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盗撮加害者家族(妻)。夫の逮捕から少しづつ記事を書いていきます。特定を避けるためのフェ…

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盗撮加害者家族(妻)。夫の逮捕から少しづつ記事を書いていきます。特定を避けるためのフェイク以外は全て実話です。 他者に理解されるとは思いませんが、性嗜好障害の加害者やその家族の方たちの力になれますように。 *もちろん盗撮は犯罪です。肯定するつもりは毛頭ございません。

最近の記事

盗撮加害者家族の記 08 優しさの痛み

※この記事は全文無料でご覧いただけます。お気持ちをくださる方につきましては、記事最下部にてありがたく頂戴させていただきます。 「朝からお呼びだてしてすいません」 入ってきたのは私たちを案内してくれた刑事だった。その低姿勢な態度とスーツも相まって、まるで普通のサラリーマンと変わらないように見える。 だが違う。彼は、警察官だ。 「今から事件の大体のあらましと、奥様にはお伝えしたことですが、これからの流れを説明させていただきます。また、本人や事件に関するご質問に関しましては捜

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    • 盗撮加害者家族の記 07 警察署へ

      ※この記事は全文無料でご覧いただけます。お気持ちをくださる方につきましては、記事最下部にてありがたく頂戴させていただきます。 翌朝、私は実母とともに警察署へ向かった。 ひとりで電車に乗ろう思っていた私を制し、「こんな時に1人にさせる訳にはいかない」と母はタクシーを呼んでくれた。普段であればもったいないと言うところであるが、その心遣いが今日はありがたい。 行先を警察署と伝えるのには少し勇気がいった。別に犯罪者の家族でなくとも警察署に行く人は山ほどいるだろう。分かってはいても

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      • 盗撮加害者家族の記 06 長い夜

        ※この記事は全文無料でご覧いただけます。お気持ちをくださる方につきましては、記事最下部にてありがたく頂戴させていただきます。 どんな日を過ごしていようと一日は平等だ。誰にでも平等に訪れるし、誰にでも平等に終わっていく。その長短は単なる主観にすぎない。 その日の夜は、私にとって今までにないほど長かった。 何度も寝返りを打ちながら繰り返し頭を巡るのは『何故』『どうして』だ。 仕事終わりの身体は心身ともに疲弊しきっているはずなのに、眠気が来る気配すらしない。 間違いなく、私が

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        • 記憶が薄れないうちに書かなければと思うのだけれど、書くのがけっこうにしんどくて更新頻度が上げられず申し訳ありません。けりはついているので、少しづつ書かせていただきます。

        盗撮加害者家族の記 08 優しさの痛み

        • 盗撮加害者家族の記 07 警察署へ

        • 盗撮加害者家族の記 06 長い夜

        • 記憶が薄れないうちに書かなければと思うのだけれど、書くのがけっこうにしんどくて更新頻度が上げられず申し訳ありません。けりはついているので、少しづつ書かせていただきます。

          盗撮加害者家族の記 05母たちの思い

          *この記事は全文無料でご覧いただけます。お気持ちをくださる方につきましては、記事最下部にてありがたく頂戴させていただきます。 母を連れて義実家に行ってからしばらく。現状では私たちに出来ることはないように思われた。というよりも、どうすれば良いのか皆目見当もつかなかったというのが正しい。夫が逮捕されたという事実をどう受け止めれば良いのかわからず、ひとまず明日、警察署に行かなければ状況もよく分からなかった。 義父は義母を含めた四人全員を乗せ、私と母を家まで車で送ってくれた。今の

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          盗撮加害者家族の記 04 苦悩と迷い

          *この記事は全文無料でご覧いただけます。お気持ちをくださる方につきましては、記事最下部にてありがたく頂戴させていただきます。 「本来であれば、これはあいつから直接お伝えすべきことだったんですが……。こういった事であいつが逮捕されるのは、今回が二度目になります」 一瞬、何を言われたのか分からなかった。義父からの言葉を数秒かけて理解し、意識が遠のきかける。それを引き止めたのは義母の慟哭にも似た謝罪だった。 「ごめんなさい!本当は言わなきゃ行けなかったのに、言えなくてごめんな

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          盗撮加害者家族の記 03 過去

          *この記事は全文無料でご覧いただけます。お気持ちをくださる方につきましては、記事最下部にてありがたく頂戴させていただきます。 母が到着したのは、私が電話した約20分後だった。 その時代にしては遅かったであろう30代で私を産んだ母。父は幼い頃に死別し、女手一つで私を育ててくれた。 到着するなり、 「何があったの」 と言われたものの、私も何も分からず、ただただ旦那が盗撮で逮捕されたのだとしか言えない。 「向こうのご両親には連絡したの?」 どうしようどうしようと泣くばか

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          盗撮加害者家族の記 02 警察からの電話

          *この記事は全文無料でご覧いただけます。お気持ちをくださる方につきましては、記事最下部にてありがたく頂戴させていただきます。 「旦那さんですね、今日盗撮で逮捕されておりまして」 「とう、さつ……?」 信じられない、という思いがまず浮かんだ。 「そ、れは……。どういった経緯だったんでしょうか」 普通に話そうとすればするほど声が震える。それでもなんとか状況を把握しなければと、無理やりに頭を働かせた。 警察から聞いた経緯はこうだった。 旦那は自宅の最寄り駅構内を行き来し、

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          盗撮加害者家族の記 02 警察からの電話

          盗撮加害者家族の記 01 逮捕

          *この記事は全文無料でご覧いただけます。お気持ちをくださる方につきましては、記事最下部にてありがたく頂戴させていただきます。 結婚して2ヶ月も経っていなかった某月某日。 いつもと変わらない日のはずだった。休みの旦那を置いて、私は仕事に出た。その日はいつもに比べてやけに人が少なくて、1時間ほどの残業をこなしたころにはもうヘトヘトだった。けれど、あとはもう帰るだけ。 旦那は自分が休みで私が仕事の日は、だいたい迎えに来てくれる。車で30分ほどかかるのに、わざわざ来て「お疲れ様

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