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”道路のはなし”を読んで

読んだ理由

アスファルト舗装の研究に5年近く従事しているものの、”道路”は本当に奥深いことを日々感じている。今回は研究視点で”道路”を見てみるのではなく、もう少しマクロな視点から”道路”を見てみる。

概要

・道路に適用されている技術、統計的な道路の解釈、高速道路・一般道路・車のトリビア、道路の歴史について書かれている
・日本の道路技術の高さを随所で実感できる

興味

アスファルト舗装とコンクリート舗装

⇒安価で、工期が短いが、耐久性に乏しいアスファルト舗装と、耐久性には優れるが、工期が長く、目地があるせいで振動や騒音のひどいコンクリート舗装。それぞれ一長一短はあるものの、アスファルト舗装がメイン。ただし、工事中の交通規制が難しく、ライトの反射を利用したいトンネルではコンクリート舗装が使われる。そのほかにも坂道や料金所などでもコンクリート舗装が使われる。

無電柱化推進計画

⇒東京オリンピックに合わせて、首都高速中央環状線の内側の無電柱化率100%を目標に工事。無電柱化は景観をよくするだけでなく、道路の幅員が広くなることで事故を減らしたり、災害時に電柱が倒れることによる交通障害の防止となる。※日本全国で3500万本以上の電柱があり、毎年7万本以上も増加している。

橋やトンネルの老朽化

⇒全国で約72万7千本の橋(2m以上)と約1万本のトンネルがあるが、2026年には全体の43%が建設後50年以上が経過。2014年に道路法施行規則が公布され、メンテナンスが強化されたが、全体の70%以上が市町村道のため、管理費用不足と技術者不足が深刻。

感想

 高度経済成長期に急速に整備されたインフラが、更新の時期を迎えている。無駄な社会保障で手一杯の日本がこれを更新できる余力があると思えない。多くのインフラが、国ではなく、市町村管理のため、地方の衰退が著しくなるのではないかと思われる。ただ、一度衰退させ、そこをすべて農作地にすることで、1次産業の復活ができれば面白いなとも思っている。
 インフラ業界は排他的な業界であることは実感しているものの、たくさんのニーズがあることも実感できたので、新しい研究テーマが見つかりそう。

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