「脳の使い方」でこんなに変わる!気づいたら没頭&覚えたら忘れない学び方『勉強脳』
今回は、『勉強脳』をピックアップします。
みなさんは勉強をするとき、まず最初に何から始めますか?
教科書や参考書を読んで重要そうな部分にマーカーで線を引くことからでしょうか。
せっかく勉強するなら、効率よく覚えてできるだけ長く忘れないようにしたいもの。
実は、頭の良さや記憶力とは関係なく、ちょっとした「脳の使い方」の工夫次第で誰にでもそんな勉強が可能なのです。
脳は「楽そうでうまくいきそうなこと」をさせたがる
本書の著者は、長年にわたり学習と記憶に関する研究を行ってきた、アメリカを代表する心理学者です。現在は、学校教育への心理学の応用を専門としている「教育のプロフェッショナル」。
著者によれば、多くの人は「効果がないのに、効果がありそうに見える」間違った勉強の仕方をしているといいます。
たとえば…
× ノートを見栄えよくする
× 資格試験に備えて参考書を再読する
× ひたすら過去問を解く
× 速読術を使う
これらが効果的な勉強法として紹介されているのを見聞きしたり、実際にこの方法を自分で試してみたりしたことのある方も多いのではないでしょうか。
実は、こういった方法では、勉強した気になるものの、真の実力はつきません。
それなのに多くの人がこれらの勉強法を選んでしまうのは、簡単にできて効果のありそうなことをさせたがる、脳のしわざなのです。
1000円札の裏側には何が描かれているか、パッと答えられるでしょうか?普段から目にしているはずなのに、ぼんやりとしか覚えていないのではないでしょうか。
このように、繰り返し見たからといって記憶に定着するとは限りません。
しかし、脳のしくみに無意識でいると、いつの間にかこのような「楽だけど効果のない」方法にばかり時間を費やしてしまうことになりかねないのです。
では、脳のしくみを活かして本当に効果の高い勉強をするにはどうしたらいいのでしょうか。
「脳を出し抜く」ことで勉強が楽しくなり、一度覚えたら忘れない
第5章では教科書をフル活用する方法を扱っています。
教科書や参考書を読むときに脳がやりがちなのが、「物語を読むように、情報の整理に力を使わずに読もうとする」こと。
この方法では、勉強した気にはなるものの、実際には知識の断片しか記憶に残らないこともあります。
脳を力を最大限に引き出すには、読み方にも工夫が必要です。
たとえばこんな読み方を試してみてください。
【1】読み始める前に何を学びたいかという具体的な目的を設定する
【2】書かれていることに対して、「なぜ?」と質問してみる
たったこれだけのことで、内容への理解が深まり、書かれている情報どうしを関連づけて覚えることができます。さらに、覚えたことを忘れにくいので一石二鳥です。
手のつけやすい方法から順番に試すのではなく、「脳を出し抜く」つもりで工夫してみることが、楽しくて一度覚えたら忘れない勉強への近道です。
スキルアップ、入試、資格、留学…「勉強脳」で一気に差がつく
本書は、言い換えるなら「脳の取扱説明書」。特定の分野に限った話ではないので、あらゆる場面での勉強に応用できます。
スキルアップ、入試、資格、留学などはもちろん、スポーツや楽器の演奏など、子どもから大人まで、仕事から趣味まで幅広く使える方法が盛りだくさんです。
みなさんも、「勉強脳」をつくって普段の学びをより楽しく、より効率の良いものに変えてみませんか?