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子どもの「得意なこと」は「見つける・ほめる・感謝」で「才能」に【育児哲学#21】

・「得意なこと」は親の価値観や見る角度を変えれば簡単にみつかる
・  ほめる、感謝することで子どもは「快楽」を得て「やる気」を出す
・「得意なこと」を「夢中」にさせて才能開花




活動ぬきに快楽は生じず、
いかなる活動も快楽が完成させる。


◆古代ギリシャの哲学者
アリストテレス『ニコマコス倫理学(下)』



音楽家が、優れた聴覚から心地よいメロディーを生み出すことには、一種の快楽がともなう。登山家が、鍛えられた脚力を使って高山に登頂することも同じだ。アリストテレスいわく、「快楽は活動に付随するテロスである」。テロスはギリシャ語で「目的」のこと。これは目的の達成には快楽が必要、という意味ではない。得意な能力を駆使して得意な活動をするとき、おまけに快楽がついてくる、ということだ。


子どもの快楽は「楽しい」「褒められる」「感謝される」ことです。

この記事では下記の3ステップで紹介していきます。

1.子どもの「得意なこと」を見つける
2.子どもに「快楽(楽しい・褒められる・感謝される)」をあたえる
3.「得意なこと」から「夢中」にして「才能」を開花させる


1.子どもの「得意なこと」を見つける

毎日のようにみている子どもでも「得意なこと」をみつけるのは難しいと思いますよね。ですが「見る角度」を変えることで簡単に子どもの得意なことがみつかる4つの方法があります。この方法を試しながら子どもの得意なことをたくさん書き出してみましょう。

(1)親がほめやすいことをほめる
まずは思いついた「子どものいいところ」を書き出してみましょう。たとえば「整理整頓がうまい」「お片付けをしてくれる」「計算が早くできる」など、親にとってほめやすいことが出てくると思います。

(2)親の価値観にとわられないで多面的に見てほめる
これまで書いてきた「親の都合がよくてほめやすい」ことではなく、親の価値観にあっていないことでもほめられることはいっぱいあります。親にとって都合が悪いこと、くだらなく見えることでも子どもにとっては生きていく上で力になりそうなことがあるはずです。それらを書いてみましょう。
たとえば「自分がイヤなことは、親にもはっきりイヤという」「自分がやりたいことには、すごく熱中する」「犬みたいに疲れをしらない」「甘えるのが上手」など、親がもとめる姿ではないかもしれません。ですが、子どもが生きていく上で力になることばかりです。

(3)「言い換え法」でほめる
言い換え法、別名、短所言い換え法です。文字通り子どもの短所を言い換えて長所としてとらえ直す方法です。たとえばやるべき事を後回しにしてギリギリまでやらない子がいるとします。ある意味「神経が太くて度胸がいい」ということでもあるのです。積極的に行動しないのは「慎重で軽はずみなことはしない」ということです。嫌味にならないように書いてみましょう。
「叱られてもすぐに忘れて復活する回復能力」「友達がいなくても平気。ひとりでいてもくにならない」「片付いていなくても必要なものの在りかがわかる」などなど、発想を転換して別の角度からみてみるのは、親にとって新鮮で不安かもしれません。ですが、今は短所に見えることでも、その子が長い一生を生きていく上では、素晴らしい長所であるかもしれません。多くの親は「言われたことや決められたことをきちんとやれる子」になって欲しいと願っていますが、これがその子にとっての長所とは限らないのです。自発性を失った自分の人生をおもいのまま展開できない大人になってしまう可能性もあるのです。

親にとっての長所が、必ずしも子ども本人にとっての長所とは限りません。
親にとっての短所が、必ずしも子ども本人にとっての短所とは限りません。

(4)「一歩下がり法」でほめる
親の目からはできて当たり前と思っていることを、一歩下がって長所としてとらえ直す方法です。「ノートに書く字が汚くてこまる。もっと丁寧にかいてもらいたい」と思う親がいます。ですが、雑とはいっても字が書けるということはそれだけですばらしいことなのです。字が書けるのは当たり前と思いこんでいるから、それが長所に見えないのです。「毎日元気ですばらしい」「おしゃべりができる」「ガツガツよく食べる」「日本語が話せる」「友達と遊べる」これらのことはもともと持っている長所で親には見えていないものでした。親が自分勝手に進みすぎているからです。他の子とくらべたり、ひとつの価値観にとらわれて「こうあって欲しい」というイメージを子どもに見てしまいます。子どもの立場にとってみれば、これは迷惑。それを基準に「ダメだ、ダメだ」と言われるからです。今のありのままの子どもを受け入れ、認め、ほめることを増やしてあげてください。


2.子どもに「快楽(楽しい・褒められる・感謝される)」をあたえる

(1)~(4)の方法で「得意なこと」を見つけられたら後はひたすらほめ、たたえ、感謝してください。すぐにできます。口で言えないならば紙に書いて伝えてもいいでしょう。そして、誕生日、卒業式、卒園式、入学式、七五三、お正月などの節目に渡してもいいかもしれません。

親が求めるものでなくても長所は長所です。ありのままの子どもをほめてあげてください。それは子どもの生きる力であり、子どもの「やる気」「主体性」を育てます。

こちらにも「やる気」「主体性」について関連する哲学と育児の方法を紹介していますので、合わせてご参照ください。


3.「得意なこと」から「夢中」にして「才能」を開花させる

「得意なこと」から「やる気」「主体性」がついてくると「夢中」になり、それは「才能」につながっていきます。

「整理整頓がきれいにすぐできる才能」「計算が早くできる才能」など、親が求める才能だけではなく「自分の意志がぶれない才能」「毎日元気に走れる才能」「人見知りせず挨拶できる才能」など、当たり前と思うことから才能に特化し、知らず識らず子どもの人生の力になっていくでしょう。

技術だけが才能ではありません。子どもにはそれぞれの個性があって、いろいろな才能を秘めています。

個性についてはこちらの記事も参考になるので合わせてご参考ください。

子どもの「得意なこと」をどんどんみつけて、どんどん「才能」を開花させましょう!

長い文章を最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

これからも役立つ哲学と育児の情報を学びながら、ご紹介していきたいと思います。



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