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4ヶ月勉強で1級土木施工管理技士試験合格してみた(1次試験)

この記事は、建設業系で必要とされる施工管理技士試験の試験対策と勉強方法についてお伝えするものです。極力お金をかけずに社会人のペースで勉強できるスケジュールを組んでいるのでさんん甲にしていただけると幸いです。

1級土木施工管理技術試験の仕組み変更

試験内容や試験方法、資格制度の変更がありましたので、最初におさらいしたいと思います。昭和平成初期生まれの方はこの変更においてあまり詳しく知る人はおりませんので、今一度知っておきましょう。

年齢制限の緩和

まず、現試験において大きく変更されたのが年齢制限の緩和です。詳細に言うと実務経験年数などの諸条件が関連しておりましたが、現在は年齢制限の緩和で試験を受ける資格が変更されています。
どのような学歴でも、年齢が19歳を満たす人はどなたでも1次試験を受けることができます。つまりは専攻学科等に関係なく年齢さえクリアすれば受けることができるのです。

旧学科試験の合格だけでも資格取得することができる

これまでの試験では学科試験と実地試験の2つをクリアしなければ施工管理技士の資格を取得することができませんでした。また、学科試験合格から5年以内に実地試験を受けないと学科免除とはならず、5年を過ぎてしまった場合においては失効という扱いでした。しかし、現在の仕組みでは1次試験合格後申請をすることで「施工管理技士補」という資格となるようになりました。そのため、学科試験を受けて十分な実務経験を積むことで2次試験に挑むことができたり、現場での補佐役として様々な現場を管理することができるようになります。

実務経験の短縮と指定条件の変更

これまでは実務経験などを積まなければ2次試験の受験資格がなかったりしたわけですが、今回から1次試験合格後であれば実務経験年数を短縮することができます。
今回の1次試験の合格後、1-5年の実務経験で2次試験を受験することが可能となります。従来ですと、学歴に応じて3-5-10-15年の実務経験がなければ受けられない状況でしたのでかなりハードルが高いものでした。
しかし、現行の1次試験合格後は請負金額の指定や様々な条件を満たした場合において1年で受験資格がとれるということになりますので注意が必要です。
詳しくはこちらをご覧ください

できるだけ早いうちに1次試験を受けるべき

施工管理技士の試験において言えることはできるだけ早いうちに1次試験を受験しておくことが重要となります。実務経験カウントは1次試験合格後ですのでどんなに早くても2年、遅くても6年が必要となります。
令和10年までは従来の試験資格を適用することもできますが、従来型を望む人は過去5年以内に1次試験を受験している人や実務経験が十分に満たされている人が選択するだけですので、ほとんどの方は新受験資格にすることで実務経験年数を短縮することができるはずです。

それでは1次試験対策

基本的に、2級との差は大きいです。2級合格した人でも1級試験を1発合格できる人は少ないです。毎年の受験者は50%は不合格になっており、令和6年においては試験問題の変更があり合格率も下がっています。十分な試験対策と勉強を行う方が良いでしょう。

1次試験の流れと合格基準

1次試験においては、全てマークシートによる回答方式になっています。
選択問題を午前、全問解答が午後に行われ、両方合わせると70問くらいになると思います。この問題において全体で60%以上の正答率かつ、応用問題全問中60%の両方を満たすことで合格基準に達することができます。
点数が高くても両方の基準を満たしていないだけで不合格となりますので、バランスよく正解できるように幅広い受験対策が必須です。

必須問題とは

必須問題では、土工問題がメインとなります。現在の業種が離れている場合においてもこの問題は必須なので必ず勉強するようにしましょう。また令和6年の試験から試験出題範囲が拡大し、水理学なども追加されていますのでこの問題においても必須問題となっているので勉強するようにしておきましょう。また、応用問題もこちらに含まれますので施工管理問題が必須となります。

選択問題とは

選択問題では、自身が得意とする分野においての問題を選択すると思いますので、問題ないことが多いですが、自身の専門分野問題は5問くらいしかありません。ですので、自身の専門分野に加えて別の分野や類似分野の問題も回答できるようにならなければなりません

試験対策学校に通う必要性はあるのか

近年では、試験対策においてスクールで対策勉強する方も多いと思います。しかし、1次試験においては特にそのような対策は必要なく、自力で十分な勉強が可能です。2次試験からは施工実績小論文のようなものがあるので第3者にチェックしてもらったりすると良いかもしれません。

1次試験に必要な勉強方法

ここからは勉強方法の詳細についてです。

最初にやって欲しいこと

まずは過去3年以内の試験の問題を何も勉強せずにやってみましょう。どのような出題方法なのか、どういった言い回しなのかがわかるようになると同時に、自身がどのような分野が得意で不得意なのかがわかるようになります。
その際には選択問題であっても全ての問題を回答するようにしてください。

過去問題の入手方法

過去問題はいつでもどこでも入手することができます。
書店の対策本に頼らなくても勉強ができるのです。
過去問はこちら
まずはダウンロードして試験問題に挑みましょう

自身の傾向を細かく分析

最初にやっていただいた過去問を全て問題を回答し、答案チェックしてください。選択問題、必須問題、応用問題の3つのカテゴリーに分けて得意分野と不得意な分野に分けてみましょう。
1、必須問題が苦手な人→基礎問題の勉強が必要です。
2、選択問題が苦手な人→自身のお仕事に直結なので真面目に勉強
3、応用問題が苦手な人→施工管理問題の勉強が必要です。

