見出し画像

長雨の時期、地図で確認したい表土と地盤

梅雨シーズンの6月となりました。どんよりとした空、じめじめとして洗濯物も乾きにくく鬱陶うっとうしい季節ですよね。

そんな時期でも外を歩けば清涼な色合いのアジサイが、雨にも負けずに咲き誇っています。アジサイは日本原産の園芸植物。花びらに見えるのは4枚のがく片で、その中心にぽっちりとあるのが花です。名前の由来は「あづ(集める)さい(真の藍)」ともいわれており、雨上がりに水滴をのせて冴え冴えとするさわやかな青さを見てもうなずけます。

とはいいながらもアジサイは色が日々微妙に変わることや、育つ土が酸性だと青、アルカリ性だとピンクになるようで「土によって色の変化する花」というのもおもしろいですね。

ところで総面積の約7割が山地であり、多くの断層が地下を走っている日本列島は花崗岩の風化が生み出す真砂土まさどや火山灰の堆積する脆弱な土などに覆われています。さらには世界平均の2倍近い降水量という多雨国であり、梅雨前線や台風、豪雨などによる土砂災害も近年では「過去最多」「過去最大クラスの広域」の発生が相次いでいます。全国で67万近い箇所が土砂災害警戒区域等指定されているのは周知のことと思います。

この時期に必ず確認しておきたいのがお住まいの地のハザードマップ、というのはもちろん防災士としては初歩。国交省で公開している深層崩壊頻度マップ国土調査(土地分類調査・水調査)などが詳しい地質やリスクを考えるうえで参考となります。

Writing / 鈴木里美


参考資料|草木花歳時記・夏(朝日新聞社刊 1999年)|ときめく花図鑑(山と渓谷社刊 2017)|日本の土(山野井徹著 築地書館刊 2015)|災害地質学入門(千木良雅弘著 近未来社刊 1998)|地形と日本人(金田章裕著 日経BP刊 2020)



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?