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音楽をみる|tribute 音楽をシェアするマガジン

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音楽をシェアするマガジン tribute の別冊です。 音楽を見る・観ることをテーマに集めた作品集です。
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2021年9月の記事一覧

フジロックに行ったカメラ女子 032

そんなゴッチは紫色のシャツを着てステージに現れた。 彼に紫色のイメージがなかったので度肝を抜かれた。 ブルベなのかしら。 そういえば「ループ&ループ」のMVで紫色のラグランTシャツを着ていたなと思い出した。 フジロックは「君という花」から始まった。 「えー!?いきなりー!」とぼやいてしまった。 次の曲が「リライト」だったことにも驚いた。 「これまでのアジカンを搾って濃縮して輸送し、フジロックのために100%に還元してステージで提供しています。」 「どうぞお飲みください。」と

フジロックに行ったカメラ女子 031

レインウェアのフードの絞りをぎちぎちに絞って、雨の侵入を防いだ。 どれだけ絞れるかを楽しんでいたところもあるかもしれない。 転換中に、アジカンのツアーでよく観たネオンサインのセットが運び込まれてきたことに気付き、昨日ツアーが終わったばかりなのに、もうここまで運ばれてきているのかと感心した。 ドラムの伊地知さんがサウンドチェックに現れ、スマホで写真を撮っていたので、「あとでインスタに載るやつだ」と考えていた。 ステージの転換はぼっちにとって最大の待ち時間であるが、時間通りに転換

フジロックに行ったカメラ女子 030

テントから戻ると、グリーンステージではCAKEの出番だった。 次のアジカンでモッシュゾーンに行くためにステージ前に行き、ぼやっとCAKEの演奏を聞いていた。 にじりにじりとモッシュゾーンに近づきつつ、CAKEの終わりと同時にモッシュゾーンから溢れ出す人たちを見送りながら、今か今かと人が退出するのを待った。 PAテント前の柵が空いていたので、アジカンが始まるまでそこで待った。 ライブハウスやフェスでは、早めに入れる時は必ず柵の側に行く。 体の歪みのせいもあるが、実家の稼業の手

フジロックに行ったカメラ女子 029

銀杏BOYZを観た。 銀杏BOYZのアルバムは1枚だけ聞いたことがあった。 歌詞を見て、「やばい人なんだろうな」という印象を持っていた。 サンボマスターの山口さんとのオールナイトニッポンを聞いて、やばい人という認識を深めていた。 しかし、ボーカルの峯田さんは昨今、NHKの朝ドラに出演したり、恋愛ドラマに出演していたりして、私の認識が誤りだったかしらと思い始めていたところだった。 銀杏BOYZのライブを観るのは初めてだった。 峯田さんはやばい人だった。 全くの期待通りで、安心

フジロックに行ったカメラ女子 028

実は昨日の寝ている間、斜めなせいで体がずり落ちて、夜中に何度も目が覚めた。 このせいもあってか、この日は眠くてたまらなかった。 まだ人もそんなに多くないグリーンステージで、 とりあえず乾杯とばかりにビールを飲んで、心地よい風に吹かれながら、自分のこれからのことを考えていた。 怒髪天を10~20分くらい観てからレッドマーキーに移動した。 徒歩での移動中、 MCでの北海道ネタやちょっとした北海道のイントネーションを感じると笑ってしまう。 決してバカにしている訳ではなく、同郷ゆえの

フジロックに行ったカメラ女子 027

2日目の朝。 天気は晴れ。 台風が近付いてきているせいか、風が強かった。 テント生活では、直射日光が当たるのが一番つらい。 内部が高温になり、とてもじゃないけど寝ていられない。 晴れた日のフェスでは、健康的な生活を送ることができる気がする。 強制的に早起きができるからだ。 暑くてうなだれながら今日の準備をしていると、遠くの方からラジオ体操の音が流れ始めた。 日本人の悲しい性なのだろうか。 悲しいかはさて置き、音を聞くと「やろうかな」という気持ちになる。 外に出ると、心地良い風

フジロックに行ったカメラ女子 026

フェスに行くと、普段より長距離を歩いたり、行列に並んだりすることが多くなる。 混雑の中、自分の思うようなペースで歩けないのもストレスを感じたりもする。 疲れを感じるのはどうしようもなく、これを音楽という楽しい空気が緩和させてくれたりもする。 そこで議題に上げたいのが、フェスにおける持ち運びできるイスについてだ。 私はイスの利用を許用した方がいいと思う。 ただ、場所は選ばないといけないなと、自戒の念も込めて、そう思う。 20代から30代になってみて、明らかに体力の衰えを感じるよ

