで足が止まりました。

文庫の裏の紹介文を読まずとも、間違いは無いはず。

他に気になった本と一緒にお買い上げとなりました。


表紙だけでもにっこりですが、表紙を開いた中表紙、だるまちゃんとてんぐちゃんが縄跳びをしているイラストで、何だか目頭が熱くなりました。

40代、涙腺が緩いと言うよりも、むしろ積極的に泣きたいのかも。


ペラペラとページをめくると、子供の頃に夢中になって読んでいた絵本と同じ絵で、子供が自然の中で自然にある草花や虫、友達と仲良く遊ぶイラストが続きます。

初版は1975年なので自分が赤ちゃんかどうかの辺り。

でも、季節折々の遊びの中では、自分もやっていた遊びがたくさん載っています。

かこ先生の子供時代がメインなので、戦争を感じさせる遊びがありますが、形は違っても「争う」ような遊びはやったことがあると思われます。

ドロ警なんかは、「追う・逃げる」で近いんじゃないかと。


草花だと、ぺんぺん草やたんぽぽの花占い、ねこじゃらしの草を手の中でフニフニ軽く揉むような動きをすると、毛虫みたいに握った手の上の方からねこじゃらしが顔を出すなんて、とても懐かしく「やった、やった!!」と楽しく思い出します。

小学校の帰り道の歩道橋を「グリコ」で登ったり降りたり、おはじきを真剣にやり過ぎて「今、ちょっと触った!!」「触ってない!!」で揉めに揉めて大泣きし、それでも泣きながら遊び続けたり。


なんだかとてもノスタルジックで、ほっこり。

ヤングな貴方も、ちょっと形が違うだけで楽しんだことのある「遊び」が書かれていると思います。

いまは鬼ごっことか出来ないなぁ、10秒走り続けたりとか、キビシー!



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