記事一覧

+1

時の香り、蝉時雨

とよ
4年前
2

ちょっとした感傷

夜の電車に乗っていると、高3のお正月を思い出す。 元日に祖父母宅に挨拶して、その夜一人で自宅に帰る電車。 第一志望の大学に受かったら、程近い祖父母宅に居候させても…

とよ
4年前
5

"帰る場所"が変わった話

久々に実家で何日か過ごした。 「久々」と言っても、夏に一泊したから、感覚は何も変わらない。ぐうたらの極みである。 寒いからホットミルクでも飲もうと思って、カップに…

とよ
4年前
2

青空

とよ
4年前
1

手を動かす

とよ
4年前
1

まるまる

とよ
4年前
5

犬猫供養塔

とよ
4年前
3

しゃぶしゃぶ

とよ
4年前
2

闇の中の花

とよ
4年前
3

空の海

とよ
4年前
3

銀杏

とよ
4年前
2

ちょっとした感傷

夜の電車に乗っていると、高3のお正月を思い出す。
元日に祖父母宅に挨拶して、その夜一人で自宅に帰る電車。

第一志望の大学に受かったら、程近い祖父母宅に居候させてもらうことになっていた。

ああ、私は、受かったらこの電車に乗って行くのだな。結果次第で来られないかもしれないのだな。

と、暗い窓の向こうを眺めていた。
明かりが横に流れて綺麗だった。

まだ見ぬ未来の生活に思いを馳せたこと。
少しの不

もっとみる

"帰る場所"が変わった話

久々に実家で何日か過ごした。
「久々」と言っても、夏に一泊したから、感覚は何も変わらない。ぐうたらの極みである。
寒いからホットミルクでも飲もうと思って、カップに牛乳を注ぎ、レンジに入れて、スイッチオン。
……したところで、はっとした。

お砂糖、どこにあるんだ?

食器棚の下?
台所の戸棚?
それとも、ダイニングテーブル……

どこにもなかった。
変な目で見られるのを覚悟で父親に聞いた。

(

もっとみる