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  • 12ヶ月の花果草木に防災をまなぶ

    美しい日本の四季の風景や稔りは、厳しい自然環境がもたらす賜物でもあります。四季折々の風景の中から、防災の学びを紐といていきます。

  • 会津ものづくりneo

    伝統産業が今も息づく会津の新旧のものづくりを紹介します。

最近の記事

「竹林は必ずしも安全ではない」〜“防災の常識”アップデートを

春を代表する味覚のひとつといえばタケノコ。山菜やタラの芽など野山に自生する食材だからこそ、よりダイナミックに季節を味わえることも理由のひとつでしょう。タケノコが伸びてタケとなりますが、その成長スピードは他の樹木の追随を許さない早さです。収穫してもあっという間に「食べごろ」を逃してしまう、油断のならない食材ともいえますね。 原産地の中国でも日本でも、他のタケノコに先駆け収穫できることからモウソウチクが食用として定着しています。日本では1736年に薩摩に渡来し、各地へ分布が広が

    • 「災害を伝承する」碑の役割を見直す

      ツバキのように堂々と花弁を開くでなく、どこか済まなそうにひっそりと咲く「侘助」は、安土桃山期からツバキ科の園芸種として栽培されている。名の由来も定かではないが、そのたたずまいから茶人たちが好み、茶席の花として生けたことから「侘数寄」より転じるとの説もある。鎌倉時代、禅宗とともに日本に持ち込まれた茶の栽培。〝茶礼〟が武士階級に広まると、戦国の武士達のステイタスとなった「侘び茶」は、茶聖・千利休によって完成される。その利休が仕え、のちに死を賜ったのが天下人・豊臣秀吉である。 秀

      • 耐火樹植栽は「難を転じる」リスクヘッジ

        寒々とした冬の軒先に赤い光の粒を灯すナンテン。「難を転じて福となす」との語呂あわせから厄災を除く縁起のよい木とされており、日本では古くから正月飾りに用いられ、ヒイラギとあわせ鬼門除けとして庭に植えられることも少なくありません。また、実を煎じて飲めば咳止めになることからのど飴の原料としてもおなじみで、葉には殺菌・防腐作用があるなど、昔から薬木として生活の中で重宝されています。 1属1種という珍しい植物で原産は中国ともいわれますが、日本の山地にも広く自生しています。江戸時代には

        • 地熱と火山がもたらす自然の恵み

          冬の香りを代表するユズは、熱を加えても独特の爽やかな香りが消えないため日本料理の香辛料・酸味づけなどに用いられます。中国原産で、朝鮮半島を経由し日本に入ったのは奈良時代頃。四国3県での生産が国内シェア8割を占めています。種子をまいてから実がなるまでに年月がかかるものとされ「桃栗3年柿8年、枇杷は9年でなりかかり、柚の大馬鹿18年」とも。 果実に薬効が期待されるほか、冬至の日「柚子湯」に浸かれば一年風邪をひかないともいわれます。この習慣は江戸時代に銭湯が客寄せのため冬至にユズ

        「竹林は必ずしも安全ではない」〜“防災の常識”アップデートを

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        • 12ヶ月の花果草木に防災をまなぶ
          10本
        • 会津ものづくりneo
          3本

        記事

          あってはならない、あるかもしれない水害。防災意識のはぐくみが一線を分ける。

          日本では晩秋に実をつけるオリーブ。地中海を中心に栽培され、果実からとれるオイルは私たちの食卓でもずいぶん馴染み深くなりました。国内での栽培は明治41年(1908)瀬戸内海に浮かぶ小豆島での成功に始まり、現在では全国各地にて栽培されています。宮城県石巻市では東日本大震災復興の一環としてあらたにオリーブ栽培に取り組んでいます。 オリーブの葉枝はギリシャ・ローマ時代より平和や勝利の象徴とされてきました。旧約聖書に神の奇跡として記される「ノアの方舟」では、放したハトがオリーブの葉を

          あってはならない、あるかもしれない水害。防災意識のはぐくみが一線を分ける。

          「マイ・タイムライン」講座で留意したい、台風進路と想定

          先月相次ぎ上陸した台風におきまして被害に遭われた皆様に、まずは心よりお見舞い申し上げます。9月から10月にかけての台風シーズンは…と書き出し準備をしていましたが、各地の被害を知るにつけ筆をすすめるのに躊躇う思いありつつ、コラムをお送りさせていただきます。 10月は二十四節気で寒露、霜降と寒さに向かって秋の深まっていく季節。澄んだ青空に映える赤々と色づいたリンゴに食欲もそそられます。「1日1個のりんごで医者いらず」といわれるほど栄養価の高いリンゴは身近な果物のひとつで、世界中

