見出し画像

演奏会のお誘いを断るメッセージについて考える

演奏会の告知をSNSに上げたり、個人に直接連絡するなどの宣伝活動は奏者にとっても大切なことです。お客さんに来てもらわないとどうにもなりません。

その宣伝と断り方について、Twitterで意見が分かれているのを少し拝見しました。その方は、コメント欄に断りのメッセージが書かれると悲しくなるから、とおっしゃってましたが、ちょっと炎上しそうな書き方だなと思っていたらそうなっていた、というところまで見ました。

以下、自分の見解です。そんな考え方を持っている人もいるのか、という目線でお読みください。

その日は『仕事』があるから

確かに、よくコンサートのお誘いに対するメッセージとして「その日は仕事があるからいけません」といった「"仕事"添付型」をよく目にします。演奏活動をしている人の場合、その時に使う「仕事」は一般的な言葉と少し違って、(依頼があって請けた金銭の発生する)演奏活動を指す場合が多いです。フリー奏者や若い方の一部では「仕事」という単語が自身の中でのパワーワードになっていることがあります。したがって、「その日は仕事があって」の返しは(無意識な場合も含め)「自分もあなたと同じくらい演奏活動をやっているのですよ」と、SNSの場合はその場を借りて多くの人に見てもらうために利用しているように感じます。

ですから、演奏会のお誘いを断ることが目的ではないのです。


断られることを前提として宣伝したい

宣伝する側は、自分はとても頑張って準備や練習をしているし、「来てくれれば絶対楽しいから!」と思っているはずだし、実際行ったら多分楽しいと思います。演奏会に行ってつまらなかったと思ったことは自分はありません。聴く側の姿勢にもよるのでしょうが、肯定的な姿勢でステージを見ている限り、コンサートは何でも絶対楽しいです。

でも、スケジュールというのは本当に合わないもので、それは演奏会を宣伝している人も本当はわかっていると思います。社会人は仕事に追われ、子どもは学校や塾に追われ、それらを一生懸命調整してコンサートに行こうとするのはとても大変だし、事実上不可能な人もたくさんいます。

断られてもしかたがないという姿勢で宣伝をしないと受けるダメージばかりが大きくなってしまいます。


計画的な宣伝と日頃からのつながり

演奏会の宣伝開始が遅い、と思うことがとても多いです。
本当に興味がある人はスケジュールを組む前から公演日が決定していれば、空けてくれるでしょう。そうした人を逃さないためにも、できる限り宣伝は早くから広く開始すべきです。

また、演奏会の宣伝になったら途端に発信したりいきなり連絡を入れてくるのは逆効果な気がします。日頃から交流があったり、演奏会以外のことも発信し続けているほうが親近感が湧き、演奏会に行ってみようかな、と考えてくださるかもしれません。インターネット上であっても交流には変わりありません。


ダメージを受けてしまうのは、自分が望んだ結果を相手に求めているから

僕もインターネット上でもリアルでもいろいろ経験してきましたが、人が思うこと、人が感じること、使う言葉、喋り方、動き方、もう全部ひっくるめて自分がイメージしていたことと違うのだ、という前提で人と接することが大切です。
意見が合わない人もたくさんいるし、世の中期待通りになんてならないんですよ。

そう書くと世の中諦めちゃってる人みたいに見えますがそうではありません。ネガティブ思考ではなく「だから自分は自分らしく行動すれば良いのだ」と思うし、相手に対して否定するのではなく「こういう考え方もあるんだな」「この人はこういう人なんだな」と認めていけばいいと思うのです。

ただし、共感は無理にする必要はありません。思ってもいないのに共感している人はすぐバレるし、八方美人は疲れるだけです。

そう考えると、意見が合わないからと言っていちいち噛み付くのは、筋違いだとわかると思います。SNSはそれが酷い。すぐ噛み付く人、噛み付きたがる人、噛み付くことでしか自分を主張できない人が多すぎです。

ダメージを受けてしまうのは、自分が望んだ結果を相手に求めているからです。最初から期待なんてしないほうがいいのです。自分が自分らしくいれば、認めてくれたり、理解してくれたり、共感してくれる人が出てくるはずです。それでいいじゃないですか。


荻原明(おぎわらあきら)

荻原明(おぎわらあきら)です。記事をご覧いただきありがとうございます。 いただいたサポートは、音楽活動の資金に充てさせていただきます。 今後ともどうぞよろしくお願いいたします。