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エチオピア編

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知性と恐怖と好奇心。カロ族との出会い。
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2023年7月の記事一覧

「想定外の無一文。」アフリカ大陸縦断の旅〜エチオピア編⑪〜

「想定外の無一文。」アフリカ大陸縦断の旅〜エチオピア編⑪〜

 2018年8月25日17時、緑に囲まれた何もない場所、カイヤファールに到着した私たち。ジョンが何とか次のバスを手配してくれたことで、私たちはいくつかの山を超えて、次の経由地であるディメカへと向かいました。家畜の群れや〜族と呼ばれる人々が行き交う街。近くに感じるカロ族に胸が高鳴る私たち。「次の経由地のトゥルミまで残り30km。今日中にそこへ行けば、明日の朝にカロ族の住むゴルチョ村へ行ける。」しかし

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「念願のカロ族ー部族愛が芽生えた1日ー」アフリカ大陸縦断の旅〜エチオピア編⑫〜

「念願のカロ族ー部族愛が芽生えた1日ー」アフリカ大陸縦断の旅〜エチオピア編⑫〜

 2018年8月25日19時、カロ族訪問の拠点となる街、トゥルミに到着。そして、晩飯購入のために開いた財布。ここでようやく、ほとんど現金が残っていないことに気付いた私たち。テーブルには見た目雑巾、味ゲロの晩御飯、インジェラ。私は初めて食べるそれを無味無臭に感じるほど、ATMがない今の極貧状況に焦っていました。「(ジョン、なんとかしてください。)」この私たちの想いを、ジョンは全て受け止めてくれたので

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「カロ族の余韻ー原住民と現代文明ー」アフリカ大陸縦断の旅〜エチオピア編〜⑬

「カロ族の余韻ー原住民と現代文明ー」アフリカ大陸縦断の旅〜エチオピア編〜⑬

 2018年8月26日午前9時半、ジョンが運転するバイクの後ろに跨り、数時間に続いた悪路を耐えてきた私。何度か振り落とされそうになりながらも、ようやくゴルチョ村に到着したのでした。オモ川沿いに集落をつくり、そこで生活するカロ族。対面のご挨拶もそこそこに、写真撮影と称して、お金を稼ぎに来る姿には面食らいましたが、初めて原住民と接触できることに、私の胸は高鳴っていました。そこからは、ジョンの案内のもと

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「災難ってモンはたたみかけるのが世の常だ」アフリカ大陸縦断の旅〜エチオピア編⑭〜

「災難ってモンはたたみかけるのが世の常だ」アフリカ大陸縦断の旅〜エチオピア編⑭〜

 2018年8月26日お昼頃、カロ族とお別れし、ゴルチョ村を出発。原住民の余韻に浸ったままの私でしたが、とりあえずトゥルミまで戻るため、ジョンが運転するバイクの後ろに跨りました。「なぜ、カロ族に興味を持ったのか。なぜ、原住民を魅力的に感じているのか。」獣道の帰路に耐えながら、私はその答えを探すべく、思考を巡らせていました。
 カロ族の暮らしという未知の世界。彼らを学び、構築されていく知性。そして抱

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「災難ってモンはたたみかけるのが世の常だ、という言葉は真実だ」アフリカ縦断の旅〜エチオピア編⑮〜

「災難ってモンはたたみかけるのが世の常だ、という言葉は真実だ」アフリカ縦断の旅〜エチオピア編⑮〜

 2018年8月26日お昼過ぎ、カロ族の住むゴルチョ村を出て、しばらく経過したものの、未だに獣道をバイクで走っていた私たち。いつの間にか、もう1台のバイクとはぐれ、明らかに初見の道を、減速しながら運転するジョン。私たちは完全に迷子でした。何度も人に道を尋ね、何度も行き止まりにぶつかり、やっとの思いでトゥルミに到着。ジョンによればここから最終目的地、コンソまで直行のバスに乗れるとのこと。しかし、降ろ

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