それは130年前の仮説です！〜骨のズレについて考える①

バキバキ！！
「はい！ズレが戻りました」
「本当ですか？」
・・・よくある日本の整体の風景です。

カイロプラクティックをはじめ、古今東西の徒手医学に対する最大の誤解は「骨がズレる」という概念です。
ズレている骨をバキッと矯正するのがカイロプラクティックだ、というイメージが定着しているようですが実際、日本ではカイロ、整体に関する医学的な教育がなされていないため、カイロと看板をあげて開業している方でさえ、多くは骨はズレると信じ込んでいるようです。

が・・・

「骨がズレてます」は大昔のお話です！
医学的な根拠はありません。
また、椎間板ヘルニアに関しても、今日世界的には「医学的根拠なし」と烙印が押されています。

今から約130年前、カイロプラクティックはズレた背骨を矯正するという仮説からスタートしました。
前世紀初頭の当初は「骨の不整列をアジャストメント（矯正）して、自然治癒力を高める」というコンセプトが受け入れられたかもしれません。しかし、それはレントゲン診断のスタートから遡ること１０年前のお話なのです。
仮説は仮説・・・そして今も仮説のままです！
その後、数十年にわたる度重なる科学的な研究からも「骨がずれる」ということは今日まで解明されておりません。換言すれば「骨のズレと痛み（症状）の関連性が発見されない」ということなのです。

それをバキバキとやってズレが戻っている錯覚に陥っていますが、あのバキバキは骨の音ではありませんよ。
よく「骨盤のズレが原因で・・・」という話を耳にしますが、「では何で骨盤がずれて痛いの？」という素朴な疑問に対して医学的に明確な回答はありません。
「姿勢が悪いから骨盤がズレるんだよ」
これもよく聞く、強引な論理ですね。

ちまたで骨盤矯正や姿勢矯正と称したものがたくさんありますが
「どうして痛いんですか？」
「骨がズレてるんです。」
「どうして骨がズレるんですか？」
「姿勢が悪いんです。」
「どうして姿勢が悪くなるんですか？」
「骨がズレているんです。」
「どうして骨がズレるんですか？」
「姿勢が悪いからです。」
・・・
漫才のようですが、よく聞く話です。
結局は骨盤のズレも姿勢も原因ではなく結果に過ぎないのです。

カイロプラクティックも発端はズレの矯正であったようですが、百余年の歳月を経て医学としての成長を遂げました。
今日では欧米で医学としてのカイロプラクティックが大学の医学部の教育として当たり前になっています。
いつまでも１３０年前の仮説を信仰していてはいけません。
もう一度、言います。
「骨はズレません！」
本当の原因を探しましょう！
身体のこと健康のこと不調のこと、お気軽にご相談ください！

（株）ニューログリア脳神経科学研究所
代表取締役　小林昌彦
オーストラリア王立メルボルン理科大学医学部卒業
スリランカ国立アンパーラ病院にて神経内科医として勤務
現在自然医学の治療院として、古代インド医学アーユルヴェーダ、東洋医学、古代インディアン医学などを研究統合して実践しています。
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