宇津保物語を読む6 嵯峨院(仲頼抄)#3
仲頼恋に悩む 妻親元に行き母に諭される訳
仲頼は、うわの空で家に帰って5、6日は頭も上げずに思い悩み寝込んでいたが、つらくてつらくて仕方がない。無二の美人と思っていた妻も、あて宮の前ではものの数ではなく、妻に片時も会えなければ恋しく悲しく思っていたことも、今ではこうして目の前に向かい合っていても、目にも入らない。この先どうなってしまうのか、何もかもまったく解らなくなってしまっていると、
妻「どうしていつもになく思い詰めた顔をなさっているの」
という。
仲頼少将は
「あなた