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「ダイバーシティ×デジタル」で日本のプレゼンス向上に挑む7期目のスタートアップ

僕たちの会社は、インド工科大学(IIT)というインド国内TOPの理工系国立大学と連携して、日本の組織変革とデジタルイノベーションに挑む今期7年目のスタートアップ企業だ。

これまでnoteでいくつかの記事を公開した。でもこのタイミングで初めて会社紹介をする理由は、今期最低100%増の売上拡大を目指しているのと、共感 & 賛同してくれる人達を探しているからだ。少しでも僕たちの取り組みを多くの人に知ってもらい、その人たちが興味を持ってくれると嬉しい。


前期までの状況(赤裸々)

僕の経歴がIT人材の紹介業だったこともあり、Willingsという会社も2018年に人材紹介から始まった。海を挟み、且つヒトが行き来するビジネスモデルなので、コロナ禍には倒産寸前も経験した。でも事あるごとに奇跡は起こり、僕たちのビジョンに共感してくれた人たちから生かされた。
そしてWillingsにとってのコロナ明け元年となった2023年、前年比240%、営利率16%で黒字着地した。でもこれまでに累損を8,000万円くらい出しているので、ここから挽回しないといけない。

Willingsのはじまり

「12月末に退職させてください」
2017年9月、新卒から4年半お世話になった会社を離れて起業する意思を社長に伝えた。もともと起業することは随分と若い時から決めていた。節目の30歳になり、役職もいただき、部下にも恵まれ、その会社が自分のコンフォートゾーンになったことが急に怖くなったのがその頃。
まだ何をするかも決定していなかったけど、お尻を決めて逃げられない状況を先に作った。ただ一つだけ、自分が人生の時間を費やしたいと思えることあって、それが「ダイバーシティ(多国籍化)による日本のデジタルの強化」だった。

『世界を変える発想は、多様な組織から生まれる』Willingsの会社HPのコピー

会社の概要

  • 設立:2018年1月11日

  • 資本金:2,001万円

  • 本社:江東区越中島
    インド拠点:Gurgaon(クルガオン)
    インドサテライトオフィス:Mandi(マンディ)

  • 事業内容:インド工科大学との連携によるDXコンサルティング

Willingsがやっていること

インド工科大学(IIT)と連携して、デジタル分野の人材獲得とダイバーシティ(多国籍化)推進、新たなデジタル事業創出までのサポートを主に日本の大手企業向けに提供している。
実は、Willingsのお客様の約7割が非IT企業であり、これまでほぼ100%の開発業務をベンダーに丸投げしてきた企業だ。僕たちはそのような企業の内部に、先端技術に強いエンジニアチームを定着させ、デジタル分野での国内外へのビジネス展開を提唱している。

◆サービス名: GALK(ガルク)
※サービスについては別の記事で紹介

当初はIITからのエンジニア獲得を主事業として取り組んできたけど、最近はお客様からの要望も幅広く、現在はインド工科大学と連携して以下の6つの領域をサポートしている。

  1. リクルート:優秀なエンジニアを獲得

  2. リロケーション:来日手続きや生活立ち上げ

  3. カウンセリング:入社したエンジニアを戦力化するための定着支援

  4. ラボ型開発:新規サービス創出を加速させるための準委任型開発支援

  5. 産学連携:インド工科大学との産学連携を促進

  6. インド拠点設置:インド国内での開発拠点の設置支援

僕たちの事業は、IITからの採用を機にデジタルイノベーションを促進するためのDXコンサルティングである。

なにを成し遂げたいのか

よく昨今のスタートアップは、最初から世界のマーケットを目指すべきだと言われる。ただ日本という国が、世界の中でも先行している分野がある。

それは、少子高齢化だ。

うちの社員にもよく言うのだが、仮に今日本が少子高齢化に直面していなければ、今のビジネスはやってない。2030年には最大79万人のIT人材が足りなくなると言われていて、Willingsにとっては1.5兆円の巨大マーケットだ。

