宇津保物語を読む9 内侍のかみ#9
帝、仲忠をお探しになる。涼、藤壺に参る訳
帝は右大将(兼雅)に
「仲忠の朝臣にぜひ会いたいことがあるのだが、どこにもいないということだ。そなた、居場所を知らんか。」
右大将「たった今までお仕えしておりましたが、帰ったのでしょうか。どこにもおりません。」
帝「それならば、呼び戻せ。」
右大将「退出したとしても、どうも見当たりませんで。不思議にも消え失せたようでございます。涼の中将もご同席のようですが、もしや琴の演奏をご所望だったのでしょうか。さてはそれを察して逃げ隠れたの