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カラスの意志

ひとりでいれば安全だって思っていた。
そう思ってじっと息を潜めていても、どこからともなくやってくる。人の想いから波紋は起こる、それはもう決められたことみたいに。
つながり続ける、私と私以外のわたしにも、同じように。

縁だなんて言葉で浮かぶ細い糸ではなく、空を飛ぶ鳥の乗る春のあたたかく、うなる気流のようなもの。
一瞬だけ目に映ったあの日のカラスのように身を任せ空を切る、その優しく勇壮な風は見えなくとも連綿と続いていく、慄くことはない。

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