フジロックに行ったカメラ女子 025

入浴待ちの行列に並んだ。 パっと見たところ、玄関まではそんなに人が並んでいなかったので、すんなり入れそうだと思った。 しかし、玄関口まで列が進むと、 思いもよらぬ景色が私を待っていた。 そう。 建物の中にも7〜8 m ぐらいの列が続いていたのだ。 疲労からか、思考がまともに働かないせいもあり、絶句した。 苗場温泉では、男女別に一列に並んで順番を待つ。 温泉にある脱衣カゴの空き状況を見て判断するのか、係員の方が入場する人を数えて、定員になると入場が止められるシステムになっている

フジロックに行ったカメラ女子 024

グリーンステージに戻り、 CHEMICAL BROTHERS を観た。 ドフドフと体に重低音を感じつつも、同時に体が疲労を感じていた。 せっかくの機会なので、有名アーティストを目にしておきたいとも思ったが、テントに引き上げることにした。 一日中歩きまわって、脚がパンパンになるくらい疲労を感じていた。 ゆっくり温泉に入って、疲れを癒したいと思った。 フェスを通しで楽しもうと思うと、考慮に入れたいのがお風呂問題だ。 フジロックでは、キャンパー専用で苗場プリンスの温泉を利用するこ

フジロックに行ったカメラ女子 023

エルレを見終わり、次に観るアーティストを予め決めていたので、急いで移動した。 しかし、エルレの動員が多かったのか、人でごった返し、なかなか前に進めなかった。 レッドマーキーを目指していた。 グリーンステージからレッドマーキーに移動するためには、川を渡る必要がある。 橋がボトルネックになり、流れが滞っていた。 その先にはオアシスエリアが待っていて、お酒やご飯、休息など、何かしらのオアシスを求めて、みな移動する。 この先にオアシスが待っているなら、イライラしてもしょうがない。 た

フジロックに行ったカメラ女子 022

エルレが始まった。 気持ちがパンパンに膨れあがっている。 最近、ライブを観る時は、体力温存のためか、単純に動くのが疲れるだけか、心が動かなくなったのか、昔より体を動かして見ることが減っている。 しかし、パンパンに膨れあがった気持ちが、私を20代の頃に戻した。 次々と繰り出されるエルレの曲に体が動かずにはいられなかった。 それでも、体の動きの鈍さや乳酸がたまっていく感覚というのは、あらがえないものがある。 「Missing」から 歌詞を憶えている限り、ずっと一緒に歌っていた。

フジロックに行ったカメラ女子 021

10年ぶりに観るELLEGARDEN。 10年前に観たのはライジングサンというフェスだった。 私がエルレを聞き始めたのは「ELEVEN FIRE CRACKERS」というアルバムからだ。 いや、違う。 the pillows のトリビュートアルバムに「Funny Bunny」という曲で参加していたのを聴いていたはずだ。 そして、フラフラっと入ったタワレコで、先のアルバムが大プッシュされているのを見て、買って聞いた。 その時はなんとなく聞いていた。 学生をまたやることになって、

フジロックに行ったカメラ女子 020

この方とは今日が初対面で、フェスは今日が初めてということだった。 初フェスがフジロックとは、すごいなと思った。 しばらく2人だけだったので、苦手なトークを頑張ることにした。 男性と2人でトークなんて、結婚した以前のお久しぶりだったので、少しドギマギしたかもしれない。 しかし、そんなドギマギは大体無用ではある。 何しろ、話が続かないのだ。 その人はトイレに行き、ひとりになり、そのうち友人たちが OAUを観て戻ってきた。 ELLEGARDEN が始まるまで、イスに座って、グリー

フジロックに行ったカメラ女子 019

トークが終わると、グリーンステージに戻った。 グリーンステージでは、友人が友人を呼び、大所帯になっていた。 エルレを前の方に行って観るか、友人の友人の海外話でも聞こうかしらと考えていた。 いざ、友人たちがいたであろう場所に戻ると、なんと、イスがないのである。 そして友人たちもいなくなっていたのである。 私は軽くパニックに陥った。 「友人たちとは別行動だったから、いなくてもしょうがないとして、イスを片付けるなら、せめて一言は連絡をくれるだろう。」 「せめて私のイスくらいは発見