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東京音大トランペット科の学外公演 その2

昨日の続きです。昨日の記事はこちらからご覧いただけます。

さて、そんな東京音大ラッパ科学外公演、今年は8月18日(金)に開催しました。後半の大編成のメインプログラムは昨日紹介しました僕が11年前のラッパ科学外公演用に編曲したレスピーギ作曲「交響詩 ローマの祭り」。
今年の春頃に学生へローマの祭りの楽譜データを送り、そのことすら忘れていた8月上旬、急にトランペットの4年生から「本番に向けた強化練習の指導していただける先生が都合がつかなくなってしまい、合奏指導をお願いできないか」と連絡がありました。

えっ。

僕は東京音大の講師ではありますが、吹奏楽アカデミー専攻という器楽科とは別の専攻の講師なんです。しかも今年度から吹奏楽アカデミーは中目黒キャンパスに移動になり、器楽科は池袋キャンパスにいて、まったく交流のない状態になってしまいました。そんなアウェーなところに行って、みんなが納得できるレッスンができるんだろか。というか、指揮なんてここ数年振ってないのに、まさかのローマの祭りを指揮して指導するって、それめっちゃ大変じゃね?不安しかない。

でも指導の先生不在でこのまま本番を迎えてしまうのは僕以上に学生のほうが絶対不安だろうし、何か少しでも協力できるなら、と思い参加しました。
それが8月7,8,9日のこと。この日はちょうど補講や振替のレッスンを予定していて元々大学に行くことになっていたので、良いタイミングでした。

急に言われて譜読み時間もあまり取れず、いろいろ勉強不足のところもありましたが、合奏ができただけでも良かったのかな、と思うようにして強化練習を終えました。ホッ。

強化練習のことについては別記事で書きました。よろしければこちらも。

そして翌週。いよいよ本番が迫ってきた数日前に学生からまた連絡が。

「本番に振ってくださる先生が体調不良でいらっしゃれなくなりました。本番の指揮をお願いできないでしょうか」

はい?

…まさかの本番指揮っすか!これにはさすがに驚きました。

30年という歴史のある東京音大トランペット科学外公演で、まさか指揮。もし僕が断ったら、コンサート自体ができなくなるかもしれない。そんなのかわいそすぎる。もはや答えは一択、やるしかない。

というわけで本番前日、スケジュールをいろいろ調整してゲネプロに参加し、この1日だけで何とか形にしなければ、というプレッシャーの中、細かいことを打ち合わせしていきました。

大編成は学生も1曲指揮を振りました

本番は…僕の指揮は多分なんとか大丈夫だったと思います。とにかく学生の集中力と勢いが素晴らしかった。一ヶ所指揮を振り間違えてしまい、ソロを吹いていた学生に悪いことしてしまいました…ごめんなさい。

曲を指揮する以上に不安だったのが入退場などのステージマナー。いつも演奏者席から指揮者の動きを見ているとは言え、指揮者側になったことがほとんどないので、いざ自分がやってみると「あれ?どうすんだっけ?」が多発して、これが一番緊張しました。

開演前のミーティング中

そんな感じで今年のトランペット科学外公演は波瀾の展開になりましたが、4年生が中心となって本当によく頑張ったと思います。
僕も強化練習の時に比べれば学生のみんなと少し仲良くなれた気がします。嬉しい。

偶然が重なって今回このようなことになりましたが、個人的なことだけを言えば学外の公演に演者の一人として携われたことも、器楽科の学生と関われたことも、アンコールで東京音大伝統芸の超高速ギャロップが振れたことも、とっても貴重な体験ばかりでした。つたない指揮に一生懸命ついてきてくれた学生のみなさん、本当にありがとうございました!

吹奏楽アカデミーからは1人だけ学外公演に参加しました。こんな貴重な体験、ここ以外でできないんだからみんな参加すればよかったのに…と惜しく感じます。


荻原明(おぎわらあきら)

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荻原明(おぎわらあきら):トランペット
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