見出し画像

テレワークで成果を上げている企業の事例から学ぶ、成功の3つの要因

働き方改革の推進や感染症の拡大防止により導入が進んでいるテレワーク。現在では約3割の企業が導入をしているとの調査結果が出ています。

しかしながら、導入に対して不安を感じている企業や導入したものの活用に悩む企業もいることでしょう。

今回は、テレワークの導入事例から成功の要因を確認するとともに、テレワークの活用がどんな成果に繋がっているのかを見ていきたいと思います。


1. テレワーク好事例 3社

テレワーク推進の後押しとして、厚生労働省や総務省はテレワーク導入の好事例企業を毎年表彰しています。

表彰企業を見ると、大企業・中小企業・地方企業と様々な好事例をみることができます。
参照:総務省 テレワーク活用事例のご紹介

★事例1
株式会社伊勢屋(静岡県)

難病をもつ従業員の雇用維持をきっかけにリモートワークの導入を開始。
その後徐々に対象部署を拡大していった。
営業部では顧客訪問のオンライン化により、1日のアポイント数は約2倍になり、移動費は約半分となった。
また対象者を広げていった結果、子育て中の従業員のワークライフバランスの向上にもつながった。

出典:総務省 令和2年度 テレワーク先駆者 百選事例

★事例2:
向洋電機土木株式会社(神奈川県)

病気療養の際にテレワークを希望した従業員をきっかけに導入。
現場事務所をサテライトオフィスとして活用する発想でテレワーク制度を全従業員に拡大していった。
その結果、労働時間の削減による従業員の心身負担の軽減とそれに伴う事故数の減少、移動コストや電気コストの削減といった点でテレワーク効果がでている。
またテレワーク導入にあたって始めた従業員へのキャリア教育による帰属意識の向上や地方からの優秀人材の獲得、女性社員比率のアップなどにも繋がっており、多面的な経営的効果に寄与している。

出典:総務省 平成30年度 テレワーク先駆者百選 総務大臣賞事例

★事例3
株式会社遠藤照明(大阪府)

感染症の拡大防止のための特例導入から始まり、2021年4月から本格的に制度を導入。
通勤時間の軽減や在宅勤務が集中力を増加させ、生産性向上につながったり、業務の電子化や会議室予約が不要になるオンライン会議によって業務効率化につながったりなど、テレワーク環境下での業務改善が進んでいる。

出典:総務省 令和3年度 テレワーク先駆者百選


2. テレワーク活用が成功した3つの要因とは

テレワークの活用がうまくいっている事例をひも解くと、いくつかの成功要因と思えるものがみえてきます。ここでは、特に多くの事例で共通する要因を3つ挙げます。

2-1.段階的に導入する


特定の従業員の課題解決のためにスタートするパターンや、有期の期間(トライアル)でスタートするパターンなどがあります。
“針の穴を大きくするような工程で活用を拡大した”と伊勢屋の事例で述べているのはとても印象的です。

テレワークの活用で悩みとなりやすいコミュニケーションの課題や労務管理なども、実態に合わない環境整備や制度のずれによって深刻になるケースもあります。
まずはスモールスタートにすることで、ITツールや制度設計に向けた試行錯誤がしやすくなり、自社独自のテレワーク環境を整備することができるようになります。

2-2.PDCAの記録をとって成果を見える化している


テレワーク導入における各種施策に対して、目標を設定し、進捗を記録し、成果を見える化することはマストです。
テレワークを導入したのち組織内で活用できている状態まで浸透させていくためには、様々な環境整備が必要ですし、既存の働き方や業務遂行方法を変更していくなど大きな変化が必要となります。そのような大きな組織の変化が伴うテレワーク導入だからこそ、各社様々な指標を使って成果を図っていることが伺えます。

2-3.現場・社員の声を収集しながら、仕組みの最適化を試行錯誤している


たくさんの好事例をみていると、すべての企業がテレワークの活用が軌道に乗るまでの道のりで、大小さまざまな試行錯誤を続けていることは間違いありません。
また、トップダウンの施策実行だけではなく、従業員からの意見抽出を行い、施策の改善や新たな施策実行に移していくことを大事にしています。

例えば、とある企業では、在宅勤務制度をスタートした当初、目が行き届かないことで従業員の勤務態度が気になり、就業時間の管理をいかにするかばかりに気を取られていたといいます。
しかし、蓋を開けてみると、むしろ長時間労働になってしまうという従業員の悩みを多く聞くことになったのです。
企業側はその実態をつかんだ後、労務管理システムの使い方の工夫、業務遂行を円滑にするための業務整備の推進、そしてマネジメントやコミュニケーションといったソフト面に対する改善施策を打ちながら、定期的な従業員へのヒアリングやアンケートを続けていき、生産性と従業員の働きやすさの両立ができる組織へと変わっていったといいます。

このように、テレワーク活用による組織および個人への影響は、直接的なものから副産物的なものまでとても広くわたります。
そのことから、現場の声をこまめに確認しながら仕組みの最適化を図っていくことを大事にすることは、成功の大きな要因であるといえるでしょう。

3.テレワーク活用によってうまれた成果とは

テレワークの活用によってどのような成果が出ているのかについても、事例で様々な報告があります。

大きく括ると下記のような3つの成果報告がありました。

3-1. 人材の離職防止・優秀人材の確保・従業員のワークライフバランスの向上


フルタイム出社が原則だと働き続けることに困難さを持っていた従業員に対して、テレワークの導入によって離職を防ぐことができたという報告はとても多いです。
そのような方々の課題解決をきっかけにテレワークの導入が始まり、対象の拡大とともにどんな従業員にとっても働きやすさの改善に繋がったという成果がみえます。

印象深かったのは、時短勤務を希望していた従業員がフルタイムに切り替えられるようになったという報告です。
通勤時間が減り、仕事場と生活圏が近くなったことによって、学校行事へも時間休で対応できるなど育児との両立がしやすくなったことが影響しているようです。

このような働きやすい職場環境ができたことによって、従業員の満足度が上がるとともに、人材採用の場面でも女性社員の比率を上げることができたり、居住地を問わずに優秀な人材を確保ができているなどの成果につながっています。

3-2. コストの削減


地方企業では特に影響が大きいと考えられますが、従業員の通勤や営業活動での移動コストの削減に繋がっているという報告は多くあります。
交通費やガソリン代などの出費が減るだけでなく、移動時間の削減による業務効率のアップにより、残業時間の削減にも繋がっています。

3-3. 生産性向上


業務のデジタル化・ペーパーレス化・ICTツールの活用による業務効率の向上は多くの企業が効果を実感しています。

具体的には、情報の整理・整備がなされた点、場所を問わず情報にアクセスできる点、物理的な保管場所や会議開催場所の確保が不要になった点などが業務の質やスピードの向上に繋がっています。

まとめ

事例を見てみると、多くの企業が試行錯誤をしながらテレワークの導入から活用までのステップを歩んできていることが分かります。

弊社では、企業1社1社に合うテレワークの導入プランをお話をお伺いしながらご提案することが可能です。
tustyyleまでお気軽にお問い合わせください。


この記事が参加している募集

リモートワークの日常

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?