業界に関わらず知っていると役立つのは法規問題

施工管理技士の人だから必要な問題というわけではありません。全業種の管理職または上職、経営者の人に必要な基本知識ですので、法規問題に関しては当たり前のように理解できるようになってください。環境によっては中小企業経営者、またはそれに準ずる人は法規問題がサービス問題となる場合もあります。

応用問題は範囲が狭いから理解に時間がかからない

必須問題である応用問題ですが、施工管理に関する問題ですので範囲が狭いです。言い方を変えると問題傾向は過去問を制覇していれば問題なく回答できるようになります。ですので点数を確実に狙える部分でもあります。
法規問題同様に法規と応用問題で安定した点数を確保すると余裕が生まれます。

選択問題は自身の分野と間接分野に絞ると楽

選択問題での選択は専門分野と間接分野においては誰もが得意としていなければいけません。ですのでこの問題でつまずいている場合は試験対策期間を長く取ってまずは専門分野を9割正解できるようになっておきましょう。実務として施工管理技士になった際や主任技術者になった際に困ってしまったり、協力会社さんや発注者担当者さんに技量や知識としての印象が悪くなってしまいますので試験だけでなくその先の有資格者としての業務に影響があります。

共通土木問題(必須問題)は幅が広いから気をつけて

これまで紹介した問題と比べ、必須問題である共通門土木問題は範囲が広いです。ですのでここをいかに点数を高くするかが鍵となると思います。
午前午後両方合わせて70問くらいしかないので、1問の重みが大きいです。ですので必須問題全てで60%以上を獲得できるようになっておかないと自信がないまま試験に挑むことになります。特に応用問題は15問くらいですので9問以上は正解しなければいけないというハードルです。

点数を確保するならこの順番で勉強

点数を確保して余裕を作るのであれば、法規、応用問題、選択問題、必須問題の順番で割合を多くしておくと便利です。この順番は、問題がある程度定まっているまたは問題範囲が狭いので点数確保がしやすいという順番となっています。これらは過去問を繰り返しやることで必ず回答できるようになります。過去問をたくさんやり込みましょう。

実際に4ヶ月でやった勉強スケジュール

1、直近3年分の問題を勉強せずに全問解いてみる

2、苦手部分の把握

3、点数を確保しやすい順に勉強する
(仕事がある日は1ページだけ)
(お休みの日は応用問題か選択問題のみ全部)

4、ある程度勉強したら過去問で模擬試験

5、苦手分野の把握

6、ダメな部分を重点的に勉強する
(仕事がある日は1ページだけ)
(お休みの日は気力が続く限り)

7、過去問模擬試験

8、3に戻って繰り返す
の順番を繰り返しながら勉強しました。
この順番で行うとたまたま正解だったような曖昧な回答がより炙り出されます。これを繰り返して「たまたま」の正解を実力の正解に持っていくことができます。これをやらないと点数を安定させることが難しいです。

このスケジュールは基本的に社会人の方が受けることが想定ですので、学生さんのスケジュールは考えていません。
4ヶ月の猶予はありましたが、実際にはもう少し時間があったら余裕を持って挑むことができたのかなと思います。
また、筆者は高校の専攻が土木で、7-8年はその分野で社会人経験し、その後業界から離れて令和6年に再度戻るという感じの経歴です。5-6年は業界から離れていました。しかし、法規部分は離れた業界での経験が役立ちました。法規は変わらない。人を雇ったり管理する立場にあればどの業界でも共通部分ということです。
5-6年の経験ブランクがあっても合格することができたので、皆様が業界一筋であったり、工業大学を卒業していたり、他業種でのそれなりの経験を積んでいる場合においてはより勉強がスムーズに進むのではないかと思います。

試験前日の勉強

試験前日は多くの方が勉強するのではないかと思います。
私もその一人です。
遠方での受験だったため前泊して睡眠時間を確保しました。
前日は、過去問直近3年分を印刷してやり込みました
3年分を一気にやるとかなり疲れます。
しかし、この過去問3年分で合格点を取れるようになっていると当日ギリギリまで勉強する必要はありません。鉛筆と消しゴムだけ持っていけばいいのです。心の余裕があります。

試験当日の失敗

試験当日に失敗したなと思ったことがあります。
それは時計です。
スマホやスマートウウォッチが禁止なので余計なものを持って行かないでいいだろうと考えたのと、会場のどこかに時計あるだろうと思っていましたが時計がありませんでした。時間配分がわかりません。
試験監督に疑問に思われない時計を持っていくといいですね。

時計を忘れても一応保険はある

試験開始から1時間が経過すると退出できるようになります。(試験問題は持って帰ることはできなくなります)その際には試験監督からアナウンスがあるので1時間経過の時刻は把握することができるということです。また試験時間終了15分前になると退出できなくなる時間になるのでその際にもアナウンスがあります。ですので開始1時間経過と終了15分前に2回アナウンスがあるので最悪このアナウンスを時計がわりにすることは可能です。

過去問やっても回答や解説が欲しい時がある

一応ですが、これまでの説明において参考書などを使っているような形跡がないですが、参考書やスクールは使っておりません全て過去問とネットで完結させています。ここで疑問となるのが、解説や回答の意味などを知りたくなる部分が出てくると思います。そういった際にはネットで調べたりしていました。
しかし、詳しく書かれていなかったり知りたい内容が記載されていないこともあります。そんな時には・・・
下記からは有料ページとしております。
参考書を買う人やスクールにお金をかける人がいるので、一応有料にしました。参考書よりも安いので、安価で合格を目指したい方はぜひご利用ください。

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