「無職本」から自分の仕事について考える
幼い頃、開業医の祖父に連れられてよくホテルのバイキングへ行った。ホテルのスタッフは祖父のことをよく知っており「先生」と呼んでいた。祖父が私のことを「うちの孫だ」とスタッフに伝えると、私はたちまち「先生のお孫さん」になった。勝手に自分が偉くなったような気がして嬉しくなったことを未だに覚えている。
大学卒業後、私はすぐに大手のドラッグストアに就職した。社宅の引き渡しで不動産へ向かうと、大した確認もなしに鍵を手渡された。大手企業の一社員ということは、それだけで大きな信用を得られる。