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工学博士を取得した後、企業で研究職についています。 本のレビューや気になった記事をアッ…

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工学博士を取得した後、企業で研究職についています。 本のレビューや気になった記事をアップし、情報や考えを整理するために、noteを利用していきます。 将来、自分がそのときに何を考えていたのかをメモするために、使っていきます。

最近の記事

”「学力」の経済学”を読んで

読んだ理由・博士課程のころにアメリカに留学して以来、閉鎖的で排他的な日本の学校に多くの疑問を抱くようになった。それを解決してくれるかもしれないと思い、この本を手に取った。 ・自分の家系は先生が多いため、小さいころから教育には興味があった。教師であった親は、いつも経験論ばかりで、データを示してくれないので、何が正しいのかわからなかった。 概要・日本では教育に科学的根拠が必要という考えが浸透していない ・アメリカでは、科学的根拠がなければ、教育に対して予算を獲得できない ・因果

    • ”紙1枚勉強法”を読んで

      読んだ理由 今年は資格・検定試験をいくつか受けるため、いい勉強法を知りたくなった。これまでは、「資格や検定を取ること」よりも、「資格や検定の内容を全部理解すべき」と考えていたものの、社会人にとってはまず「肩書き」が重要で、その後実力をつけたほうがよいと学び、最短で合格できる道を探している。  そして、転職を考えている現在では、今の会社の実績よりも資格のほうが自分の能力をアピールするのに楽かもしれないと思っている。 概要・「参考書を読んで、問題集を解く」というやり方では、時間

      • ”道路のはなし”を読んで

        読んだ理由アスファルト舗装の研究に5年近く従事しているものの、”道路”は本当に奥深いことを日々感じている。今回は研究視点で”道路”を見てみるのではなく、もう少しマクロな視点から”道路”を見てみる。 概要・道路に適用されている技術、統計的な道路の解釈、高速道路・一般道路・車のトリビア、道路の歴史について書かれている ・日本の道路技術の高さを随所で実感できる 興味アスファルト舗装とコンクリート舗装 ⇒安価で、工期が短いが、耐久性に乏しいアスファルト舗装と、耐久性には優れるが

        • ”お金の大学”を読んで

          読んだ理由日本経済の成長が鈍化し、明らかに時代遅れの国になっている。そんな中で、これまで通り国に頼った生活ではなく、自立した生活を送るために、お金を”貯める”から”増やす”方法を知りたくなった。 概要・お金を①貯める、②稼ぐ、③増やす、④守る、⑤使うの観点で、どのようにしたら、経済的な自由が手に入るかを説明 ・①~⑤のそれぞれに対して、改善できる点を紹介 興味①貯めるー固定費を見直す ⇒保険の基本は、「低確率でも、起きたら大損失」になるものに備えるために入る。「低確率、

        ”「学力」の経済学”を読んで

          ”海外で研究者になる”を読んで

          読んだ理由 自分が海外で研究者になることをあきらめた人間なので、海外で研究者になった人たちの生活・考え方を知りたくなった。 概要・筆者の体験談だけではなく、海外で働く様々な研究者のエピソードを紹介。 ・海外と日本の違いは、会議が少ないこと、研究室を独立して運営できる、入試業務がない、長期の休みがとりやすい ・国や研究分野によって、文化が異なるので、ネットなどで確認が必要 興味先進国中の投資額当たりの質の高い研究成果の量は、日本は30位 ⇒原因は大学予算の減少、教員定数の

          ”海外で研究者になる”を読んで

          "水力発電が日本を救う”を読んで

          読んだ理由パリ協定により、カーボンニュートラルが一世風靡する時代となった。国はカーボンニュートラルのために様々な方針(Link)を打ち立てているが、どの方針も多額の税金を投入しないとできないものに見えた。既存のリソースのみで、なにかできないか考えているときに、この本に出会った。 概要海に囲まれ、山間部が多く、雨が良く降る日本は水力発電に適した地形である。 水力発電開発は以下の4つの方向で考えるべき。  ①多目的ダムの運用変更  ②既存ダムのかさ上げ  ③発電に使用されていな

          "水力発電が日本を救う”を読んで

          「世界で学べ 2030に生き残るために」を読んで

          読んだ理由世の中の価値観が少しずつ変わっているように感じるのに、日本の会社内部の価値観は変わっていないように思える。そして、日本経済の低迷もそんな背景があるのではないかと考え、普通は「経済」や「政治」の観点から調べるのだけど、「教育」の観点から日本を見てみることにした。 概要・低い経済成長率や国債の格下げ、グローバルな人材が入ってこない日本は、「先進国だった」国である ・日本経済を復活させるには、「お金の稼ぎ方」と「英語で学ぶ」ための教育が必要 ・「失敗を許さない」文化が日

          「世界で学べ 2030に生き残るために」を読んで

          ”新 企業の研究者をめざす皆さんへ”を読んで

          読んだ理由企業研究者として6年目に入り、研究とは関係の無い日々の業務に追われることで、「”企業の研究”とは何か?」と自問自答するようになった。会社の上司や同僚は、すでに会社の色に染まってしまい、客観的な意見・判断ができないので、自分を客観的・俯瞰的にみるためにこの本を読むことにした。 概要”企業の研究者のあるべき姿や注意点”が、作者の研究者としての長年のキャリアを元に描かれている。 企業の研究者の誰もがぶつかるであろう、”テーマ選定”や”研究プロセス”、”仕事の効率化”など

          ”新 企業の研究者をめざす皆さんへ”を読んで

          ”コンテナ物語 世界を変えたのは「箱」の発明だった” を読んで

          読んだ理由仕事でコンテナ輸送に関わることがあり、一言で”コンテナ”と言っても、いろんな種類があることを知った。そこで、”コンテナ”を調べているうちに、この本に出会い、読んでみることにした。 概要海上コンテナを導入するまでの苦労と葛藤、そして海上コンテナがどのようにして世界に広まったのかがわかる。 海上コンテナは、”海上”だけに収まらず、”陸上”の輸送ビジネスも変え、さらには人々の生活をも変えた。 「なぜ海外で作ったほうが安いのか?」、「なぜ輸入品が身の回りにあふれているのか

          ”コンテナ物語 世界を変えたのは「箱」の発明だった” を読んで

          科学大国日本の凋落

          皆様、”科学”における日本の地位が年々低下していることをご存じですか? すでにNewsweekや日経新聞にも取り上げられたように、論文数や論文のインパクト、博士号取得者数が年々減少しています。(下記は有料記事です。) https://www.newsweekjapan.jp/magazine/295993.php https://www.nikkei.com/article/DGKKZO36412990S8A011C1TM1000/ 現状を危ぶみ、行動を起こした研究者がい

          科学大国日本の凋落