旅の風景🇮🇳2人のインド人女性との一生忘れられない出会い・その①
旅の風景
インド🇮🇳プリー
1993年
【世界一周旅行記】
僕のインドデビュー戦は“コルカタ''ではなくカルカッタだった。時は1993年。
インド人の方々によって、いい意味で身も心もズタボロにされて洗礼を受けていた僕は、ゲストハウスに戻り一人うなだれていた。
そこへ、インド慣れした先輩パッカーがやって来て
『プリーでも行って海でも見てきたら』
とアドバイスをくれた。
プリー?よく分からないけど行ってみる事にした。
ベンガル湾に面した穏やかな所らしい。
こうして、僕はプリー行きの列車に乗った。
そしてこのカルカッタ発プリー行きの列車で、一生忘れられない''2人のインド人女性との出会い''があった。
僕の座席の前に座ってきたのは、16〜17歳ぐらいの女学生で、サリーを身に纏った可愛らしい感じの2人だった。インド人の女性と話すのは人生初。今までは、散々カルカッタの野郎どもとバトルしてきたが全部オトコ。それも受動態ばかり。疲れ果てていた。
清楚な笑顔の2人と僕は、プリーまでの8時間、お互いの事を色々と話すようになり、次第にうち溶け会話に花が咲いた。
僕は初めてのインド。
全てに驚き身振り手振りでアレやコレやとカルカッタでの数々の出来事や日本という国について必死に能動態で話していたと思う。
一方、2人組の女の子からの話しは、だんだんと私に心を許してくれたおかげなのか、びっくりする話しに展開していった。
『私たち、実は、2人で家出してきたの…』
1人がポツリと話し始めた。
始めは、よく理解できずにいたが、でも彼女たちは丁寧にインドという国の女性の立場を僕に教えてくれた。というかこの目の前の見知らぬ外国人に聞いて欲しかったのだろう。
・2人は学生で普段は学校に通っている事
・ただいつも自宅との往復だけでどこへも行くことは許されず、つまらない人生をおくっているものである事
・インドの親は一様に厳しく、女性はとにかく花嫁になるのが幸せで自由がなくいつも監視される事
・自由恋愛など絶対ダメで、嫁ぐ家も全て家同士が勝手に決める事
・女性の意見など認められず全く蔑視されている事
まとめるとこんな話しだった。
で、思い切って2人で家を飛び出したらしい。
どうしようもなくやり場も無いけど、家を飛び出したら何かが起こると思ったが、でもまた家に戻る事になるわ、と寂しく語っていた。
こんな話しをしていると、列車はあっと言う間にプリー駅に着いてしまった。僕たちは、そこで分かれ、そして僕はザックを背負い安宿を目指した。
何だか、インドの現実を知ってしまい、やりきれなさと切なさで気持ちが覆われ、僕はこんな旅をしていていいのか?なんて思ってしまい心が重くなってしまった。
そして翌朝目が覚めると、ベンガル湾の朝日でもみて気分を変えようと思い、ビーチに向かった。
ところがなんと、そのビーチには、昨日のあの2人の女学生が、波打ち際で朝日を浴びながら、はしゃぎながら散歩をしている所だった。
思いがけない形で、再会した僕とそのインド人学生2人…
to be continued
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