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求められるのは厳しい制約の中での発想

事業戦略大学(教員1名・生徒無限大)「成功する事業コンセプトの作り方コース第1回」


今日から5回シリーズで「成功する事業コンセプトの作り方コース」を始めます。毎日一つ読んで考えれば、必ず力がつきます。内容はきつい内容ですが、ビジネスの現実はこんな感じですよね。

■過剰な″思い込み″が失敗のもと


「ノウハウを持った人材がいない」「追加の設備投資が予想よりも必要となった」「強いライバルが存在した」……など。大企業の新規事業であれ、個人で始めるスタートアップ企業であれ、事業のスタートアップ時の失敗の原因を挙げてみると、いくつかの共通点が見えてくる。それは、事業を企画する初期の段階で、当然ふまえるべき事業の制約条件がしっかり考えられていなかったということである。

なぜ制約条件が考えられていなかったのか。現場で起こっている事実を振り返ってみると、事業のアイデア、事業のコンセプトなど事業機会に対する思いが強すぎることである。


つまり、個人やチームで発想した事業アイデア、事業コンセプトヘの思いが強くなりすぎてしまい、制約条件の存在はわかっていても、それらを無視して企画や計画を進めてしまうという、″後戻りできない″状況に陥ってしまっているのである。

事業アイデア、事業コンセプトヘの思いが強すぎてリスクを顧みなくなるのは、事業の企画作業に入る前段階で事業機会と制約条件について冷静に考えるプロセスがないことが原因であることが多い。

■ 求められるのは厳しい制約の中での発想


一方で、事業の制約条件を企画の初期の段階で検討することを薦めると「事業の制約条件を考えてしまうと、良い発想が出て来ない」といつた声をよく聞く。しかし、事業を開始した後には、予想もしなかつた数多くの制約条件に直面するのが現実である。つまり、事業開始後には、想定よりより厳しい制約条件の環境で、より限られた機会を発見する創造的な発想力、問題解決力が求められるのである。はっきり言えるのは、″真の発想力とは、厳しい制約条件の中でどれだけ創造性を発揮できるかという挑戦だ″という前向きな考えを持って、事業機会や制約条件、前提条件を、事業を企画する初期の段階で検討すべき、ということである。


また、その際、ある特定の機会や制約条件、前提条件だけを見ていて、他の何かが著しく欠けた場合、事業の継続は難しくなる。それを避けるために
は、事業の制約条件、前提条件を考えるフレームを持つことが必要となる。

20200711_事業戦略大学図表第1回

■ 機会・制約条件・前提条件を三つに分類する


では、事業戦略計画を考えるフレームとは何であろうか。図にそのフレームを示した。

まず、大きく体系的に捉えるために、機会、制約条件、前提条件を三つに分類する。

1つ目は、事業の″外部環境条件″。


2つ目は、″内部環境条件″。

3つ目は、事業を行う主体の理念、意思、達成レベル、つまり″目標、ビジョン条件″

図表では、その3つをさらにいくつかの重要な項目に展開している。このような体系に従って、機会、制約条件、前提条件を具体的にリストアップしていくのだ。とはいえ、この段階では、細かなデータや数値はあまり気にする必要はない。具体的な機会、制約条件、前提条件の項目とその内容が把握できていれば十分である。

20200711_事業戦略大学図表第1回②


さらに、その機会、制約条件、前提条件から、主にどのようなリスクとリターンがあるのかを簡単に把握し、重み付けをしておく。それらは、事業コンセプトを評価する際の重要な視点にもなるからである。

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