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「世界で学べ 2030に生き残るために」を読んで

読んだ理由

世の中の価値観が少しずつ変わっているように感じるのに、日本の会社内部の価値観は変わっていないように思える。そして、日本経済の低迷もそんな背景があるのではないかと考え、普通は「経済」や「政治」の観点から調べるのだけど、「教育」の観点から日本を見てみることにした。

概要

・低い経済成長率や国債の格下げ、グローバルな人材が入ってこない日本は、「先進国だった」国である
・日本経済を復活させるには、「お金の稼ぎ方」と「英語で学ぶ」ための教育が必要
・「失敗を許さない」文化が日本の成長の足かせとなっている

興味

「日本は先進国である」と先生や子供も保護者も、まだ信じている

⇒輸出大国としていた日本の貿易収支は赤字になることが多々ある
 2015年に円が人民元を下回り、「第4の国際通貨」から陥落
 国債の格付けが、中国や韓国より下位のイスラエルと同ランク

日本の教育界・産業界は「安く均質で優秀な労働力の供給」を目指している

⇒日本の教育は、明治から太平洋戦争まで続く富国強兵・殖産興業のために、最適化されたシステムである。
  では、それがなぜ問題なのか?
 ①教育は社会に出ていく人をつくる場だが、先生のほとんどが社会に出たことがない
 ②学習指導要領は10年、大学の未来構想は30年単位で、見直される。
  ⇒学習指導要領の改訂は、文科省や自治体、教育委員会、先生といった社会経験に乏しい人ばかりで行われる。
 ③経団連が新卒の就職協定を主導していたせいで、海外留学や旅に出ていたなど、様々な経験をしにくくなっていた。

日本は「資本主義」を教えず、「英語」を教えられない。

・資本主義
 ⇒資本主義の「歴史」は教えるが、「お金の稼ぎ方」を教えていない
  どうやってお金を増やすのか、お金の仕組みを知らないのは、生き方を
  教えないのと同じ
・英語
 ⇒日本では英語を日本人が教えている。
  ネイティブレベルの人が語学を教えないのは、世界でもまれである。
  英語は「試験を解く」ものになっているため、英語で学ぶや英語で交渉
  するなど「使う」ための使われない

一度の失敗で、後ろ指をさされ、再挑戦できない文化

⇒減点法による評価が常であり、失敗しても言い訳や言い換えにより隠ぺいする体質がある。そのため、失敗を振り返らず、次の成功に導けない。
 先生にも、親にも「そんなことをしていると、失敗するぞ!」と言われ、怒られない行動が身についている。
 日本人は、小さい頃は夢を語るが、それが大きい夢だと周りから否定される。そして、大人になると夢すら語るどころか、持たなくなる。

感想

 「日本の価値観がなぜ変わらないのか?」という問いにしっかりと答えてくれる素晴らしい1冊だった!!
 自分が留学していた時に経験し、感じたことがそのまま書かれていて、納得する一冊でもあった。留学先の研究室の友達はよく、「卒業したら、~をするよ」や「将来は~をやりたい」、「将来のビジョンはある?」という話をしていた。自分がそれに答えられなかった悔しさをよく覚えている。
 社会人になってやっと、お金の稼ぎ方にはたくさんあることがわかる。高校生くらいから、投資や融資など様々な体験をさせてもらっていたらなと思う。そしたら大学生の時間のあるときに、経験を積めた。
 そして、自分の夢はもう一度考えようと思う。

 しかし、国会議員はなにをやっているのだろうと常々思う……


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