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【No.19】採用工学のススメ ~いつも選考に受からない人へ。不合格回避のための選考フロー大局的分析~

No.19

━━━━━━━━━━━━━━採用工学のススメ━━━━━━━━━━━━━━━━

   いつも選考に受からない人へ。不合格回避のための選考フロー大局的分析

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 みなさん、こんにちは。藤原ユウマです。今週も採用工学のススメをお読み頂きましてありがとうございます。

 先週末、Google日本法人が大幅なアルゴリズム変更をしたことがネット界隈で話題になりました。昨年末にDeNAの「Welq」に端を発した、情報の精度が低い、または他所からのパクリ記事だらけのキュレーションサイト問題について、対応をする運びになったようです。Googleの発表によると、今回のアルゴリズム変更によって、検索された際に記事の内容が薄い・質が低いサイトをヒットしづらくしたとのことで、以前から言われていたようにオリジナルコンテンツを提供し続けているサイトの上位表示につながる見込みという訳ですね。

 社会問題化した低品質のキュレーションメディアですが、Googleの日本法人が本腰を入れて対策を始めたことで、これらのメディアは虫の息になっていくのでしょうね。ただし、気になるポイントもあります。

 WELQは命に関わる問題を扱うにしては大変お粗末なメディアであったことは間違いなく、その他DeNAが運営するキュレーションメディアを始め、大手企業が運営するサイトも静かに記事を閉じていきました。その結果、大手が運営していた大規模メディアのポジションがぽっかり空いてしまい、その椅子に、より低品質で尚かつパクリ記事だらけのキュレーションサイトが上位表示されて埋まるという、以前にも増して残念な状況が生まれていました。

 今回のGoogle日本法人の対応は、そういった低品質パクリメディアを一網打尽にするという宣言であり、今後については今まで以上にオリジナルコンテンツを有するものがGoogleの検索アルゴリズムによって高い評価を受けることが予想されます。

 けれども、オリジナルコンテンツをつくるということは、基本的にはお金がかかりますし、それをスピーディかつ大量にネット上に公開しようとするならば、どうしてもお金のある企業が有利になります。悲しいことに、現実に起こりうるシナリオとしては、DeNAキュレーションメディアのように、大勢のライターを安価で雇って、Googleのアルゴリズムが「これはオリジナルである!」と読解するような記事を大量生産するような企業が表れて、結果的にそのメディアが上位表示されるのではないかと想定しています。

 Googleもそのガイドラインでオリジナルだと評価している以上、プレイヤーがDeNAから別企業に変わっただけで、ネット上で得られる情報のクオリティにはそこまで差が出ない(改善されない)のではないか、と思っているんですよね。

 実際に、DeNAのようなビッグプレイヤーが倫理的におかしなことをして引きづりおろされた結果、次に日の目を見るのは俺たちだと勢い良くその座を狙った新興メディアがターゲットになっているようです。「オリジナルコンテンツ」と「オリジナルっぽく模倣されたコンテンツ」の違いをGoogleの検索機能が、どこまで高精度にスクリーニングできるか次第ですが、現状では大きな改善には繋がりづらく、もう少し時間が必要なのでしょう。

キュレーションメディア“狙い撃ち” Google検索、アルゴリズム変更の狙い

http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1702/03/news099.html#l_yx_google_03.jpg

 さて、それでは今週の内容です。

【今週の目次】

1.いつも選考に受からない人へ。不合格回避のための選考フロー大局的分析

2.今週のトピックステーマ

3.気になるアイテム

4.お悩み人生相談 Q&A

5.読者感想コーナー

6.終わりに

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1.いつも選考に受からない人へ。不合格回避のための選考フロー大局的分析

 今回は、特に就職活動中の学生を対象にしたお話です。各大学でテスト期間が終わり、大学3年生はいよいよ本格的な就職活動に突入するぞ、という方も多いでしょう。新卒採用をする企業や人事担当者の方も、ここからギアを一つ上げて優秀な学生を採用するために奔走していく季節ですね。学生側も企業側もごちゃごちゃに入り交じって、各地で面接(死闘)を繰り広げ、勝った負けたを繰り返します。それはさらがら大戦国時代の様相を呈す、この時期の風物詩です。

 閑話休題。今回の本題に話を移しますが、就活において、企業の選考フローについて深く考察している学生はどの程度いるでしょうか。恐らく、考えたことも無い人が多いはずで、考える必要性があるかすらわからないという人が大半でしょう。けれども、実はこの選考フローについては、その全体図を理解しておくことで、大局(選考)を制すことが可能になります。では、各選考と選考フローにおける企業の意味付けを見ていきましょう。

 選考フローとは、企業が採用する際に行う選考方法とその順序のことです。各社によって選考フローはもちろん異なりますが、大まかに言って、履歴書審査、GD(グループディスカッション)、一次面接、二次面接・・・、最終面接、といった内容と順序が一般的でしょう。

 今回のお話は、選考フローの意図を理解することで、各選考時の外してはいけない評価ポイントが見えてくるという考察です。私たちはこれまで、履歴書やGDといった、各選考時の通過率をアップさせるために気をつけなければならないポイントを個別に考察してきました。先の例を借りれば、これは合戦における1対1の局所的な戦いを指しています。

 それに対して、選考フロー全体を大局的に見通すということは、より高い視点から戦況を見るという訳ですね。大局的に状況を整理できれば、局所的な戦いにおける意味合いも理解できて、最低限外してはいけないポイントも浮かび上がってきます。

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