          「マイ・タイムライン」講座で留意したい、台風進路と想定

          “地名ロンダリング”、有りや無しや。

          9月は二十四節気の白露と秋分があり、残暑が続く中にも秋の気配が徐々に濃くなる1ヶ月でしょう。店先にもみずみずしい梨が並ぶシーズンです。一概に梨と言いますが、ナシは和梨・中国梨・洋梨に分類されます。おなじみの和梨は中国原産とされるヤマナシから改良された赤梨と青梨の二系統があり、シャクシャクとした食感に独特の美味しさを感じられます。 ナシは「無し」に通じる忌み詞とされ、「有の実」と呼ぶことがあります。祝いの席で饗されるコース料理のお品書きに、デザートの梨を「有の実」と書く場合も

          “地名ロンダリング”、有りや無しや。

          #03|まったく新しいコンセプト。「躍動感」をカタチにした桐下駄

          体感してこそ、腑に落ちることがある。工人への取材で「桐の木には粘りがあるんです」とよく耳にする言葉にピンときていなかったものだが、佐原さんの作った『カラコロ』を履き、歩いてみて雷にうたれたように合点がいった。〝弾性〟のことだったのだ。 会津南西部の只見川沿いに多く見られる薄紫の花が初夏の風情をみせる桐。白金の艶やかな板目もうるわしく、婚礼箪笥や文化財を収める箱など、古くから大切な品を守る保管箱に用いられてきた、密閉性と調湿機能を持つ優れた木材。その軽さから下駄としても広く利

          #03|まったく新しいコンセプト。「躍動感」をカタチにした桐下駄

          #02|あとかたなく大地へと還る、 “新世代”コーヒータンブラー。

          「会津発、世界へ。」地元生まれとして、なんと胸アツな技術だろうか! 森林資源が豊富で中世より漆器づくりが始まった会津は、ここならではの加飾技法も今に伝わる。明治以降、倣い旋盤による轆轤挽きの発明など、会津には時代の求めに応じて技術を研鑽・発明してきた歴史がある。創業以来、椀物を主軸にテーブルウェア品を製造してきた三義漆器店は、これまでも様々な素材と技術で新境地を開いてきた。 戦後、資源として有限でもある木材の代替に用いられてきた石油由来のプラスチック成形品は、大量ニーズやデ

          #02|あとかたなく大地へと還る、 “新世代”コーヒータンブラー。

          #01|わが子のように迎え、暮らしの中で育てる漆のうつわ 「めぐる」。

          その価値に気づき、磨き上げるのはいつも他所からの人なのだ。この「めぐる」の漆器を世に送り出し8年になる貝沼航さんも大学卒業後に会津へ来た。サラリーマン時代に会津の工芸と出会い天啓を受けたように起業し、ものづくりに携わる人達に伴走してきた。 〝三泣き〟で知られる会津に溶け込み、自身の思いが形になるまでのご苦労は並大抵でなかったはず、と勝手に思う。 東北の漆を使い、売上の一部がまた会津の漆の植栽活動に寄付される「めぐる」シリーズは、そんな感傷をおいても真っ先に紹介したい素晴らし

          #01|わが子のように迎え、暮らしの中で育てる漆のうつわ 「めぐる」。

          「宏観異常現象」と「流言」を考える夏

          一年で最も暑いといわれる二十四節気の「大暑」も過ぎましたが、暑さの本番はこれから。真っ青な空に雄大な雲が高くそびえるさまを見ると、かつては「夏本番!」と大きく仰いだものですが、いまや「あの下は豪雨なのだなw」と思ってしまうのは“防災士あるある”かも。 真夏の花、といえば小学生の夏休みの観察日記でおなじみの朝顔でしょう。東南アジア原産とされる蔓性の一年草で、奈良時代末に薬用として中国から渡来し江戸期に観賞用として改良が進み、バリエーションが増えました。 俳句に季語として使う場

          「宏観異常現象」と「流言」を考える夏

          大雨時、体を濡らさない避難の呼びかけを

          本格的な夏を迎える前、一部を除き梅雨に入る日本列島。今年はそのほとんどが6月中に明けてしまい、逆に「梅雨の戻り」が心配されます。 この時期、池沼に好んで咲く蓮の花は泥の中にあっても汚れのない美しさで日本人に愛されている花のひとつです。 大きな盾状の葉の上でコロコロと朝露の水滴が集まり、転がり落ちていくのを見て不思議に思ったことはありませんか? 蓮の葉には微細な毛がびっしりと密生していて疎水性が高いため、水滴が丸まって移動しやすくなるのだとか。葉に付着したホコリや虫などをからめ

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          長雨の時期、地図で確認したい表土と地盤

          梅雨シーズンの6月となりました。どんよりとした空、じめじめとして洗濯物も乾きにくく鬱陶しい季節ですよね。 そんな時期でも外を歩けば清涼な色合いのアジサイが、雨にも負けずに咲き誇っています。アジサイは日本原産の園芸植物。花びらに見えるのは4枚のがく片で、その中心にぽっちりとあるのが花です。名前の由来は「あづ(集める)さい(真の藍)」ともいわれており、雨上がりに水滴をのせて冴え冴えとする爽やかな青さを見てもうなずけます。 とはいいながらもアジサイは色が日々微妙に変わることや、

          長雨の時期、地図で確認したい表土と地盤