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顧客経験価値仮説の視点での商品・事業戦略仮説

事業戦略大学(教員1名・生徒無限大)顧客経験価値のための商品企画開発の実践コース第12回


顧客経験価値仮説の視点とは、顧客の感覚、感情、思考、行動、共感(コミュニティ)など顧客の「行動変容」を新しくデザインすることです。新しい商品が購入され、それが使用され続けるということは、その商品の使用が切っ掛けとなり「顧客の行動が変わる」ということになります。「顧客の行動が変わる」と言うのは、顧客の望む感覚、感情、思考(価値観)がある程度満たされ、その結果新たな行動が起こされ何らかの成果が生まれ、さらに同じような体験をした仲間とコミュニケーションし、何らかの共感が生まれるといった「コト」が起こされることを示します。


商品開発において、まずその商品によって達成されるべき顧客の経験価値をデザインしなければなりません。そのためにはまず現在の顧客の経験を把握し、そこで満たされないものを分析すると同時にありたい経験を描く必要がありあります。そのありたい経験が、顧客経験価値仮説となります。ありたい経験価値とは基本的に主観的なものです。主観的なものを把握するというのは、商品・事業開発者自身が主観的に経験価値を味わい、理解することが必須です。それでなければ他社と共有できません。


では実際どのようなことをするべきなのでしょうか。

私はまず会社の社員の方々に、提供する商品・事業をPoC(Proof of Concept)を体験していただくようにお願いしています。その感覚、感情、思考、行動、共感を可能な限り記録し、分析し、そこから商品・事業の経験を伝えたい顧客=ターゲット顧客に対する顧客経験価値仮説を創造します。

つまり商品・事業に関わる私たち自身、社員自身の経験が大変重要なのです。自社商品の経験、体験は大変重要なことです。なぜなら自分が良いとおもった商品・サービスの共感を広げていくことがビジネスそのものだからです。


上記は主にB2Cのケースですが、B2Bでも似たようなことが必要です。

それは法人顧客の経営者の経験価値を想定するのです。企業の経営者は財務的な結果に終われています。まずその財務のあるべき姿を設計します。さらにその財務的な結果を実現するために、その法人顧客の満足や仕事の仕方、業務プロセスのあるべき姿を設計します。さらにその根源になる人組織、経営基盤にも目を配らなければなりません。B2Bの顧客経験価値仮説とは、こうした顧客の経営トップと同じ目線、さらにはそれを超えた目線で創造しなければなりません。

一言で言えば顧客の経営者になりきり、その経営者を超えることです。「そこまでしなければならないのか?」と思われる人もおられると思いますが、どうでしょうか、実際はそこまでやりきることが有望な仮説を企画する王道だと思います。

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