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Blog in Japanese

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翻訳者・通訳者の視点から主に言葉と文化についてつぶやいています。
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記事一覧

欧州AI法が発効

本日、AIに関する世界初の包括的な規制である#欧州人工知能法 (European Artificial Intelligence Act)が発効しました。 例えば、何が禁じられているかというと・・・ ❌リアルタイムでの遠隔生体認証のためにインターネットからの無差別な画像収集に使用すること ❌脆弱性や弱者を狙い、自由意志を操作するために使用すること ❌職場や教育環境における感情認識に使用すること ❌自然人を評価・分類するソーシャルスコアリングに使用すること 👉高リスクAI

化学の世界のエスペラント語

📢本日6月10日、世界最大の化学工学機器展#ACHEA2024 がフランクフルトにて幕開け。3年ごとの開催ですが、新型コロナ流行の影響で実に6年ぶりの開催です。 個人的には、水素経済創出に関わる技術や製品を特集する #HydrogenSpecialShow に関心があります。水素は今まさに注目のテーマ。ご視察を希望の企業・自治体などいらっしゃれば、お供いたします! ***** というわけで、今回は#化学元素 にちなむ投稿です。 日本語・ドイツ語・英語の通訳者として、これ

Pfingstrose の能書き

本日、ドイツは#聖霊降臨祭 (Pfingsten)で⛪祝日です。それに合わせて、芍薬(Pfingstrose)を事務所に飾ってみました。 #Pfingstrose は牡丹のこともあるようですが、私が買ったのは芍薬だと思います。その証拠に、芍薬ならではの甘い香りが漂ってきます。 #芍薬 といえば、 「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」 という美人の形容のトップを飾る花です。 改めて調べたら、これは漢方薬の適応症の説明らしいです。 初めの7文字は「気が立つ女性に

翻訳!?に魅せられる舞台🎭

舞台の上に流れる日本語の字幕のセンスがいいなあ、と思ったら、 作者である#岡田利規の台本とのことでした。 なので、翻訳というよりはこちらが原作でした。 字幕なのでもちろんスペース的な制約があるのですが、 舞台で語られている台詞がテンポよく伝わってきます。 逆説的に言うと、独訳が上手いということかもれません。 うろ覚えですが、こんな感じ・・・ 苦手だから … liegt mir nicht 気後れしちゃって … ich kann mich irgendwie nich

擬態語を三次元で表現する

ボンで開催されている隈健吾特別展に足を運んだら、思いがけずそこには「言葉の世界」が広がっていました。 日本語のオノマトペを手がかりに彼の建築作品を分類し、建物を感じとってもらおうという試みのようです。 東京2020オリンピックの舞台となった国立競技場が「ぱらぱら」なら、イタリアでの展示会に使われた木製のオプジェ(アルベロ・デッラ・バルカ)は「つんつん」と「ずれずれ」なのだとか。 🎵 ぱらぱら さらさら ぐるぐる すけすけ ぎざぎざ ざらざら  つんつん  ぱたぱた ぺらぺ

緑の木曜日に七草粥を食す

フランクフルトの郷土料理の「緑のソース」。地元では復活祭前のGründonnerstag(聖木曜日、直訳「緑の木曜日」)に戴くものだそうです。春の到来を告げる風物詩です。 今朝、このソース用のハーブセットを八百屋で見かけ、思わず買ってしまいました。本当に7種類入っているのか疑問ですが、自分なりに分類してみました(写真)。サラダバーネット(Pimpinelle)はセリによく似ていて可愛らしい。 昨日、通訳で遠方に日帰り出張したところで疲れ気味なので、今晩はドイツ製セリとアサ

旅行雑誌に郷愁を感じる

ちょっと嬉しいことがありました。家人が日本から帰る途中で紛失した預入れ荷物がやっと出てきました。 乗り継ぎ便に間に合わなくて、羽田 ✈ ヘルシンキ ✈ アムス ✈ デュッセルドルフと遍歴を続ければ、迷子にならないほうがおかしいくらいです。なかば諦めかけていたところ、「見つかった」との待望の知らせが! かくして先日、荷物はオデッセイアの末に帰還しました。 二週間ぶりに再会したスーツケースには、こんなお土産が入っていました。 JR東日本の車内広報誌 『#トランヴェール』

