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組織に成長を促す「外向きマインドセット」実践編

優秀なメンバーが集まっているはずなのになぜか成果が出ない。そんな経験はありませんか?

ひょっとしたらそれは、メンバー同士の噛み合わせが良くないことが原因かもしれません。

そうした悩みをもっている方に、ぜひ紹介したい本があります。

『管理しない会社がうまくいくワケ』
アービンジャー・インスティチュート 著

この本から得られるメッセージは、自分以外の人に関心を寄せること。そして彼・彼女らへの理解を示すことによって、真の課題解決が目指せるというもの。「外向きマインドセット」と呼ばれる思考方法です。

外向きマインドセットの考え方は組織風土の醸成に役に立ちます。メンバー同士が互いに関心をもち、利己的ではなく利他的になること。それによって組織は大きな力を発揮できるようになります。

外向きマインドセットは組織の内部だけでなく、外部にも広げることができます。それによって、大きなイノベーションのきっかけとなった事例もあります。

今回は製造業の中から成功事例を選んで紹介したいと思います。

ミスミの標準カタログ

株式会社ミスミ会社紹介
https://www.youtube.com/watch?v=S4OACqWYZ9Q

「機械図面が読めない人でも機械部品を注文できるようにしよう!」ということでミスミが行ったのが金属部品の「標準化」です。

金属部品は、かつてはすべてオーダー仕様でした。機械メーカーが図面を描き、部品メーカーがそれを元に一から設計・製作を行うことになっていました。

しかし、注文を受けてから納入の納期は長く、メーカーもその都度金型を作ったり機械の設定を考えければならない。当然、コストもかなり高くなってしまいます。

そこでミスミは、需要の多い製品の規格をあらかじめ決めてしまい、決められた製品を提供するということにしました。機械メーカーが仕様を決めるのではなく、部品メーカーが仕様を提案してしまう逆の流れを作ったのです。

もしミスミが「図面も描けない奴は金属部品を発注するな」という一方的な姿勢を貫いていれば、「標準化」というアプローチは生まれなかったかもしれません。

マザックの対話式プログラミング

対話式CNC装置 MAZATROLの軌跡
https://www.youtube.com/watch?v=QA02euy__lQ

マザックは独自のコンピュータ数値制御としてMAZATROLを開発しました。

これは機械からの質問に答えるだけで加工に必要なプログラムを完成できるという優れものです。初心者でもプログラミングが可能になる革新的な発明といえるでしょう。

ユーザーに高いプログラミング能力を求めるのではなく、プログラミング能力の高くないユーザーに使ってもらえるような商品を発明する。これも素晴らしい発想の転換だと思います。

まとめ

専門性が高くなると、ついつい他者にも自分自身と同じ水準を求めてしまうことがありますよね?

「なんで話が通じないんだ!」「もっとレベルを上げて出直してこい!」そう思ってしまうこともあるかもしれません。

しかし実はそれは、とてももったいない考え方なのかもしれません。

大きなイノベーションのチャンスは「あいつらは何もわかっていない」という傲慢な考えから、「あの人たちに理解してもらえるようになるために、自分たちに何ができるだろうか?」という考えに転換した時にこそ訪れる。

ミスミやマザックは外向きマインドセットへの転換によって実際に成功事例を残したように、考え方を変えるだけで大きな成功のきっかけとなる。そう思います。

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