快速・迅速・神速でつくられた電子書籍について語る話
私はニコニコしながらリビングへ向かうと、水戸黄門の印籠よろしくスマホを夫に見せつけた。夫は近づいて画面を覗く。
「おお、ついに!」
「はい、ついに」
「よかったね〜(なでなで)」
例のキナリ杯2020(※1)の受賞作品が、ついに電子書籍になったのだ。会話を再現するため『ついに』という言葉を使ったが、これは完全に語弊を招く。『ついに』とは、長い時間ののちに…とうとう…といったニュアンスである。
ついに:
1 長い時間ののちに、最終的にある結果に達するさま。とうとう。しまいに。
2 (多く、打消しの語を伴って用いる)ある状態が最後まで続くさま。とうとう。「―現れなかった」「作品は―日の目を見なかった」
3 「終 (つい) ぞ」に同じ
(引用:goo辞書)
このキナリ杯の電子書籍は、違う。「違うと思っていることは思い違いかもしれない話」を書いた私が断言する。つまり快速・迅速・神速で電子書籍が出来たのだ。
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久々に解説コーナーの登場です。実はこの解説コーナー、受賞作を書いた2020年5月28日以降から昨日まで毎日封印していましたが、本日をもって解禁。実に二ヶ月ぶりです。
この電子書籍の発売がどれほど快速・迅速・神速だったのかを時系列で追ってみましょう。
2020年6月3日 (キナリ杯結果発表当日)
・岸田奈美さんより電子書籍化検討中の旨発表 ★快速
2020年6月4日
・岸田奈美さんより電子書籍化検討について受賞者に個別通知 ★快速
2020年6月4日〜2020年?月?日
・受賞者50人全員が個別通知の内容について仮承諾 ★迅速
2020年6月?日〜7月10日
・キナリ杯電子書籍化プロジェクトメンバーの皆さんより電子書籍一次データ作成 ★迅速
2020年7月11日
・株式会社コルク代表 佐渡島庸平さんより受賞者へ一次データの送付および掲載許諾の確認 ★迅速
2020年7月11日〜7月14日
・受賞者50人全員が掲載許諾 ★迅速
・修正等の希望がある受賞者は別途連絡 ★迅速
2020年7月11日〜7月24日
・キナリ杯電子書籍化プロジェクトメンバーの皆さんが受賞者からの修正希望などを盛り込み最終チェック ★神速
2020年7月25日 (岸田奈美さんお誕生日)
・祝!電子書籍出版発売 ★神速
※私が知っている情報はここまでですが、はてなの箇所をご存知の方や更なる詳細をご存知の方は、情報を教えてくだされば追記します!
これを快速・迅速・神速と言わずして何と言おうか。アツい文章を書く者達のアツい思いがギュッと凝縮された電子書籍であることが伺えます。
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ちなみに快速・迅速・神速のこの三拍子、さっきまで超速・駿速・爆速にしていた。バイク川崎バイク(BKB)さん(※2)にあやかって秒速(B)・快速(K)・爆速(B)にしても良かったかもしれない。とにもかくにも速いという感情が伝われば何でもありだったのだが、ちょっと辞書を引いてみると「神速」という言葉が出てきてとても気に入ったので、神速を採用。その後色々調べて快速と迅速も採用した。
快速(かいそく)[名・形動]
1 気持ちがよいほど速いこと。また、そのさま。
「英国兵が実戦準備の―なことにもひどく驚かされた」〈藤村・夜明け前〉
2 「快速電車」の略。「通勤快速」
(引用:goo辞書)
迅速(じんそく)[名・形動]
物事の進みぐあいや行動などが非常に速いこと。また、そのさま。「迅速な報道」「迅速に処理する」
(引用:goo辞書)
神速(しんそく)[名・形動]
人間わざとは思えないくらい速いこと。また、そのさま。「神速果敢」
「其決断の―なると其成功の美なるとに至ては」〈福沢・学問のすゝめ〉 (引用:goo辞書)
神速はかみはやと読みたくなるところだけれどしんそくと心の中で言い直す。いや、むしろ「かみはや〜」みたいな感じで流行ってしまってもいいかもしれない……話が逸れてしまった、時を戻そう。
そんな神速ぶりを見せた電子書籍キナリ杯2020の売り上げは、全て来年のキナリ杯の運営費用となる。その話を最初に聞いた時、私は心からワクワクした。来年のキナリ杯の準備がもう今から始まっているだなんて。もはや岸田奈美さんの来年のお誕生日にむけて今から準備しているようなものではないか。
ちなみに今年の #岸田奈美生誕祭 は以下の記事から全部確認できる。私は当日リアルタイムで追えなかったのでアーカイブをこつこつ観ているが、面白くて時間を忘れる。
オレンジルイボスティーを飲みながら、快速・迅速・神速な電子書籍を、ゆったりと読む。ここに町田ラスク(※3)があればさらに完璧な休日だったかもしれないな、なんて思いつつも、心は温かい気持ちで満ちている。沢山の人が注いでくれたこの温かさは忘れずにいよう。充分温まったたら、今度は誰かをあっために行くのだ。
※1
キナリ杯
「おもしろい文章が読みたい」をきっかけに大大大イベントとして成功を収めた作家・岸田奈美さん主催の文章コンテスト。
キナリ杯とは、「岸田がおもしろい文章を読み、岸田が褒めちぎりたいがために、岸田が開催する文章コンテスト」です!
(引用:【賞金100万円&50賞】岸田奈美のキナリ杯!おもしろい文章が読みたい 【終了】)
岸田奈美さんはキナリ杯という宝島の創造主だと勝手に認識しています。たまにオリーブの木を授けてくれる神速な創造主。
※2
バイク川崎バイク(BKB)さん
キナリ杯2020にて特別リスペクト賞『文豪どうかしてほしい賞(respect.進士素丸)』を受賞された文豪。
受賞作のショートショートは泣きました。BKBワールドに沢山の読者がいざなわれる。
※3
町田ラスク
スワンベーカリー町田店のチョコ掛けラスク。
打撃を受けている障害者福祉施設の製品を応援する、フクシ×キナリ企画の第三弾として、岸田奈美スペシャルエディションも販売されています。
ラスク好きな私はもれなく買いました。なお、町田ラスクに合う飲み物に悩まれた際には、以下の記事をご活用ください。
岸田奈美さん、佐渡島庸平さん、そしてキナリ杯書籍化プロジェクトに関わった全ての皆さまに改めまして御礼申し上げます。
岸田奈美さん、改めましてお誕生日おめでとうございます。この一年が岸田奈美さんにとって、たくさん楽しいことを神速で集めて、それをゆったり味わうことのできる年になりますように!