【真面目に】ジャズを通して知った「偏見」「差別」撤廃の難しさと人間の怖さ
企業・組織文化には「過去の成功体験」が蓄積されています
「過去の成功体験」から育まれた企業・組織文化は『暗黙の基本想定パターン』を生み出して組織内で伝授されていき 組織の中には同じ『価値観』の人しかいなくなります
この『暗黙の基本想定パターン』を変更する新しい取組が始まると
必ず「不平」「不満」が溜まって抵抗勢力が現れ「同調圧力」となって『イノベーションのきっかけ』すら見えなくしてしまいます
利害関係が絡んで既得権益が侵される特権階級が反発する場合は厄介です
『フォーバス知事の寓話(Fables of Faubus)』
1954年5月17日 の【ブラウン判決】によって『分離教育は違憲』とされましたが南部では『学校の人種隔離』は当たり前に行われていていました
リトルロック事件(Little Rock Nine)とは
最高裁の裁定によって 1957年アーカンソー州都リトルロックのリトルロック・セントラル・ハイスクールに黒人生徒9人『Little Rock Nine』の入学することになったのですが 反対派VS賛成派の対立で大騒ぎになりました
再選を目指すフォーバス州知事は「暴動を阻止するため」という口実で州軍を派兵して黒人生徒9人を高校からシャットアウトするという異常な状況
アイゼンハワー大統領が連邦軍を出動させて 黒人生徒を擁護にあたり通学できるようになりました
治安維持活動に軍隊が動員されたのは 南北戦争後に北部が南部を撤退した1877年以来初めてのことです
この人種騒擾はテレビ中継され アメリカ南部の人種差別の実態が浮き彫りになります
1959年 チャールズ・ミンガスがリトル・ロック事件を揶揄する曲『フォーバス知事の寓話(Fables of Faubus)』を発表(歌詞の中でフォーバス州知事とアイゼンハワー大統領を激しく批判)
ジャズ・アンバサダーズ
冷戦初期のソ連はバレエやクラシック音楽で文化外交を展開して アメリカ社会の『黒人差別』を国際的な宣伝戦に使っていました
1956年からアメリカ国務省はアイゼンハワーの承認を受けて 著名なジャズ・ミュージシャンを「外交官」として海外に派遣します
イランを皮切りに最初の演奏旅行に赴いたのはディジー・ガレスピー
その後 ルイ・アームストロング デューク・エリントン デイヴ・ブルーベックなど
アイゼンハワー大統領が ソ連に立ち後れているという危機感を認識し文化外交に力を入れるようになった目的は?
そして
が背景にあったと言われています
そしてアメリカにとっての最大の弱点『人種問題』
そして『リトルロック事件』が世界中に伝わった時
国内で差別の対象とされながら「外交官」として『アメリカの理想』を伝えるというジレンマを抱えて海外に渡った黒人ジャズ・ミュージシャンはどんな思いだったのでいたのでしょうか?
サッチモはツアー中に行われた記者会見で
と発言し ソ連への文化外交派遣を拒否しました
『シット・イン (Sit In)』
マックス・ローチはアビー・リンカーンと黒人問題を軸にしたアルバム『We Insist!(録音:1960年8月31日&9月6日)』を1960年12月にリリース
『フリーダム・ライド(Freedom Ride)』
1961年5月4日 10人あまりの黒人と白人のグループが首都ワシントンDCから南部行きの長距離バスに乗り込み 人種による座席の区別を破る非暴力抵抗運動を始めます
白人至上主義者から暴行されたり 地元警察に逮捕されたり
先発グループが途中放棄を余儀なくされると次のグループが出発
アラバマ州アニストン市では200人ほどの暴徒がバスを取り囲み 爆弾が投げ込まれます
『フリーダム・ライド』によって「バス炎上」の写真などは海外の新聞でも大きく取り上げられ 差別だらけの南部社会の闇を炙り出し「アメリカの恥」を国際的に晒すことになります
アート・ブレイキーは『The Freedom Rider』というアルバムを 最初の『フリーダム・ライド』の 3 週間後に録音します
ブルーノートからリリースされたのは3年後の1964年
まとめ
法や制度といったもので
社会的な『偏見』『差別』そして人間の行動に影響を与えて変えることは簡単ではありません
『強制力』や『制裁』を伴う法による解決しか期待できないかもしれません
問題を放置して自然な解決を待つだけであったり
自発的な意思・善意・道徳による解決を期待しても
問題を先送りするだけです
自発的な草の根運動を後押しするのは【法と訴訟】という「お墨付き」がなければ継続は厳しいでしょう
【ORJI】サイクル
人が不適切な行動を取ってしまうのは【ORJI】サイクル のどこかで誤ってしまうからです
自分自身が持っているバイアスや固定観念に対しても常に内省的である必要があります
常に自分に問いかけて確認する
特に
特権階級の権力者の方々には必要なことです
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