中国も22年頃から人口減少に転じ、お隣韓国も出生率が0.8と異常に低い。インドも23年の後半に人口世界一になったものの、実は人口増加率は既に鈍化している。

「生活が貧しいと人口は増え、豊かになると人口は減る」

ただ人口が減れば、デジタルが急速に発展し、至るところで無人化が起こるのが自然な現象。だけど日本では残念ながらそれが起こっていない。それどころか、デジタル分野で世界に遅れをとっているとまで言われている。
その原因の一つとして挙げられるのが、日本語を一生懸命勉強してくれる低賃金の外国人エンジニアへの過度な依存だ。これまで日本は、日本人の代替として海外からエンジニアを獲得してきたために、なかなかデジタルが進歩していない。結局彼らが入社して3年後には、「日本人の社員よりもコミュニケーションが難しい技術力はそこそこなエンジニア」という評価にしかならない。この状況で一体どんなイノベーションが生まれるのだろうか。

スポーツの世界では、チームを強化するために外国人助っ人として海外のトッププレイヤーを獲得する。その際に、日本語ができないと獲得しないとは言わないのだ。
日本語が第一フィルターになっていることで、日本のデジタルはなかなか進歩しない。そして日本の組織には、デジタル分野で先端を行くトッププレイヤーを海外から迎え入れる土壌が作られてこなかったのだ。

『デジタル社会における日本企業のプレゼンスを高める』Willingsのビジョン

僕たちはグローバル経験豊かなメンバーで構成されていて、この土壌の作り方を知っている。そして少子高齢化に直面する日本が、デジタル分野で世界においてプレゼンスを発揮すること、それが僕たちが実現したいことだ。

なぜインド工科大学なのか

日本がこれからデジタル分野で新規事業を創出するためには、彼らとタッグを組むことがベストだと考えている。

インド国内外、世界中どこでも新たな価値創造ができることを証明している

理由は至ってシンプルだ。
事実、今世界では、この大学の出身者がデジタル分野で新規事業創出において、顕著な成果を出している。

代表的なインド工科大学の卒業生

これらのインド工科大学の出身者をご存じの方も多いと思うが、メガテック企業のトップにIIT出身者が就くことが多い。
だから優秀だという訳ではないが、今インド工科大学では第二のSundar Pichai(Google CEO)を育てようという方針で教育が進んでいる。
強烈な世界的ロールモデルの存在は、次世代の育成に有効なのだ。現在インドの平均年齢は28歳。今後更に、世界にインパクトをもたらす若手エンジニアを多く輩出していくことに違いない。

なぜ彼らは日本に来たいと思うのか

今から10年ほど前、8割以上のインド工科大学の学生が就職先としてアメリカを目指していた。ところが2017年、トランプ大統領が移民政策を行ったことで、学生たちのアメリカ行きの夢は途絶えたのだ。トランプ政権後もその道筋が復活することはなかった。なぜならコロナ禍で人の往来が許されない中、アメリカの大手テック企業はインド国内の拠点に巨額な投資を進め、今やインド工科大学の学生採用は基本インド国内で行われるからだ。

そんなこともあってか、今のインド工科大学の学生にとって、例えばGAFAMの様な巨大テック企業で1人のエンジニアとしてキャリアをスタートするという進路は、ダウントレンドになりつつある。
それよりも、すぐに、そして広範囲で自分の能力を発揮できるフィールドに魅力を感じる若者が多くなってきているのが現状だ。

日本はデジタル分野、特にAIなどの先端領域でイノベーションを生み出していかなければならないのに、既に人材不足であり、若者が減っているため今後のAI人材の育成・輩出も期待できない。その様な状況に陥っている。
彼らにとっては、まさに自分の能力を発揮できるフィールドであり、今は激減してしまった海外でのキャリア機会であり、最高のスタート地点なのだ。

Willingsのこれから

GALK事業の拡大

GALKという事業が拡大するためのポイントは、質の高いロールモデル(事例)を作っていくことだと思う。日本にある約4,000社ある上場企業のうち、たった1.8%がGALKというサービスを導入することで、僕たちは年間300名のインド工科大学のエンジニアをインターン生として来日させ、そのうち6割を採用に繋げることができる。
ここまでで売上規模は、約7億円に留まるのだが、採用に繋がれば繋がるほど、リロケーションやカウンセリング、ラボ型開発など、それ以降のサービス導入に繋がっていくのだ。