国際女性デーにジェンダーギャップについて思う

翻訳業界には、男性よりも女性が多いのは周知の事実。ドイツにある翻訳会社のPM(プロジェクトマネージャー)にも女性が多いと感じます。外国人のPMで馴染みのないお名前だと、とりあえず女性だと思って返事してしまいます(#ジェンダーバイアス ?)。 しかし、#日本翻訳連盟(JTF) がまとめた『2022年 翻訳通訳白書』を読んでいて意外に思ったことがあります。60歳台になると、その男女比が大きく逆転するのです。50歳代では女性の比率が圧倒的に高いのに、それが10年で様変わりします。

🤡祭りの掛け声🤡

ドイツはカーニバルの真っ最中。明日はいよいよクライマックスの「薔薇の月曜日(Rosenmontag)」で、賑やかな仮装行列が開催されます。 沿道を埋め尽くす見物客からあがる掛け声(#Narrenruf) には、地域ごとに特色があります。ドイツのカーニバル三大聖地の一つであるデュッセルドルフでは「Helau!」(ヘラウ!)、もう一つの聖地のケルンでは「Alaaf!」(アラーフ!))がお決まり。 犬猿の仲といわれるこの二つの都市のどちらの文化圏に属するかで、Helauf派とA

通訳と翻訳の補完作用

1週間の間を置いて、🔧工業系の現場通訳に戻ってきました。そのなかで今日、出くわした単語が、” Referenzieren “です。 🤔えーと、何だったけな。そうそう、原点復帰、ホーミングの意味でした。 機械制御系の用語で、辞書にはなかなか載っていません。 ✔️ちょっと戸惑いながらも、なんとか訳語に辿り着いたのは、翻訳で培った経験によるところが大きいです。長い翻訳人生のなかで、機械の #UI(ユーザーインターフェース)を飽きるほど訳してきたからです。一般論として、翻訳をして

ドイツ語のことわざ~通訳の現場から~

現場通訳の一週間も本日で中日となり、ほっと一息ついています。😮‍💨  現場での #通訳 には緩急があるのですが、それはそれで気力が要ります。 たとえば、モノを指差し👈ながらの説明は、ほぼ同時通訳で入れます。指が移動するスピードに遅れないように、気合いを入れて訳しています。 そんな指差しチェックのなかで、エラーが判明したときのこと。誤りを認めた日本人の技師に対して、ドイツ人の電気工が言った言葉が印象に残りました。 ❝ Wo gehobelt wird, fallen Sp

🐇カレンダー作ってみました🐉(独日版)

今さらながら自己紹介すると、ドイツで仕事をしている翻訳者(通訳者)です。 ドイツと日本の祝日が記載されたカレンダーがあったらいいなあ、とかねがね思っているのですが、市販品では見つかりません。なければ作ってしまえ、というわけで自作してみました。そして、手作り感溢れるポケットカレンダーができあがりました。 ちなみに、ドイツでは州によって祝日が異なります。弊社事務所のあるノルトライン・ヴェストファーレン(NRW)州では、カトリックと新教の祝日の両方が適用されるので、少しお得な感

酒の肴になる「語学脳」

\\忘年会の季節// 同業者との肩のこらない女子会で、暮れゆく年の苦労を語り流しました。同僚との交流会はいつも励みになります。 ひとしきり仕事の悩みを語りあった後は、少し下世話な話に。恋バナが過去形の面子ばかりですので、パートナーに対する愚痴に辿りつきます。 ライターをしている友人が言うには、「仕事の後で頭がどっぷり語学脳のときに衝突すると、分かり合えない壁を感じる」とか 語学脳 !? 耳慣れない言葉に思わず聞き返した私に、友人は「考えを言語化して、理詰めで説明したが

この季節に思い出す旋律 ~詩人没後50周年に寄せて

11月13日は#サトウハチローの命日。今年はこの詩人・作詞家の生誕120年、没後50年とか。 彼の作品は意識して読んだことはないものの、数多くの童謡の歌詞でお馴染みです。 「かわいいかくれんぼ」、「おかあさん」、「うれしいひなまつり」などの曲目は、今でも幼稚園の定番ソングではないでしょうか。 そして、この季節のお気に入りは「 #ちいさい秋みつけた 」。 男性コーラスグループ「ボニージャックス」の歌声とセットで、その歌詞が心に浮かびます。そういえば、同じく大御所グループ