心の傷をきちんと治すということ
第105回高校野球選手権、慶應義塾高校が優勝。
清原和博さんの息子さんがベンチ入りして代打にも立ち、観客席は大いに沸いた模様。
清原さんの元奥様、亜希さんの明るさ、大らかさ、オトコマエな雰囲気が好きでインスタグラムをフォローしている。
あのお弁当はすごいんだわ。
息子さんはあのボリューミーな美味しそうなお弁当を食べて、すくすくと育ったのね。
清原さんが覚醒剤違反で逮捕された時、その前から穏やかでないスキャンダルも流れてきていて、あららどうするのかしら、プロ野球選手はモデルやアナウンサーと結婚することが多いけれど、相手がプロスポーツ選手だからと気を許さないで、やっぱり人間はよく見なきゃね・・なんて失礼なことを考えたものです。
綺麗だからちやほやされて、口説かれてしまったのだろうけれど、なんて。
程なくして離婚が発表され、そりゃそうよね、薬物じゃね・・、なんだか反社の人みたいに見た目も怖くなってるし、DVの噂もあり、怖くて一緒にいられないよね、お子さんたち慶應??どうするの??・・って、私が心配することじゃないのに興味本位で遠目に見ておりました。
あの頃は、亜希さんをよく知らなかった。
ツンと澄ました綺麗なモデルさん、としか。
しかし、ここ数年、豪快に笑う亜希さんや、亜希さんが作るどでーんと大胆なお弁当の画像をよく目にするようになり、あれ?ちょっとイメージしていたのとは違うかも?と思うように。
愛し合って、信じて結婚した人が、裏切りだったり暴力だったり薬物だったり。
どれほど辛かったかわからない。
表舞台から消えて、陰でシクシク泣いていても、誰も責めることはできない。
腫れ物に触るような、ちょっと触れてはいけないような事柄のように感じていたのに、当の亜希さんのたくましいこと!
モデル名を清原亜希から亜希にしたときは、そうだよね、清原なんてもうやだよね、と思ったけれど、そうではなかったみたい。
息子さんたちには清原さんの悪口を一切言わず、清原さんが薬物依存症の治療を受けるにあたり、ずっと支えていた様子。
今ではマネージャーのようなこともしているとインスタで仰っていたような。
信頼するカメラマンに親子で撮ってもらった素敵な家族写真も公開された。
ご長男は、清原さんが逮捕されたショックから一時期野球から離れていたようだけど、今は大学の野球部にいる。
そして次男の勝児くんは、甲子園優勝メンバーに名を連ねた。
「あの清原の息子」と言われることに負けず、しょっちゅう押しかけてくる報道陣にもめげず、自分の好きなことを貫いた。
大男三人を強靭な力で支えたのは、紛れもなく亜希さんだろう。
正に大黒柱。
清原さんの転落を思う時、あの一件を思い出さずにはいられない。
清原さんが高校球児だった頃、岸和田生まれなのに巨人が大好きで、口を開けば巨人に行きたい、巨人に行きたいと言っていた。
私の年代ならみな覚えているだろう。
彼の甲子園通算本塁打記録13本は未だに破られていない。
清原さんと並んでPL学園を引っ張ったのが投手の桑田真澄。
清原さんと違って桑田さんは、「大学に進学する」と主張していた。
進学するので、プロには行かないと。
なのにだ。
いざドラフトの蓋を開けてみたら、桑田さんの発言を尊重して指名を回避する球団がほとんどだった中、巨人だけが桑田さんを一位指名した。
そして、あれほどプロには行かない、大学に行くと言っていた桑田さんは、あっさりと巨人入団を決めた。
一方、指名権争いに阪神が敗れ、西武に指名された清原さんの、あの憔悴し切った姿は今でも目に焼き付いている。
あの時、間違いなくプロ野球界の大人たちは、というか、巨人首脳団は・・なのか、ただただ野球が好きで、才能にも恵まれ、純粋に巨人に憧れていた少年の心を著しく傷付けたと思う。
巨人巨人と言い続けていた清原さんを横目に、するっと巨人入りした桑田さんの心持ちは私にはわからないし、桑田さんに対して清原さんが何を思ったかもわからない。
ただ、あの出来事は、第三者の私でも、脳天を殴られたような、えっ、嘘っ!なんでそうなるの?という衝撃を受けたことは事実だ。
俗に言う『KKドラフト事件』と、その二十数年後に起きた薬物事件が関係しているとは言わない。
亜希さんによると、清原さんは選手を引退した後、鬱症状やアルコール依存にも悩まされていたようだ。
心に何らかの異常が生じたとき、大切なのは少しでも早く専門家の診断を仰ぐこと。
それも、その辺の町医者ではなく(町医者がだめというわけではない)、本当に本当に正確に、丁寧に診断してくれる医師のもとへ行くべきだ。
というのは、noteのある記事を読んで知ったのだが、精神科専門の大きな病院は、診察に入る前の問診がものすごく細かいらしい。
そんなことまで聞くの?というような。
親から虐待されたことはないか。
学校でいじめられたことはないか。
今現在の症状には関係ないように思えることでも、とにかく全て細かくチェックしていく。
幼少時の経験は特に大切で、というのも、子供の頃に受けた心の傷は、いつ何時、何がきっかけになって、どういう形で現れてくるか予測がつかないからだそうだ。
私はこれまで、神経性頻尿になるたび(今も治ってない)、強迫観念が強くなるたび、鬱っぽくなるたび、精神科ないし心療内科を訪ねてきた。
診てもらった医師は8、9人ぐらいか。
学会誌やホームページなどで何となくよさそうな人を当たっていったわけだが、どこも個人クリニック。
そして、noteで目にしたような事細かなリサーチは行われたことがない。
一般的な問診や心理テストのみ。
子供の頃の経験や親との関係なんて聞かれたことがない。
私はずっと、自分のメンタルの弱さや強迫症状、或いは鬱になりやすさと「それ」は「関係ない」と思っていたのだけれど、小中高、そして大学、社会人になってからも、妬みや僻みで嫌な思いをしてきたことは事実で、私には何の影響もない、だって言われたことは事実じゃないから、単なるあの人たちのやっかみだから、と思ってきたけれど、そんなはずはないのだ。
ふつうに考えて、教室に入って、クラスの女子の誰一人、私と話をしない。口を開けば悪口。嫌がらせ。冷たい目。
それで心が傷付かないはずはないのだ。
私は未だにあの頃の自分の心の手当てをしていない。
幼少時の経験や、母親に言われたひどい言葉などを一つ一つ拾って確認して、それらに意味付けをして、私自身が納得する。
納得した上で葬り去る。
そういった作業が必要なのかもしれない。
一緒に歩いてくれる精神科医がいればな・・と思う。
清原さんは、一度手を付けたら本人の意思ではどうにもならないという薬物依存から、きちんと専門家の手当てを受けて更生した。同時に、若い日の心の傷も癒してあげたのだろうか。余計なお世話だけれど。
とてもたくましく、人として真っ直ぐに育っている二人のお子さんと、素晴らしい肝っ玉かあさんの亜希さんと共に、これからの人生をますます輝かしいものにしていって欲しいと、亜希さんファンの一人として祈っている。
別れても、素敵な家族の形だな。亜希さん、リスペクト。
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