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電気の話 その3(特許取得のいきさつ)

静電気を取るメリット

カーボン=炭素ですから、電気を通します。タイヤにそれを混ぜ込んでいるのには、ちゃんと理由があり、「発生する静電気を路面に放電させる」のが目的の一つです。
その2で書きましたが、車・バイク好きなら、タイヤが黒いのはカーボンを混ぜてある位は知っていると思っていたら、意外に知らない人が多くて驚きます。私が知ったのは中学生の時、技術の先生が教えてくれました。

回転する物には、特に静電気が帯電します。例えば、エアコンの室外機。
コンプレッサーが回転して帯電するので、必ず銅の棒を地面に刺して放電させています。洗濯機もアースが必要ですし、業務用の掃除機も同じ。ひっくり返すと、床面に放電させるためのアース線が付いています。

昔、公共放送の番組で放送した「電子立国 日本の自叙伝」という、連続した番組がありました。当時、世界一だった日本の半導体産業がどのようにして発展したかを取材した内容です。
後に、その番組に出演されていた、東北大学の名誉教授(当時)の西澤教授と、偶然、電車の中でお会いして名刺交換をしたことがあります。
「あの番組を見て感動したと、よく声を掛けられるんです」そう仰られていました。私もその中の一人でした。

その番組の中で、半導体工場で一番重要なのが、単結晶シリコンを造るための”完全に安定した電力”です。例えば、会社の終業時間が来て、一斉に照明のスイッチを切る、その僅かな電圧の差で単結晶が上手く出来ないのだそうです。それともう一つが、静電気なのです。
I Cチップなどの集積回路を作る時に、基本的に結線は極めて細い金線を使います。
溶着は超精密な工作機械がやるのですが、そこに僅かな静電気が流れるだけで切れて(静電気破壊)しまう。だから、半導体工場では静電気は、ダメ・ゼッタイなのです。
テストドライバー時代、冬場に車の走行テストをしていると、静電気が凄いんです。シートの多くは化学繊維、服も化学繊維ですから、帯電します。
あるテストコースに入る時には、事故防止策で一台しか入れないように、信号のスイッチのボタンを押して入・退場します。
すると、指からそのボタンに「バチン!」と放電します。暗いと間隔が1㎝ちょっとあっても、指先に青白い光が飛ぶのです。ビックリもするし、痛いので、シャープペンでスイッチを押すようになりました。このような激しい放電は約3,000V以上、それだけ車体に帯電している訳です。
特許文献を調べると、トヨタのディーラーに「ラジオにノイズが入る」とクレームがあり、トヨタから住友ゴム(ダンロップ)に改善要求があり、タイヤのゴムに導電性の高いカーボンブラックを混ぜてゴムの導電性を高めて改善したという特許があります。
車体に静電気がどんどん帯電していき、道路の鉄製の継ぎ目等にタイヤが触れたとたんに一気に放電する、それでラジオにノイズが入るのです。これは経験がある方がいるでしょう。
まるでCDIのようですね、車自体がキャパシタになってしまっています。
激しい放電で車の電気機器にもトラブルが起きた例もあるようです。
まさしく、タイヤから路面への放電量が不足している証拠で、後ほどこれも掲載します、
自動車メーカーの走行テスト中、シートベルトを引っ張ると静電気が発生して、ラジオにノイズが入りました。それで、何度か報告書に書きました。
結果は「問題とせず」せっかく、書いたのにねぇ…。
家庭の中なら、冬に乾燥している時、フリースやセーターを脱ごうとすると、”パチパチパチ”と静電気が起こって脱ぎにくいですね。帯電していてプラスとマイナスが引き寄せているのを、力で引き剥がす。それが、あの嫌な感じです。それを帯電防止スプレーで除電すると少ない力で脱げるのは誰しも経験があるでしょう。
長い髪の毛をとかす時も多くの静電気が発生しますね。とにかく、何をしても発生してしまう、そして多くの場合は厄介者なのです。

特許を取得した友人は「それがタイヤや他の部分でも起こっているのではないか。静電気を取ればメリットがあるだろう」と、過去の経験から思いついたのです。
それで、除電する物を私の車やオートバイに付けてテスト走行を繰り返し始めました。
友人が思いついたアイデアだけれど、直感で「これは面白い」そう思いました。だって、それだけでハンドリングが良くなってコーナリングも無理がきく、新しいチューニング方法なのです。それが2012年の事です。
今でも除電の効果を知らない人は多いですが、当時は皆無。否定する人はそのままにしておいて、「試してみたい」と好奇心がある人から広がり始まりました、
彼の工場に行く度に、何かしらの除電する物を付けては走るを繰り返しました。そして「これは将来必要になる技術だ」と確信したのです。
それは、静電気の悪影響を取り除いて作動を改善し、走行性能を高めるという、誰も知らないであろう盲点だったのです。
ネジ・ボルト形状から除電するのを発明したのは2013年の後半。それを見てすぐに電気だと理解しました。静電気も電気ですから、電気の知識がそのまま生かせます。
初めて鍛造ピストンの個人輸入をしたのは1989年。知る限り当時オートバイの鍛造ピストンを輸入・販売していたのは2社のみでした。鍛造ピストンも当時は情報がない時代、それをどう自分で輸入して、使ったのか。今となっては当たり前の知識でも、当時は未知の部品でした。
これも数人の仲間で調べてどうにかしました。鍛造ピストンについては人気の記事の一つですから、知識も含めて書いていきます。
このように、テストドライバーの経験と長いオートバイの趣味があって、様々な事に理解が深まったのだと思います。
それが集約されているのが、現在仕事にしているマジ軽ナットシリーズです。