雇用体制の整備

日本企業の内部に、彼らトッププレイヤーを雇用できる体制を整えていく。
採用するための条件、英語版の社内規定、グローバルマインドの育成、コミュニケーション方法、評価・昇給制度など、彼らを戦力化していくための環境作りを企業様と共に進めていきたい。

生活環境の整備

彼らが中長期で活躍していくために、仕事以外の面でもサポートが必要だ。住民登録や家探しなどの生活立ち上げなど、異文化で生活するにあたり、孤立しないようなサポートも必要になる。彼らのコンシェルジュとしての機能も備えることで、安心して日本でのキャリアのイメージを持ってもらえる環境を作っていく。

GALKラボ(開発支援)

IITからエンジニアを獲得したお客様がデジタル分野で新規サービス開発をする際に、それを加速させるための援護体制を作りたい。
お客様の新規サービスの発展は、僕たちにとっての重要な成功事例になる。
実はGALKラボというサービスがコロナ禍に生まれ、AI関連の案件を数十社様から受注していたことがある。これはWillingsにとって安定したキャッシュフローをもたらしたのだが、将来的には50億以上の売上をもたらす事業として期待していた。
お客様のご要望をヒアリングし、それに適したチームを僕たちがIITから厳選したエリートエンジニアで構成し、構想を実現していくというサービスだった。
しかし当時、コロナ禍で主事業のリクルートが大苦戦を強いられていて、エンジニア以外のWillings社内のリソースが足りず、お客様の期待値を上回ることができていないと感じた。あのまま続けていれば、当時のキャッシュ状況は一時的には良かったかもしれないが、IITというブランドに傷を付けることになり長期的なダメージを負う事になった。そのため社内体制を整えて再出発することを決め、一度サービスを休眠させることにした。

そして今、リクルートの方も回復し、徐々にではあるが携わる人も増えてきたので、GALKラボ再開の方向で進めている。
※現在、お客様インターフェイスを担当するバイリンガルのブリッジSEを急募しています

デジタル分野への参入

Willingsの最大の武器は、IITから年間3,000名ものAI系エンジニアを集めることができること。当然自社でも優秀なIIT出身のエンジニアを採用している。

一昨年までは3,000名の応募者を選考しようとすると、書類選考だけで3名×1週間の工数がかかる様なアナログな状態だった。昨年に関しては、これまでの独自の選考基準やノウハウを全てアルゴリズムに落とし込み、選考精度を落とすことなくかつ自動で3,000名分の書類を精査できるオートスクリーニング機能を実装した。

GALKポータルというGALK導入企業とIITのエンジニアのデータベース

現在は、AIが企業のために候補者を探し出し、なぜその人がマッチしているのか、どこが不足しているのか、また不足するスキルは補填や代替が可能かなど、メリットデメリットを含む推薦理由と、採用すべきか否かの結論までを述べる新機能をIITのエンジニア達が開発している。
当然、今後はこの機能を「採用のために膨大な数のスカウトを打つという人事の負担を無くし、人材紹介会社の様に的確な推薦を行う」ことができるAIとしてサービス化を視野に入れている。

第二のIIT探し

現在は、戦略的にインド工科大学のスペシャリストというポジションをとっているものの、僕たちのミッションは「ダイバーシティによる企業と社会のエンパワーメント」である。

『ダイバーシティによる企業と社会のエンパワーメント』Willingsのミッション

デンマーク工科大学、カウナス工科大学(リトアニア)、イスラエル工科大学など、日本の企業をエンパワーメントするためにタッグを組むべき次のトッププレイヤー達を常日頃から世界中で探している。
インド工科大学からのエンジニア採用を皮切りに、彼らを迎え入れるための環境を整え、企業がインド工科大学以外の選択肢を検討できるようにしていきたい。

最後に

少子高齢化で人口減少が進む中でも、日本がデジタル分野で世界から脚光を浴び、「失われた30年」を取り戻す、そんな世界を実現するために、世界中からタレントを集めていきたい。そして、そのための環境を整備していきたい。またWillingsが、トッププレイヤー達と共にデジタル分野で積極的にサービス開発を進め、海外進出をも狙っていく。

ここまで僕たちの取り組みを紹介したが、この記事を読んだ方が少しでも興味を持って賛同してくれれば嬉しく思う。それによってこの国の状況は明るい方向に進み、活力ある社会を後世に引き渡せることを信じている。

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