【第63話】走れ宮崎! 日南フェニックスロード!!①
こんにちは、旅する自転車です。
2019年3月末に有給を取得し、2泊3日の南九州ツーリングへ出発しました。前半2日間は鹿児島県の大隅半島を走り、本土最南端の佐多岬へ。無事に到達できたものの物理的に自力では戻れず、バス輪行という強行手段で宮崎県へと帰ることができました。
そして迎えた3日目。宮崎県南端の街・串間から宮崎空港へ向かって北上します。今回の見どころは何といっても日南海岸! 2日間かけて佐多岬なんて訪れてみたけど、もはや最終日を盛り上げるための前座に過ぎません。南国風情たっぷりの海岸線を走りながら、宮崎県の魅力を発掘したいと思います。それでは、レッツゴー!
▼前回のおはなし▼
ところで日南海岸てどんなところ？
宮崎市南部から鹿児島県串間市にわたる海岸線で、青島、サンメッセ日南、鵜戸神宮といった景勝地・観光地が多く点在。宮崎県南端にあたる都井岬から宮崎市を結んだ区間は“日南フェニックスロード”の愛称が付けられていて、知る人ぞ知るツーリングコースとして旅人に親しまれている。総延84㎞にも及ぶロングルートは場所によって大きく表情を変えるが、全体を通して見られるのは名称の由来にもなっているフェニックス（ヤシの木）だ。太平洋を間近に望みながら緑も楽しめる、南国情緒満載の道路だそう。絶景道路を走りつつ、随所に点在する名所もしっかり観光していきましょう！
宮崎県最南端、都井岬へ
南九州を走り始めて3日目の朝がやってきた。串間のビジネスホテルを出発したのは朝6時。すでに陽は昇り、雲一つない青空が広がっていた。まずは国道448号で南東へと向かい、本日1つ目のみどころである都井岬へ。都井岬のゲートまでは16㎞350mアップとちょっとした山越えにはなるが、この晴天のおかげで朝のウォーミングアップにはぴったりだった。出発して2時間程でゲートへ到着。そのまま県道36号を進んでいくと、目線の先に小高い丘が飛び込んできた。芝に覆われた斜面には、何か茶色い動物が動いているのが見える。馬だ。都井岬には馬が放牧されているようだ。自転車はその辺に放り投げ、丘の上で気ままに草を食べる馬をレンズに収めた。そしてもう一つのみどころは都井岬灯台。海岸線特有の激しいアップダウンを抜け、岬の突端へと向かった。灯台の上から望む朝の海は、とても清々しい風景だった。
日南フェニックスロード、はじまる
都井岬を通る県道36号は総長6.8㎞と地味に距離が長く、おまけにアップダウンも200mほどある。灯台へ行ったは良いものの同じ道を戻ってこなくてはならないので、トータルで結構な時間を費やしてしまった。そんなこんなで再び国道へ戻ってくる頃には既に10時を過ぎていた。ここからは海岸に沿って国道448号をひたすら北上していく。右手に、広がる日向灘は、太陽の光を浴びて鮮やかな青色に輝いている。心地の良いアップダウンを繰り返す度に、景色はどんどん変わっていく。曲がりくねった道を進んでいくと、沿道にはヤシの木が見られるようになってきた。まさに「日南フェニックスロード」を走っている。そこには道の他に人工物はなく、潮風を受けて穏やかに揺れる草木と雲ひとつない青空、そして空の青さを映した海原だけが広がっていた。しばらく走っていると、集落が見えてきた。久しぶりに建物を見た気がする。ここでとんでもない看板を見つけてしまう。「この先全面通行止」。何でこんなことばっかり……。
空腹からの猛烈な便意
“規制と補償はセット”。一時期よく聞いたフレーズだ。これと同じように、通行止めがあるということは迂回路も用意されている。看板に従いながら迂回路を進んでいくと、何の面白みもない内陸の山道へ案内されていった。峠を越え港の小さな集落に差し掛かると、丁度いいタイミングで食事処を発見。もう12時、お腹も空いたしお昼にしよう。地元住民たちで賑わう定食屋で、何の名物でもないカツ丼を注文。結局これが一番ウマい。大盛りご飯でお腹を満たし、再び走り出した。押し寄せる便意と戦いながら海辺の坂道を登ると、目の前には街が広がった。この先は日南の市街らしい。コンビニのトイレで用を済ませながらスマホを確認。現在13時過ぎ。東京行きのフライトは19時30分、ということは18時30分には空港に着いていたい。宮崎空港まではここから44㎞ある。果たして間に合うだろうか……。
ということで、日南フェニックスロードを走りましたが、当然まだ終わりではありません。ここからは国道220号を北上しながら、鵜戸神宮や青島などの景勝地へと向かいます。
迫り来るフライトの時間、待ち受ける月曜日。果たして、無事にフェニックスロードを走破し、宮崎空港へゴールを果たすことができるのでしょうか！？
つづく。
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