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豚の生姜焼きが、食べたくなったわけ。

「結婚ってどうですか? どう思いますか?」

サークル『bar bossaオンライン』で、林さんから投げかけられた問いに、「うっ」となった。今一番考えたくない(向かい合いたくない)テーマだったからだ。

メンバーのコメントを読んでいると、いろんな結婚観があるんだなぁとしみじみ思う。今だから、いろんな結婚観があることに違和感は感じないし、そういう生き方もあるんだと思うけれど、30年前、20代の私にとっては、30歳までに結婚して子どもは2、3人、何があっても必ず添い遂げるというのが一般常識だった。恋愛でもお見合いでも、そういう道をいくものだと思っていた。

だから、なんの疑いも迷いもなく結婚した。6歳下の夫にとっては、22歳で結婚することは、晴天の霹靂だったと思うけれど、28歳の私にとっては28歳で結婚することは、ごく普通のことだった。

それから24年、いろんなことがあったけれど、私たちは支え合って生きてきた。夫婦だったと思う。

でも、最近すれ違うことが多くなった。子どもが巣立っていったこともある。子どもという共通の守るべきものが独り立ちし、お互いひとりの時間と自分の守りたい価値観ができた。自分が夫を男性として見れなくなったことにも、自分が女性として見られていないことにも気づいた。

夫が、遠くなった。

結婚ってどうですか。と聞かれれば、「いいですよ。ぜひ結婚してください」って言える。それだけ、私は結婚して幸せな時間を過ごした。

でも、今の私たちは、家を運営する共同経営者というだけで、夫でも妻でもなく、男と女でもない。いつも、好き勝手な方向を見ていて、時々相手が見えなくてぶつかったり迷子になってしている。それは、寂しい。

そんなことを考えながら寝落ちしてしまったら、ケンジの夢をみた。『きのう何食べた?』のケンジだ。(知っている人が多いと思うので、説明は省くけれど、知らない人はこちらをどうぞ)

ドラマの中で、シロさんに指輪をもらって超幸せなケンジ(内野聖陽)の顔が、夢の中で何度もリピートされて目が覚めた。

ドラマの中で、シロさんがケンジのためにご飯をつくって、ケンジが「美味しいね」って言って食べる。そのなんでもないホームドラマのようなシーンが好きだった。シロさんとケンジは夫婦じゃないし、男と女でもない。そして、お父さんとお母さんでもない。でも、相手を愛おしく思い守ろうとする想いは、夫婦以上のパートナー(恋人)だと思う。

「夫婦だけが、パートナーじゃないよ」って、ケンジが教えてくれているのかなって思った。

結婚という型にはまって夫婦となった私たちは、これから先どんなパートナーになっていくんだろう。

思いやりは忘れたくないな。
小さなことでもいい。笑い合える瞬間があるといいな。
そして、できるなら、恋人としての時間をもてるといいな。

そう思いながら、昨日からNetfilixで『きのう何食べた』を観ている。

豚の生姜焼きが、食べたくなった。



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