ChatGPTがポンコツではなくなりつつある話
最近話題となっている、AIを用いたチャットツール「ChatGPT」。文章を生成する点では優秀な反面、分野によっては適当なことをいいがち、という記事をこの間書きました。
ところが、前回から1か月も経っていない段階で再度似た質問をしたところ、精度がかなり向上していることが判明しました。
ちなみに、前回の質問と回答はこれです。
そして、今回の質問と回答はこちら。
目を見張る成長ぶりに驚かされます。年代が少々怪しいですが(邪馬台国の中国の史書での記述は、『晋書』の3世紀の西暦265年が最後)、人間に笑われるような水準は脱しました。
別の質問もやり直してみます。前回は、「日本における南北朝時代はいつ始まりましたか」と訊きました。
1か月前の時点では、日本史・中国史・朝鮮史の区別がついていなかったChatGPT。今回はどれほどの成長を見せつけてくれるのでしょうか。
きちんと「日本の」南北朝時代と認識しただけでなく、足利尊氏や義満、後亀山天皇などの人名も拾えるようになりました。
細かい点は誤っていますが…。下記の点はフィードバックしておきました。
今回は、試しに近代史についても聞いてみました。
基本的な要点を抑えることができており、素直に感心しました。ChatGPTは近代史が得意なようです。
問題は、偏った考え方を教え込まれないか、ということです。意地悪ですが、わざと下のような聞き方をしました。
「ありがとうございます。その指摘は正しいです」と相手の機嫌を取りつつ、「この考え方はアジア諸国からの支持を得られなかったり、自身がアジア諸国を支配することになるなどの問題が生じたため、結局は失敗に終わりました」と、安全運転をしています。この回答がもたらされたとき、私は非常に驚きました。
前回の記事で、私は「実在の人物や国、企業についてもっともらしい誤りを書いたり、ありもしない出来事などをでっち上げたりしそうで、正直心配になります」と書きました。しかし、陰謀論や歴史修正主義、ヘイトスピーチ等への最低限の対策はしてあるとみてよさそうです。
人工知能は、果たしてどこまで進化するのでしょうか。さらに楽しみになってきました。
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