見出し画像

【第56話】秋の信州ツーリング④ 清里へ登ろう

こんにちは。
2018年10月、秋の信州ツーリング。
第二弾となる今回は、標高1400mの清里高原を目指すべく、山梨県北部・小淵沢へとやって来ました。
土曜夜に前日入りということで、麓にある道の駅 信州蔦木宿で野営。今日はここから780mほどアップして、目的地へと向かいます。
さて、どんな景色が待っているのでしょうか。

▼前回のおはなし▼

八ヶ岳高原ラインを登って

AM5:30。道の駅で迎える朝。ここでもすでに標高700mあり、明け方の冷え込みは尋常じゃなかった。テントから外へ這い出ると、凍りつくような冷気に襲われる。後輩(相棒)が持って来てくれたバーナーセットで簡単にホットドリンクを作り、体を温めたところで出発だ。清里高原までは県道11号、通称「八ヶ岳高原ライン」で道なりに行ける。県道を走り出すと間も無くして、山里らしい棚田の風景が広がった。標高が上がるにつれ森の中へ入っていき、木々のトンネルの道が14㎞ほど続いた。心地よい秋の陽気と愉快な相棒のおかげで、結構な登り坂も思ったほど苦行ではなかった。走り始めて3時間、視界が開くと目の前に牧場が広がった。清里高原、到着だ。

駐車場の近くにこっそり(?)テントを設営
県道11号の登り始め。麓には棚田が広がる
八ヶ岳を進行方向に望みながら、八ヶ岳高原ラインを登っていく
牧場の駐車場からでもこの見晴らし!

清里高原とは?

清里高原は八ヶ岳連峰の南東麓に位置する標高1200mの高原。一帯はリゾート地になっており観光施設や展望所が点在しているが、景色も食事もオールラウンドに楽しめるのが、ここ「山梨県立まきば牧場」。富士山や南アルプスを見晴らす広大な牧場に、羊やポニーがのびのびと放牧されている。レストランもあるので休憩にはぴったりだ。まだ午前10時だったけど朝食もろくに食べていなかったので、お昼ご飯としよう。これだけ充実した施設にも関わらず、入場料が不要なのも嬉しい。

「まきばレストラン」のオムライス1320円
芝生広場
ショーンみたいな羊たちの姿も

清里に架かる「赤い橋」

牧場を出発して県道11号を600mほど進んだところで、渓谷に架かる橋に差し掛かった。橋を渡り切ると車30台ほどの駐車場があり、そこには「東沢大橋展望台」の文字が。どんな景色なんだろうと階段を登り展望台に立つと、その全貌が明らかに! 長さ90m、高さ48.9mの赤いアーチ橋が渓谷に架り、その背景には険しい八ヶ岳と鮮やかな紅葉が広がっている。山梨という近隣県でここまでの眺望が見られるのは感動だ。この感動に満足したのか、相棒は「予定がある」と言って離脱していった。ちなみに、この展望台から3㎞もしないでJR清里駅へ着けるので、輪行でのアクセスも容易だ。一人になった私は、1人でリゾート観光する気にもならないので下山することにした。登りとは異なるルートがあり、こちらもなかなかの絶景道路らしい。

赤い欄干の東沢大橋。歩道もあるが柵が低いので、下手したら落ちる
圧巻の一枚絵。2018年当時、橋は改修中だったようだ

足元に隠れた「黄色い橋」

山梨県道28号、通称「清里高原道路」。もともと有料道路だったこともあり、稜線を無視した橋梁で結ばれているのが特徴。そのため登りで通った県道11号と比較すると、視界を塞ぐ樹木は少なく見晴らしは抜群だ。東沢大橋(赤い橋)から標高200mほど下ったところで、今度は黄色い橋に差し掛かった。八ヶ岳高原大橋と言い、高さ100m、全長490mということで、赤い橋と比べても圧巻のスケールだ。ただし、橋の上からは黄色い塗装は見られず、赤い橋のように展望台から真横から眺めるということはできない。なお、キムタクが「やっちゃえ」と言いながら車を走らせているのは、この橋である。この後は特にみどころのない道が続き、あっという間に山麓の町へ下りてきた。あとは国道141号・20号を爆走して甲府駅を目指すだけだ。

八ヶ岳高原大橋の手前にあった橋(名称不明)より。八ヶ岳のパノラマが広がる
八ヶ岳高原大橋にも展望所が設けられているが、橋があまりにも巨大なため全貌を把握するのが難しい
国道20号を甲府方面に進んでいる時は、だいたい進行方向に富士山が見える

下り基調の道の後押しもあり、約18㎞の距離を50分ほどで快走。甲府駅前に到着し、帰りの電車をチェック。特急あずさが10分後に発車するらしい、これは乗れるだろうか……、いや乗ろう!解体した自転車を袋にブチ込むのは僅か40秒。ドーラも納得の超スピードで支度し、乗車券・特急券を入手、そのまま特急車両へ乗車。清里駅で途中棄権した相棒に追いつく大逆転劇を遂げたのでした……。

清里高原は秋空のおかげもあり、素晴らしい景色を拝ませてくれました。電車での移動を考えると2日は欲しいですが、実質1日で登って降りれるので、手軽なサイクリングコースとしてはかなり満足度が高いです。小淵沢駅まで新宿から特急なら2時間と好アクセス。紅葉の見頃は10月上旬~11月上旬なので、みなさんもぜひ足を運んでみてください。

それではまた!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?