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宇津保物語を読む

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宇津保物語を訳しながら読んでいきます。
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#国語がすき

宇津保物語を読む9 内侍のかみ#2

正頼、帝と東宮の御前で年内の節会を語る訳  こうしているうちに、上達部や親王たちなども…

久逸文庫主人
5か月前
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宇津保物語を読む8 あて宮#8

仲澄、あて宮に贈歌し絶命 あて宮の悲嘆訳  さて、侍従の君(仲澄)も、あて宮が入内なさ…

久逸文庫主人
7か月前
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宇津保物語を読む8 あて宮#6

庚申の夜、あて宮東宮や所々に贈物をする。 東宮をはじめ殿上人たち、雁の歌を詠む 前段に続…

久逸文庫主人
7か月前
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宇津保物語を読む8 あて宮#5

仲頼、木工の君に失意の心を訴え出家する訳  源少将(仲頼)は、あて宮付きの女房、木工の…

久逸文庫主人
7か月前
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宇津保物語を読む8 あて宮#4

実忠も悶絶涼、仲忠、入内の御送りに参る訳  源宰相(実忠)も、あて宮の入内を聞き気絶し…

久逸文庫主人
8か月前
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宇津保物語を読む8 あて宮#3

仲澄、あて宮に会い、歌を詠んで悶絶する訳  さて、話はまた仲澄の侍従にもどる。  人々が…

久逸文庫主人
8か月前
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宇津保物語を読む8 あて宮#2

入内の準備 仲忠、豪華な品々と歌を贈る訳  さて、あて宮の入内の日が近くなった。調度品や装束を美しく準備なさり、供人には女房40人が従う。女房たちはみな四位か宰相の娘であり、髪は背丈にあまり、身長もほどよく、文字や歌、琴の演奏に優れ、人との応対もそつのないものばかりである。年齢は20歳あまり、唐綾の唐衣を着て並の絹の衣装などは決して着せてはいない。それがすべて赤色で統一している。  女童は6人従う。五位の娘で15歳以下。容姿も芸事も大人並み。装束は唐綾の唐衣に赤色の五重襲

宇津保物語を読む8 あて宮#1

「あて宮」は菊の宴に続く巻です。 この巻はあて宮の婚儀とその後の親王誕生までを描きます…

久逸文庫主人
8か月前
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宇津保物語を読む7 菊の宴(実忠抄)#4(終)

実忠、妻子と気づかず、歌を贈答して帰る訳  お二人(実忠・仲忠)が家の近くにお立ち寄り…

久逸文庫主人
9か月前
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宇津保物語を読む7 菊の宴(実忠抄)#3

前回からの流れ 実忠は、それでも性懲りもなくあて宮へと歌を贈り続けます。いつまでたって…

久逸文庫主人
9か月前
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宇津保物語を読む7 菊の宴(実忠抄)#2

実忠、真砂子君の死を知り悲しむ訳  源宰相(実忠)は、真砂子君がなくなったことも知らず…

久逸文庫主人
9か月前
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宇津保物語を読む7 菊の宴(実忠抄)#1

菊の宴のあらまし「菊の宴」は「吹上下」に続く章段である。東宮主催の菊の宴から、大宮主催…

久逸文庫主人
9か月前
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宇津保物語を読む6 嵯峨院(仲頼抄)#4(終)

忠保、仲頼の病因を尋ね、娘を諭す訳  翌朝、父(忠保)は少将(仲頼)の部屋に行って、 「…

久逸文庫主人
10か月前
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宇津保物語を読む6 嵯峨院(仲頼抄)#3

仲頼恋に悩む 妻親元に行き母に諭される訳  仲頼は、うわの空で家に帰って5、6日は頭も上げずに思い悩み寝込んでいたが、つらくてつらくて仕方がない。無二の美人と思っていた妻も、あて宮の前ではものの数ではなく、妻に片時も会えなければ恋しく悲しく思っていたことも、今ではこうして目の前に向かい合っていても、目にも入らない。この先どうなってしまうのか、何もかもまったく解らなくなってしまっていると、 妻「どうしていつもになく思い詰めた顔をなさっているの」 という。 仲頼少将は 「あなた