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#1969年
『広域暴力 流血の縄張』(1969年・日活・長谷部安春)
ドスを呑込んだダボシャツ姿のアキラが、新宿歌舞伎町を彷徨う。望遠レンズで捉えたキャメラが、ナマナマしく1969年の新宿を行き交う人を映し出す。血まみれのダボシャツ。剃り込みの入った額。全身から発散する気迫。まさか、これが「渡り鳥」で黄色い歓声を浴び、スーパーヒーローとアジアで賞賛されたマイトガイと呼ばれた小林旭だと、誰も思わなかったんじゃないだろうか?
どう見ても本職。もちろん周囲にはスタッ
日活ニューアクションの時代〜『無頼』と渡哲也〜
1960(昭和35)年、日活は石原裕次郎、小林旭、赤木圭一郎、和田浩治の四人のトップスターを“ダイヤモンドライン”として命名、彼らの主演作をローテーションで公開する“ピストン作戦”を展開。アクション映画の黄金時代が到来した。ところが1961(昭和36)年には、裕次郎がスキー事故で骨折、赤木圭一郎が不慮の事故で亡くなるというアクシデントに見舞われ、その穴を埋めるために、ダイヤモンドラインに宍戸錠、
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