まだ広く知られていない除電の世界を知ってもらう為に、イベントやフリーマーケットで現物を展示。特許証(コピー)も掲示して質疑応答をしています。フリマで特許証を掲示しているなんて、まずないでしょう。
実に様々な質問を受けますが、企業秘密以外はブログに書かない事までお答えしています。
既に当ブログを盗用して市販の部品を「除電して~」と売っている輩がいます。除電の理論など何も分かっていませんから、除電出来るはずもない。
ルアーのように疑似餌に引っかかる人に売っているのです。
マジ軽ナットは効果が体感出来るものです。それには大量に放電させないといけない。その為に10年以上研究を続け、今でも進化しています。
人のSNSやブログをちょっと見て模倣して、同じ効果が出る!?それこそ素人考えというものです。だいたい特許権の侵害です、それを堂々と公開するその神経が分かりません。日本人として恥ずかしくないのでしょうか。
この技術は1円玉を縦に3~4枚重ねるようなもの、実に難しく繊細なのです。
私はこの除電方式の全てを知っているから、堂々と対面販売もしています。
毎月出店しているエクスチェンジマートでは、新たに興味を持たれた方はもちろん、除電マニアになったお客さん(マジ軽ファミリー)が次々来店されます。

企業秘密以外は何でもお答えしています

何度も顔を合わせているうちにお客さん同士が仲良くなったり、情報交換をする事もあります。除電チューニングが人を繋ぐなんて面白いですね。
せっかく来て下さるのだからと、新しい情報でブログには書かない情報もお伝えしています。
今月も嬉しいネタが出来ました。現在進行形なのは、技術協力をしている工業高校から伝わり、大手自動車メーカーの子会社のレース部門がマジ軽ナットに興味を持っていて、取り付けてテスト走行する話が進んでいます。
レースに限った事ではありませんが、技術の理解度が高い方なら私の説明は理解出来るはずです。
先日書いた通り、本来は知識がないといけない雑誌社や業界紙がほとんど理解出来ない。別に難しい話ではなく、理屈は中学生、高校生レベルの話です。どうやら、過去に授業で学んだ事に繋がらないようです。
エネルギー保存の法則というのがあって、使えるエネルギーは決まっているから、無駄に使っているエネルギーを減らせば、有効に使えるエネルギーは必然的に増える。
少ない力で作動すれば、動き出しが早く・軽くなって振動が減るので、部品が長持ちする。少しのお金で性能が上がり、結果的にコストが下がる。
個人はもちろんですが、例えば宅配便の会社が使ったら、年間どの位コストが削減出来るでしょう。
現在、オリンピックが開催されていますが、空気入りのタイヤを使う競技はたくさんあります。特にパラリンピックでは車いすを使う競技が多い。
動き出しが早ければ、競技がどれだけ有利に運べるか。ところが前述の雑誌社と同じで、説明しても理解出来る能力がないのです。
高いお金を出して何かを足してパワーを上げるのではなく、安いお金でマイナスを減らして使えるパワーを増やす。除電はローフリクションチューニングと似ています。
出店の際にはベンチテスターで計測した、エンジンの除電で出力が上がり、燃料消費率が大幅に改善したグラフもお見せしています。ネットでは公開していません、盗用されるからです。
イベントやフリーマーケットでは地域が限定されるので、マジ軽ナットはネットショップでもお買い求め頂けます。最近は当ブログをよく読んで頂いているようで、マジ軽ナット 自動車用のオプション設定となっている金属製キャップを同時購入される方が7割ほどです。
今のところは技術的に理解出来る方のご購入が多いので、除電の説明が理に適っていると納得されているのだと思います。

今月のエクスチェンジマートは8月18日(日)早朝午前5時から開催予定です。出店の申し込みは済ませました。
当店は5:30位から開店します。Tristsrs-tec. のブルーのバナー(フラッグ)を目印にお越しください。トランスポーターは除電研究の最初からの物を残していて、時間があれば除電箇所をお見せしながら説明する事もあります。
天候による開催の有無等については、ホームページでご確認下さい。


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