レコーディング日記㉚信頼関係の構築の先にある「商店街」の様な関係
梅雨も明けたのかがわからないくらい猛暑日が続く東京です。
皆様も熱中症には十分にお気を付けください。
先日、音響コンサルタントの依頼を頂きました。
数か月前、お店のリニューアルに伴い音響機器を見直すということで、
アドバイスをさせて頂いたオーナー様からのリピート案件です。
Rocky
五反田駅から徒歩で7分、飲食店の入るビルの9階にある老舗のライブバーです。
以前のオーナー様が始められて以来、20年間も続く地元に愛されるお店です。
前オーナー様が1つ1つ機材を増やし、ステージを作られたとお聞きしました。
その前オーナー様もお年を召され、この春にお店を今のオーナーに継承されました。
その際にご縁があり、お店のリニューアルに合わせて音響機材を使いやすくしたいとご依頼を頂きました。
クライアントのニーズを掴む
機材プランを新しくするに当たり、やはり大事になるのは「どんな風に使いたいのか」という事です。
以前の記事でも書きましたが、自分自身がハウスエンジニアとして、
毎日お店で機材を操作するのであれば、自分が使いやすい様にプランを組みます。
しかし、実際に使うのはお店のスタッフさんです。
しかもライブハウスとは違い、機材オペレートをしながら接客をしたり、
日によってはオーナーが機材のセッティングをするのです。
だからこそ、機材に詳しくない方でも使いやすいプランを組む必要がありました。
さらにもう1つの条件として「予算を抑える」ことを意識しました。
オーナーには「必要なモノは言って」と言って頂いていましたが、
リニューアルで手探りも多い時期な上、実際にオープンしてから「こうしたい」などのイメージが出てくる可能性があります。
ここで作り過ぎると、後の変更が難しくなると思い、まずは「今ある機材を整理して使う」事にしました。
もちろん「こういう事もできる様にしたい」という要望も頂いていたので、
その為の機材は追加しました。
そして配線を整理し、できるだけ操作しやすく、ステージでもプレイしやすい様にバランスを取りました。
そして4月に無事リニューアルオープン。
初ライブができた時は一安心でした。
リピートを頂ける事への感謝
そして今回、更に機材を新しくしたいという事でご依頼を頂きました。
リピートを頂ける事は感謝でもあり、信頼して頂けているという証だと思います。
その信頼にしっかりと答える必要があります。
早速お店へ向かい、ヒアリングをさせて頂き、さらに実際のライブを見ながら、新しい機材プランのイメージを固めます。
実際にライブをしている中でこそわかる、プレーヤーの動きや求められる機能があります。
これは机上で考えるよりも、遥かに効果的かつ重要な工程だと思います。
ライブの時になって「あれがない」「これができない」となってはお店にとってもプレイヤーにとっても致命的です。
現場にいる事の重要性を常に感じます。
持ちつ持たれつ
一通りヒアリングも終わり、ライブも1stステージが終わりました。
実はライブを見ながら、そのお店で夕食を取りました。
もちろんお客さんとしてです。
リニューアルで新しくキッチンスタッフが入り、メニューも変わりました。
新作があるという事で早速オーダー。
チキンの中からチーズが溢れ、バケットに良く合います。
さらにハイボールで合わせる。
お酒と音楽に揺蕩う時間は至福でした。
コンサルのご依頼を頂いたオーナー様のお店で、逆にお客さんとして過ごさせて頂く。
こうした持ちつ持たれつの関係が、私の理想です。
イメージは商店街の様な人間関係の構築。
同じ商店街仲間のお店で、お互いに商品を買ったりサービスを利用する。
「おまけしとくよ」と言い「今度はうちのでサービスするね」と返す。
そんな関係ができると、人としてのつながりを感じられると思うのです。
これからも、クライアントとエンジニアだけではなく、人として繋がっていけるよう、信頼に答えていきます。
ではでは☆
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