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北海道で日活を遠目に感じていた記憶と、日活アニメの基本スタイルを崩していない匂いを感じる今季のアニメ、といえば「ビステマ」だ。

昔はアニメイト札幌がイベントをよくやっていたアポロスクエアは
大体ラーメン横丁の上にあり、かつては吉野家と松屋が牛丼屋の
隣同士で並ぶようなスポットでもありましたが、東豊線が出来る
前は南北線のすすきの駅からえんえん歩いて中央寺に御参りへ
行く、といふことがしばしばありました。

そんなビルから信号を渡った向こうの角にあったのが、かつての
札幌日活劇場。末期はロッポニカ札幌(1988-1991)で、当時の
「札幌青春街図」(亜璃西社)には客席544とある(p218)。

それも長くは続かず、1993年に倒産した日活のアオリを受けて
支援したナムコ、って構図もあり(ナムコグループ入りは1996年)、
そこ(南4条西3丁目)はプレイシティキャロットになっていた。

早い話ゼロ年代以降他方だと日活系の映画館はシネ・リーブル
として残されているケースがままあったけど、一足先に
北海道では東宝プラザになった方の地獄も含めて日活系の
映画館は絶滅していたと。
 プレイシティキャロットがあったところも売却されて
今はホテルが建っているんだっけ。


ロッポニカ札幌跡はゲーセンを経て東横インに


北海道で日活を遠目に感じていたのはこの頃の記憶と
そこから参画していたアニメにまつわる記憶が大きい。
 一番インパクトのあった事件は確かに「ガンドレス」
なんですが(見切り発車で映画公開、スタジオジュニオの
とばっちりを受けたのが「白鯨伝説」(だけどコッチは
日活関係ない))、覚えているのはリリース本数が短縮
されて、コミックスも未完に終わった「綾音ちゃんハイ
キック!」のイメージラインがなんか日活アニメの基本、
って印象なのは確かだ。

なんか妙な形で正々堂々(半ば玉砕気分も共にして)
肉弾戦をやらかす剥き出しな感じが日活アニメの
基本スタイルなのかな、と。

その遺伝子がインデックス→日本テレビと
売られても代わってない匂いを醸しているのが
やはり今季のアニメ「ビステマ」なのかなと。
(日活のアニメ事業部が再び確立されたのは2021年
のことにはなるようだけど)

まあ『勇者パーティーを追放されたビーストテイマー、
最強種の猫耳少女と出会う』こと「ビステマ」は
多分にクランチロールなアニメではあるがそれ以上に
日活アニメの匂いを感じるなあと。

因みに<通称「ハンニバル」式>は本来言うまでもないの
だけど大元のローマと敵対したカルタゴの英雄ではなく、
「特攻野郎Aチーム」式の略し方をするとそんな言い種に
なる、ってこと(因みに「ビステマ」呼びは公式で
公認済み)。

ひとまず二人仲間になって、ヘボ勇者とのエンカウント
(5話)もわりかし丁寧な演出で切り抜けた印象(そこは
かつて『セーラームーン』の頃からローテーションの
演出として名を馳せていた小坂春女らしい捌き方にも
見えたけど)。ここから迷いの森に入って二人追加を
どう描くか、がポイントにはなるし、今季のアニメでは
一番安心感のある「アニメ観てる」が味わえる作品
にはなれているのかなと。