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【東京散歩】世代を超えて楽しめる!アドミュージアム東京

 土日祝はいつ見ても予約枠がいっぱいの「アドミュージアム東京」。先日、初めて見に行ってきました!

 立地は、日テレ本社がある汐留。汐留はオフィスビルが立ち並び、ビジネス街の側面が強いエリアです。観光や買い物ではあまり行かない場所であるにも関わらず、競争率が高いのはなぜ?前から不思議でした。

 入場料は無料。入口から一見してみても、イベントスペースかギャラリーってな風情で「まぁ、無料だしこんなもんよね」。
 ところが入ってみると、充実した展示に大満足!老若男女、趣味嗜好を問わず楽しめる優良施設でした!今回はアドミュージアム東京の魅力をご紹介します。

■なにをおいても、入場無料!

 やはり一番の特徴は「入場無料」でしょう!小さな博物館でも200-300円は入場料として取ることが多く、博物館やミュージアムで入場無料の施設となると意外と限られます。
 お金を使いがちな大都会・東京ですから無料で楽しめるスポットというのは、ありがたいですね。
 
 事前予約制となっているため、公式WEBから予約枠(1時間おき)の登録が必要です。人気とはいえ、前日なら好きな枠を取れると思います。もちろん、予約ページで料金を取られることはありませんので安心してください。

■万人がとっつきやすいテーマ「広告」

 アドミュージアムが取り扱うのは「広告」に関するものです。広告は他のテーマと違い、世代や性別・趣味などに関係なく、みんなが普段から触れている内容なんですよね。これってテーマとして、なかなか無い貴重なジャンルだと思うんです。

 みんなが楽しめる博物館って結構難しいんですよね。たとえば、アートは全く興味がない人もいます。歴史嫌いだし、〇〇技術って難しい。最近のものはよく分からんなぁ。…と、ジャンルによって好みというとのは分かれがちです。
 普段全く関わりがないことも多くて「一体何がすごいのやら?」と思うことは多々あるのはないでしょうか。

 一方、広告は誰もが普段から親しんでいる、馴染みのある媒体です。意識していなくても常に触れていて、私達の生活に欠かせないものと言っても過言ではありません。
 広告は、誰もが興味を持てるとっつきやすい題材と言えます。つまりアドミュージアムは、誰でも楽しめる可能性が高い施設なんです!

三種の神器(左からシャープ・日立・ナショナル)

■時代を映す広告に思いを馳せる

 アドミュージアムでは、主に広告の歴史と役割について学ぶことができます。
 当時の懐かしいポスターや、テレビCMの放映がなされているので、老若男女・世代を問わず必ず楽しめる一角があるはずです。

 看板が最大の広告だった江戸時代、文明開化を象徴し、戦争のプロパガンダに利用され、大量消費の後押しとなり、ライフスタイルに変革をもたらした広告。生活に、街にあふれた広告が。それぞれの時代に変化し、こんなにも役割を担っていたのかと改めて考えさせられました。

業種によって異なる商品模型の看板

 展示は、若い世代から年配の方まで、各々が生きてきた時代や思い出と必ずリンクします。時代を映す広告に思いを馳せたり、懐かしさを感じて楽しむことができるはずです。

バザールでござーる hungry?がドンピシャ世代

■アニメーション映像が分かりやすすぎる

 これはすごいな、と思ったのが「アニメーション映像」でした。歴史や背景について説明しているアニメーション映像が流れているのですが、これがめちゃくちゃ分かりやすい!
 コンパクトにまとまっていて、わかりやすい文言で、見やすい色合いで見せてくれます。
 ここは「広告」を扱ったミュージアムですから、見せること、伝えることに長けた方々が作ったもののはず。そりゃ分かりやすいよな、と勝手に結論づけて納得しました。
 このクオリティを出せるのはスゴイ!無料なのに!

高クオリティのアニメーション映像

■共通の話題に着地する、見事な構成

 それぞれの世代が、それぞれに楽しんできた展示は、最後に全員共通である「現在」に着地します。 

いまの広告のカタチとは?
いまの広告の役割とは?

 あの頃のCMが懐かしかったね、だけでは終わらせない。世代を超えて、全員の共通したテーマとして捉え、同じ視点で話題にできる見事な構成です。

■広告は心を動かす芸術

 広告は商業利用が基本。お金を稼ぐものであり、芸術に分類されることは少ないように思います。  
 しかし、描かれた言葉や写真、絵には心を動かす強いパワーがあります。ハッとする感覚や、いいなぁと思う気持ちを起こさせる広告はまさに「芸術作品」です。どうしても、美術館は敷居が高く感じますがここなら親しみがある分、気負わずに楽しめそうです。

■常に新しいものが生まれるインフィニティ

 ミュージアムにはホールが2つあり、HALL Aは歴史等が学べる常設展示。HALL Bは期間によって変わる企画展示となっています。
 今回訪問時には「TCC賞の受賞作品」が展示されていました。TCCとは、東京コピーライターズクラブというCMプランナー・コピーライターの団体で、CM、広告界で権威のある賞のようです。

TCC賞展 2022

 知っていた作品も知らなかった作品も、新進気鋭のプランナーさんも、最新のものを見ることができ、大変見ごたえがありました。今の時代にフィットしたコピーライティングは特に胸に刺さるものがありました。
 広告は毎日、毎月、毎年とどんどん作品が生み出されていきます。作品が無限大に増えていくので、常に新しいものが楽しめるのは広告ならでは。企画があるたびに楽しめるリピート性が人気の理由のひとつに感じられました。

TCC新人賞 Tinderの広告

■圧倒的なライブラリの所蔵数

 2階部分にはライブラリを併設。広告関連の書物や雑誌が閲覧できます。図書館にある広告関連スペースとは比にならない資料の所蔵数は圧巻でした。
 最新の書物や雑誌も完備していると思われ、広告業界を目指す方や携わる方にとって貴重なライブラリになっています。

■予想以上だったアドミュージアム東京

 無料だしと侮っていたアドミュージアム。大変充実した展示に大満足でした!誰でも楽しめるので、幅広い世代の方にオススメできるスポットです。
 予定があったので45分位で出たのですが、数時間は居れそう。
 アクセスも、汐留駅や新橋駅から濡れることなく行けますので、屋外のお出かけができない雨の日スポットとしても活躍しそうです。ぜひお出かけしてみてください。

汐留の夕暮れ

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